第130話 増えてるううううからの増やそう
「なんですかベラドンナさん、また重要事項って」
タワマン駅で陛下と別れ、
自室に帰ろうとしたら急な連絡で、
もう夜9時過ぎてるのに昨日新設した孤児院に呼び出された。
「中を見ていただければ」
「まーた、モフモフですか」
「いえそうではなくて、孤児院を」
入って広い居間を見ると、
うっわ子供だらけ、なんでこんなに!
フィーナさんアイリスに子供達が群がる。
「おお園長、いえ辺境伯!」
「園長で良いですよジャルノさん、この数は」
「今日の第5便から第8便で、また子供が大量に」「増えてるうううう!!!」
どさくさまぎれで押し付けられた予感!
いやこれ絶対旧領民じゃない子供達だろう、
昨日と違うのはでかいのが多い、前世で言う小5・6から中学生くらいか。
「はいはい皆さん、10時就寝ですよ~」
やってきた母性溢れる黒猫獣人AIアンドロイド。
「ベラドンナさん、彼女は」
「ママベラさんですね、孤児院備え付けの」
「彼女だけですか」「そうですが、あきらかに足りません」
いかに疲れ知らずのロボットとはいえ、
1体たけじゃ孤児院長のジャルノさんが大変そうだ、
現に疲れ切った表情をしている、現状はどうなってるんだろう。
「部屋の方は」「3階まで満員ですね、これ以上は地下のお仕置部屋に住まわせるしか」
「ええっと、元々の予定だった県人会館は」「それは私から」「ベラドンナさん」「今日来た隣接した領兵の寄宿舎に」
「聞いてないよー?!」「私は陛下から聞いた」「フィーナさん、いつのまに」「噂を聞いて様子を見に来たのだろう」
旧辺境伯周辺の貴族領、
それぞれの領兵が僕に勝手に来ちゃったのか、
外務担当のフィーナさんに話は来ているから、まあいいのか。
「一時的なものですよね?」
「建前上は、新しく領地を作った辺境伯への協力だな」
「助っ人衛兵ですか、そんなの黒猫獣人で間に合っているのに」「本心はまあお察しだ」
様子見とおこぼれ目的か。
「えっと秘宝持ってきてて良かった、まずは……」
「お兄ちゃん何してるのー?」「ハルク、この子達は任せろ」
「さあこちらに集合ですわ、わたくし、このハルクパーク園長の妻となる……」
子供達を引きつけて貰っている間に、
浮かんだ画面でまず孤児院の追加職員からだな、
ママベラさんが居るならハハベラ、マザベラ、オカンベラ……
(後は仕事探してる領民を雇えば良いか)
ちょっと高いけど購入っと。
「私が母よ」「私がマザーよ」
「おかんだよ、もう夜だよっ、夜更かしはいけないよ!!」
「あらあら、仲間が一気に」「ママベラさん、リーダーをお願いします」
びっくりするジャルノさん。
「い、いったいどこから、この孤児院といい」
「それで中学もとい12歳から14歳の子専用に県人寮を」
「隣にしますか」「はいベラドンナさん、繋げられますか?」「きっちり隣接できれば」
ということで表に出て増やそう、
隣に寮を……成人前人間寮で良いかな、12~14歳対象、
入口に設置する表札には……『がんばれ荘』にしておこう。
「はい3階建て設置、やっぱ見た目が孤児院より寮って感じ」
「おお素晴らしい!」「ジャルノさん、この中にも多分、黒猫獣人が……」
「早速出てきましたよ」「あっ、ひよこのエプロンに木の箒!」「ピヨベラと申します、管理人を務めさせていただきますね」
大人の未亡人っぽい出で立ち、
寮に時計台があるのはそのせいか、
でかい犬とか飼わせないといけないな、イザベラさんあたりにお願いしておこう。
(なんとか刻館にした方が良かったか)
いや怒られそうだからやめておこう、
壁に穴とか空ける住民とか居たら困るからね。
「ということでジャルノさん、12歳以上はこちらに」
「ありがとうございます」「ピヨベラさんが色々と世話してくれるでしょう」
「もし足りなければ、孤児院から」「まあ心配なのは喧嘩くらい、あと男女をしっかり中で別にしないと」
こっちの勤務も領民から募集するかな、
早速、繋がった孤児院から様子を見に子供達が、
とりあえず僕も僕で、これで様子を見よう、さすがに更にめっちゃ増えたりしないよね?
「ふう、ハルク、仕事が早いな」
「フィーナさんお疲れ様です、アイリスも」
「学校はどうしますの?」「あっそうか、新しい方のタワマンに整備するかな」
ちょっと距離あるけど、
この県人寮からも地下歩道でタワマンまで繋げるかな。
(さて、帰ろう)
と思ったら……
「ハルク様、今夜は孤児院の子供達と泊まりたい気分ですわ」
「えっアイリス、ここで?」「ですの」「うーん」「ハルク」
「あっはいフィーナさん、では僕も」「皆で泊まろう」「ですね」
名前呼びだけで僕を従えさせるフィーナさん、
それだけで全身がゾクゾクするくらい嬉しい僕、
このまま躾けられ切ったら、僕はどんな辺境伯になるのだろうか。
(まあ良いや、幸せだし!)
……と、この夜、いや夜中に、
予期せぬ報せが入ったのだった。




