第145話 謎の壁画からの駅ピアノ
「ええっと、フィーナさんどこだ、ついでのおまけにアイリスも」
ちょっとだけ酷い事を言いつつ地下鉄駅内を探す、
これ多分、出入口をドーム基地のあっちこっちに伸ばしてるな、
まだ開通していないだけで……落し物&迷子センターにも居ないな。
(駅の見取り図は、あったった、なんか広場がある)
イベントスペースってあるな、
行こうと思えば簡単に行けるっぽい、
ここからだと……よし道は憶えた、と進んで行くと……
「あっ居た居た、アイリス、あとフィーナさんも」
「ハルク様、素晴らしい壁画が見られますわ?」「えっ壁画?!」
「ここから見上げるとよくわかる」「フィーナさん、どれどれ……これは!」
吹き抜けホールの壁一面、
巨大壁画はこれ公園かなあ、
沢山の黒猫獣人が1人の人間を崇めている絵だ。
「これはハルク様、いえハルク神ですわ」
「いや神にしないで!」「しかし今の状況は、まさにこうだな」
「フィーナさんまで」「園長の絵でごぜーます」「みんなにわかってもらいまーーー」
居たんだ子供黒猫獣人コンビ、
名前何だっけ、まあいいや今は!
過度に元ネタに触れるのもやめておこう。
(それはそうと、この絵について考えよう)
つまりはここに来る人間の住民に、
ハルクパークの黒猫獣人(AIアンドロイド)はみんな、
僕を神のように崇めていますよ絶対服従ですよってことを知らせる壁画か。
(しかも立派な絵、美術価値がありそうなのが怖い)
いやこんな広報の仕方って!
よく見ると僕の後ろにアイリスやフィーナさんみたいな人の絵も、
上空にはドラゴンが見守ってくれていて、細かい部分までよく描かれている。
「こんなのまで設置したっけ」
「おまけでごぜーます」「初期設定でーーー」
「そういやこういう地下鉄の壁画って、うん、うっすらと」
前世の渋谷にあったな、
あれは超有名な芸術家の作品だったが、
そして今、ここに居るのがステージだと気が付いた。
「ここはイベントができるでごぜーますよ」
「うん、ラブライス! の地下ライブとか出来るね」
「こんなのも出せまーーー」「えっ、ステージの一部から穴が、そして……ピアノが出てきた!」
中央に設置された。
「駅ピアノでごぜーますよ」
「誰でも弾けまーーー」「いや僕は」
「では演奏するでごぜーますよ」「腕、届く?」「2人で演奏しまーーー」
高音と低音で分かれて弾くのか、
立ったまま……そしてピアノの音色が旋律を奏でる、
うん、素晴らしい曲だ、9歳設定の指しかも肉球付きでよくここまで。
♪♪~~~~~~
姫もフィーナさんも聞き入っている、
こっちに造る新しい城塞都市は出来るだけ前と同じにしたいって思ってたけど、
地下のこういう部分だけは、新しいこういう要素を入れるのも良いな、辺境伯のワガママってことで。
(あっ、終わった)
自然と僕ら3人で拍手、拍手。
「おそまつでごぜーました」
「がんばりましたーーー!!」
「偉い偉い、ホールが広いからよく響いたね」
今度はステージ床の別の所から穴が、
そして出てきたのは……あっこれ非常食の袋だ。
「街が襲われた時の避難所にもなるでごぜーますよ」
「ここでしばらくは生活ができまーー」「うん、シェルターだね」
「なんだハルク、ここも含めてハルクの家、いや城か?」「いやそういう訳では」
もうそろそろいいかな地上へ戻ろう、
ふと目に入った自動販売機ではさっきの壁画が絵ハガキになって売られている、
あと早速、になかお、もとい黒猫子供獣人のぬいぐるみまで、やはりマスコットにするのか。
「ハルク様、良い事を考え付きましたわ」
「アイリスどうしたの」「こちらを、わたくしとハルク様の次男の領地に」
「いや僕が領主なんだけど」「ハルク様は全体の領主ですわ」「で、そっち跡継ぎは長男と」
まあようよく考えたら、
僕だってハルクパークという荒地を貰ったようなものか、
いや当然、僕は追放とかしないぞ? ざまぁされる未来しか見えない。
(でもまあ、たまに顔は見せる必要は、あるのかな)
国営放送で僕が偉ぶってるだけじゃ駄目だよね、
きちんと領民に慕われないと、そのためには……
このハルクパーク&ドーム都市の住民を、全力で幸せにしなきゃ。
「さて、地上だ、ってえ、えっ、えええええ?!?!?!」
そこで僕が見た、
驚くべき光景とはっ?!




