第132話 朝食は異世界からの贈り物
「はい皆さん、感謝しつつ頂きましょう、いただきまぁ~~す!」
「「「「「「「「「「「「いっただっきまぁあああああ~~~~~す!!!!!!!!!!!!」」」」」」」」」」」」
大音量で煩い! とか思っても言っちゃいけない、
朝から元気な孤児院の子供達と御飯を頂く、いやパンだけど!
ママベラさんの号令で『いただきます』をして一斉に食べる子供達。
「それにしても凄い量のパンですね、ハハベラさん」
「はい、こちらの世界の孤児院に、とあるパンメーカーから寄付が」
「ええっ、ひょっとして」「Pasc●ですね」「クイズどんどこりんスポンサーの!」
そして牛乳は名古屋のらしい。
「それとサラダはエルフ農園の皆さんから」
「ありがたいですね」「卵はドワーフの皆さんが」
「今朝のチュンチュン言っていた鳥のじゃなくて?」
まあアレはそんなに数は取れないか。
「ドワーフの皆さんは昼食や夕食のお肉も」
「頭が下がりますね、お礼を言っておきます」
「昼食夕食のお米はエルフさんからです」「ではそちらも」
あれ、お米ってコンテナで作ってなかったっけ、
凄いサイクルで、それのお世話もやってくれてるのかな、
農作物系はまとめてエルフの管理になったのかも、このあたりは内政担当の誰かの仕事だ。
(誰がやってるんだっけ黒猫AIアンドロイド?)
園長なのに把握していないという、
もっと言えば領主、辺境伯なのに!
まあ良いか、ちゃんと回っているんだし。
「ただ、残念ながらパンの寄付はこの孤児院だけですので」
「えっ何か問題でも、あっそうか、ここだけという事はつまり」
「隣の県人会館へ行った12~14歳の子の分が」「そこはオマケしてくれないかあ」
それでもとりあえずは、
県人寮の食堂で普通に出てるはず、
僕の魔石は減っているだろうけれども。
「ですので、ある程度は働かせてみてはいかがでしょう」
「12歳からのアルバイトかあ、でもこっちに牛乳配達や新聞配達は無いしなあ」
「子役とか」「エキストラか、うーん」「あと逆に孤児院の子の世話を」「あっそうか、それもいいね」
良きお兄ちゃんお姉ちゃん役を。
「あと、これはあくまで本人の希望ですが」「はいハハベラさん」
「冒険者予備軍というか、冒険者の訓練を」「うーん、だったら領兵見習いかなあ」
「それは我々が」「とはいってもやっぱりほら、雇用創出というか」「そういう目的でしたら」
むしろロボット兵(あえてそういう言い方)のおかげで、
そういう予算は抑えられているからね、まあ一番経費喰ってるのは、
竜病みつきチュルチュルゼリーの代金(魔石)だけど、ドワーフとエルフが頑張って貢いでくれている。
「でもやっぱり、そのくらいの年齢の子供は学校に通って欲しい」
「中学生ですものね」「高校まで無償化したい」「そのうえでアルバイトも」
「まあ個人で使いたいとか溜めたいお金もあるだろうし」「そのあたりは園長の、領主の考え次第かと」
このあたりは本当に、
真面目に真剣に考えないといけない、
あと何気にちょっと気になる事がある。
「たとえばタワマン内に学校を作るとして」
「ロイヤルの方ですね、新しい2棟目の方に」
「教師を黒猫獣人にしたとして」「私たちですか」
そう、黒猫獣人AIアンドロイド、という意味で頷く僕。
「あっちの世界の教育とか、知識とか入ってきません?」
「もちろん混ざりますね、あまりにこちらで理解できない事は入りませんが」
「じゃあ、こっちに世界に無い知識も」「さすがに航空力学とかになると大学レベルですが」
う~ん、良いのだろうか、
歴代の転生者がここまで踏み込まなかった原因はコレかあ、
おそらくは、このあたりに気付いた所が、発展させる限界点なのかも。
(あくまで自主的な、という可能性もあるけどね)
例えば僕が文明を目一杯上げたとしても、
次に受け継ぐ異世界人が封印したとしたら……
あっ、王都で『禁忌』扱いされていたのって、ようはそういうことか。
「でも、ひい婆ちゃんは自由にしていいって……」
もちろん、僕の次の世代も自由に出来る、と。
「園長はどうなさりたいのですか?」
「うーん、とりあえず幸せになりたい」
「具体的には」「フィーナさんの件は言い出すときりが無いけど……」
あんまりフィーナさんフィーナさん言うとアイリスが嫉妬する、
まあそれでも自分を止められなかったりするけれども、で、そうなると、
フィーナさんがもっと姫と愛し合えと命令してくる、まだアイリス12歳なんだけどな。
(このあたりについては、まあ幸せになるのは時間の問題と思おう)
やるべき事は、
もう決まっているのだから、
というか絶賛行動中、と言って良い、何より結婚式の日取りが決まっている。
「それ以外では?」
「そうだなぁ、『ざまぁ』はもう終わってるし」
「あら、そうとは言い切れませんよ?」「えっまだ何か」「それは追い追い」
追い追い……
キクコベラさんの話じゃないよね?
いやアレは『キクコベラ永遠の17歳です←オイオイ』だっけか。
(前世の記憶は絶好調だな)
まあそんなことより。
「この世界で、この公園でのんびりスローライフを送るのが幸せ、かなあ」
「そうですか」「別に世界征服とか興味ないし、領主的にも冒険者的な意味でもね」
「魔王とか居ても私たちで倒してしまえそうですから」「むしろ魔王を移住させたい、まである」
前世のラノベであったなそんなの、しかも複数。
「では園長が幸せなスローライフを過ごせるよう、私たちは精いっぱい、サポート致しますね」
「うん、ハハベラさん含め、みんなお願い」「園長の欲望の方向がそちらで良かったです安心しました」
「というと」「私たちの例の機能を」「ごめん、それはすでに何体か、いや十数体」「その上で孤児たちと」「それ以上はいけない!!」
何を言い出すんだこのAIはー!!!
さすがにそれは、いくらなんでも、この僕でも、引く。




