第136話 国営放送局昼食からのテレビ談議
陛下一家が国営テレビ&ラジオにとらわれている間、
僕らはラジオテレビ共同ロビーというかラウンジの喫茶でお昼、
ちなみに陛下の方にも出前が行っているそうだ、で僕らはというと……
「ふむ、色とりどりだな」
「日替わり四采一汁定食だそうです」
「美味しいですわあ」「うん、ボリュームもあるね」
今日はメインがチキン南蛮、
ってこのチキンは前世の世界の鶏か、
こっちの鳥系魔獣のものかどっちなんだろ。
(珍しく黒猫獣人アンドロイドがこのテーブルに居ません!)
何を家族水入らずみたいに気を使ってるんだろロボットが。
「それにしてもハルク、私も箸の使い方に慣れてしまったぞ」
「フィーナさん嬉しいです!」「わたくしはまだフォークとスプーンが」
「お味噌汁は直接、口で食べた方が美味しいですよ」「そうですの?」「ええ僕は」
日本人の感覚だからね、わからないか。
「それにしてもハルク、テレビというのはこういう所で造られているのだな」
「ええ、これでも真面目な番組を作る局、のはずです、なにせ国営ですから!」
「ハルク様、ハルクパークテレビは不真面目ですの?」「夜中にやってた黒猫獣人泥レスはそうだね」
ポロリしてたし!
「私もちらりと見たが、あれ、孤児院の子供が見たらどうする」
「ペアレンタルロックというのがありましてね、それはそうとフィーナさんの好きな番組は」
「2時間サスペンスというのは面白かった、だが毎回最後に、罪を独白して崖から落ちるのはお約束なのか」
まあそうですね、と言っておこうかな。
「様式美とでも言いますか、アイリスは」
「クイズどんどこりんに出たいですわ」「12歳までだからギリだね」
「参加申し込みは」「ハガキだけどアイリスなら黒猫獣人に口頭で」「ディレクベラ様~!」
あっ、ちなみに姫とフィーナさんは、
別口で見学してたみたいです、インタビューも受けたらしい、
ていうかテレビ局違うんだけどいいのかな、全部AIで繋がってるから、まあいっか。
「こっちの放送局はあくまで国の広報みたいなものですから」
「陛下の肝入りにするのだな」「とはいえ宰相閣下と僕に投げられましたが」
「だが協力はしてくれるのだろう」「そうですね、あっ、あそこの大きな画面を」
そうやら正午からちゃんとした試験放送が始まったらしい、
カラーバーじゃなく黒猫獣人がニュースを伝えている、陛下のインタビューも。
『このハルクパークは、もはや第二王都であるな』
いや良いのかそんな副首都みたいな、
まあ悪い気はしないけど都合良く使う気満々かな、
僕としても陛下を喜ばせたい気は、もちろんあるんだけれども。
(あっ、エルフ農園拡張のニュースに)
ニュース自体はハルクパークテレビでも、
もっと言えばドワーフチャンネルやチャンネルエルフでもやってるけど、
やはり国営放送って感じの、事実を淡々と伝えるニュースになっているな。
(前世の公共放送がモデルだからね、しつこいようだけど受信料は取らないよ!)
のど自慢は是非とも放送して欲しい。
「園長、大変です」
「あっイザベラさん、こんな所に、どうしました?」
「エンシェントドラゴンで運ばれてきた移民、第9弾・第10弾なのですが」
まーた孤児がいっぱい来ちゃったか?
実は今日1日は学校自由見学ってことで、
黒猫獣人の伝手で園内あっちこっちの子供に話が行っているはずだが。
「席が空いているからと、冒険者の方々が」
「あー、いっぱい来ちゃったかぁ」「はい、噂を聞きつけ」
「ていうか噂、流したんだよね?」「ええ、それが効果てきめんなようです」
そのあたりどうするか、
園長いや辺境伯領主として、
冒険者ギルドで何か言っておくべきかな。
「もう森の方へ?」
「さっき到着した方々はタワマンの冒険者ギルド出張所ですね」
「では朝に到着したのは」「ドワーフ国の、お抱え冒険者グループも居ますよ」
ちょっと行ってみるかあ。
「ええっと、何か気を付けることは」
「護衛は私共がいますし」「私の本職だぞ」
「あっはいフィーナさんよろしくお願いします」
久々に大剣の出番かあ。
「あと園長、アドバイスですが」「はい」
「娼館やそれに準じたマッサージなどの施設を増やすべきかと」
「いやアイリスが居るから、聞こえちゃってるからー!」「何ですの?」
昼食をモキュモキュ食べるので夢中で聞いてなかったみたいだ、良かった。
「知っているぞハルク」
「な、ななな、何をですかフィーナさん」
「たまにこっそり、まあ良い」「ごめんなさあああああい!!!」
さ、冒険者ギルドに行くかな。




