第138話 決死の戦闘からの危険な洞窟に居たのは
小雨の降る中、
魔物は容赦なく襲いかかってきていた。
「はあっ、でやあっ!!」
「まだまだ、こっちの敵は任せろ!!」
「上空の敵は私たちが迎え撃ちますよっ!!」
2組のS級冒険者パーティーが左右前後の魔物を倒し、
黒猫獣人AIアンドロイド6体が上空の敵すら大ジャンプで倒してくれている。
「おっと危ない」
取りこぼして僕に向かってきた敵も、
フィーナさんが大剣で薙ぎ斬って倒してくれている、
無駄にかっこ良い勇者みたいな装備にされた僕も、一応ピッチフォークで構えてはいるが。
(結構な奥地なんだけどなあ)
地下鉄で行けるドワーフ側の最奥、
最先端、フィーナ公園駅で降りてその先へ、
ちなみに僕のパーティーは『ハルクスターライツ』と名付けた、うん、適当。
(リーダーは僕らしい)
そしてメンバーは僕とフィーナさん、
あとタンクベラさんとアックスベラさん、
ヒールベラさんとマジカルベラさんとアーチャベラさんとポーターベラさん。
(僕専用の冒険者パーティー用、黒猫獣人です!)
もちろん僕が参加していない時も、
リーダー不在で奥地で狩りを行って、
魔石稼ぎ兼ピンチの冒険者助けをするらしい。
「ほらハルク、頼んだ」
「あっはい、めっちゃ強そうな二足歩行のヤギタイプですね」
「本来なら相当強い、だが」「わかりました、もう突くだけの状況ですね」
悪魔型の魔物をピッチフォークで貫く、
おそらくボス級だが魔力も体力もほぼ全て削ってくれてあって、
本当に、必要なくても勝手に倒れる状態の敵を僕にトドメ刺させてくれている。
(これRPGゲームなら経験値泥棒だな)
いやゲームによっては全体に入るが、
この世界にそんなのあったっけ、いや無いはず、
あるのは倒せば倒すほど、通過となる魔石が増えるくらい。
「さあワイバーン地帯ですよ!」
「アックスベラさん、ここのワイバーンは」
「別にドラゴンに従っている種族ではなく、単なるワーワイバーンです」
確かにワーワーワイワイうるさい、
それを倒しまくってくれる皆さん、
あとフィーナさんも心なしか楽しそう。
「あのフィーナさん、活き活きしていますね」
「ああ、こういう身体の動かし方は嫌いじゃない」
「働かせてばかりでごめんなさい」「公園に来た当初は逆たったがな」
そうそう、まだ荒地でトイレと六角堂くらいしかなかった頃、
空中で止まっている敵がフィーナさんの剣では歯が立たなくて、
僕のフォークピッチで倒しまくっていたんだったっけ、思い出した。
「そうえばフィーナさんの今の剣って」
「ああこれか、フィーナソード改と言ってエンシェントドラゴンの巨大魔石から、
ドワーフとエルフと黒猫獣人に加工して貰い、各ドラゴンに魔法付与をして貰ったものだ」
すげえな、いやもちろんその巨大さから持つ人は選ぶが、
おそらくこの大陸で一番の武器だろう、予備があったら展示したい、
あと鎧も凄いな、おそらく同じ感じで強くされているのだろうけれども……
(それでも黒猫ロボの方が強いんだろうな、とはあえて言わない)
人間界で最強を目指すのだろうか、
冒険者として頂点を目指すのは趣味の範囲にして、
あくあでも僕の奥さんを頑張って欲しい、たとえ側室でも。
「なんだ安心しろ、私はハルクを捨てて冒険者に専念するつもろはない」
「ですよねー」「あくまで私は姫のための剣であり盾であり従者でありメイドだ」
「そ、そうでした」「そしてその主人であるハルクにも仕えている、これはその延長線だ」
そして敵は強く過酷になってくる、
トップ冒険者パーティーの真骨頂というか、
いかにも危険なエリアに入って怖いが、僕の守りは完璧だ。
(魔物の魔法攻撃すら、タンクベラさんやフィーナさんの剣が守ってくれる)
たまーーに来るボロボロのボス級を倒すのが僕の仕事だ、
しっかり黒猫獣人が見守ってくれる、いやみんな見過ぎだろう、
そうこうして過酷な岩山エリアに入ってしばらく進んで行くと……
「ありました、あそこです」
「えっアーチャベラさん、どこですか」
「あの洞窟です」「なんかありますね確かに」
岩肌にINNと刻まれていて、
隠された洞窟がある、中は奥が明るい、
雨から逃げるように、みんなでぞろぞろ入ると……あっここ、基地になっている。
「ようこそ秘密基地へ、シークレットベラです」
「フィーナ公園の洞窟版ですか」「コンパクトですが全て揃っていますよ」
「INNってことは宿も」「8人パーティーなら5組まで泊まれます」「他に従業員は」「私だけですね」
ワンマン営業かぁ。
「では皆さん、休みましょう!」
ポーターベラさんの声で、
こうしてちょっと休憩、ついでに内部をチェックしようっと。




