第127話 ドワーフ国からの新たな儀式
「ようこそドワーフ国へ、このグレダス=ダンディ、改めてお忍びの、人間の王を歓迎する」
地下鉄の駅から出たドワーフ地下帝国入口、
大きく広い空洞で迎えてくれた沢山のドワーフ達、
中には僕もたまーにお世話になるタイプの、少女に見える成人ドワーフも。
(いやね、これがね、たまらないのですよ、福○小糸に似たあの子とか)
前世のアイドルゲームのキャラは置いといて。
「うむ、ドワーフの王よ、視察させて貰おう」
「正式な来賓であれば花束やもてなしもできたのだが」
「良い良い、現状の把握をしに来ただけだ」「では各大臣の紹介も」「ダンディさん、省略で」
思わず却下してしまった僕、
さっきのエルフ一家みたいに、
いちいち大臣が名乗ってたら多分、1時間を超える。
(20人以上、ずらっと並んでたからね)
ちなみに籠絡大臣とかいうのも居て、
ドワーフなのに色気が凄かった、こういうタイプも居るんだっていう、
あっ僕はそこそこ前に全員紹介されたんですよ、などと思いながら動く歩道へ。
「ほう、エスカレーターとかいうのの横へ行くパターンか」
「人間の王よ、これもハルク殿が整備してくれた、感謝しかない」
正確には僕に『しくよろ~』て言われた黒猫獣人AIアンドロイドが、だけどね、
ちなみにこっちはちゃんとドワーフ方面担当のムムムーンベラさん違うラスカルさんがついてきている、
いつもスプーンを持っているのはエンシェントドラゴンの急な呼び出しに応えるためらしい、どの距離まで聞こえてくるのそれ。
「ねえアナタ、これ王都にも導入できるかしら」
「ハルク殿」「んー無理ですね、ですよねラスカルさん」
「ムンッ、動力源的に無理ですね、スマホのように小型バッテリーを付ければ良い大きさなだまましもムムン」
そして行き着いた先は巨大エレベーターホール、
すでに一番大きいのを待たせてあってそれに乗り込むと、
地下へ移動、エレベーター中では『安全第一』『祝・今月のノルマ達成』とか文字が出ている。
(たまにセクシーな女性ドワーフの絵が入り込むのは、誰の趣味なんだろう)
そして到着した先に広がっていたのは……!!
「ほう、これは発掘現場か」
「ミスリル鉱石、あっちはダイヤ鉱石、その先の銀鉱石は手が空いた者が」
「すごいな、宝の山、いや、宝の国ではないか」「全てハルク殿のおかげだ、毎晩ドワーフの女を宛がっても足りないくらい感謝している」
その言葉に僕を見るアイリスとフィーナさん。
「ハルク様……」「ハルク、そんなにか」
「いや例え話ですよね?! って毎晩もそんなことしてる暇ないのフィーナさんわかっているでしょう」
「そういえばドワーフ国へ行って、帰りが遅くなることがあると聞いたが」「ほとんどがちゃんと仕事ですってヴぁ!!」
語尾がヴぁになってしまった、
うん、まったくやましい事が無い訳じゃあ無いからね!
「なるほど、宰相が、武器防具がやたら安いと言っていたのはこのためか」
「陛下」「ほう、なんだハルク辺境伯」「一応、もう王都に向けて輸出も出来ますが」
「買おう、先にこちらへ来た宰相も言ってなかったか?」「ムムン、陛下なら喜んでそうすると言っていましたムーン」
そっかラスカルさん、
こっちで午前は宰相一家のお世話してたもんな。
「それにしても凄いな、国が出来るはずだ」
「ムムン、下に降りられるなら黄色い安全ヘルメットを」
「いや、もう十分わかった、子供も居るしな」「では次は、我が国自慢の鍛冶工房へ」
とダンディさんがやたら自慢した工房は熱かった、
陛下はやはり大型の魔物から出た魔石を贅沢に加工する手法に興味を持っていた、
人間からすれば未知の加工技術、工房自体も目新しい物だったらしいが内容が専門的過ぎて……
(アイリス姫といちゃついてましたー!)
ほら、こうするとフィーナが喜ぶからね、
僕が姫といちゃいちゃして喜ばせるとその夜、
フィーナさんがじゅっくりねっとりと喜ばせてくれるんですよ!
「……わかった、今日はこのあたりにしておこう、で次は」
「武器の最終仕上げを見て頂きたい、ここドワーフ国の山頂、儀式の祭壇へ」
そう、いつのまにか始まっていた新たな儀式、
エレベーターを乗り継いで最長まで行くとすでにドワーフが、
召喚儀式みたいな格好でずらりずらりと祭壇前で控えていた、僕らは用意された見学席へ。
(これも観光客が来た時に座らせる場所らしいよ!)
ダンディさんも儀式の前の方へ、
そして長老っぽいドワーフがやたら長い槍を両手に1本つず持って、
空へ突き上げながら念じて叫び続ける、何やら古代ドワーフ語らしいですよ。
「……いでよ、竜神のしもべ、我らドワーフに、その姿を……お見せ下されー!!」
とまあ仕上げの言葉は我々にもわかる普通の言語で、
すると来た来た、なんだかいつもよりかっこよく、ちょっと怖い感じで、
ダークネスドラゴンのドラモンがやってきた、そして祭壇に降り立った。
「ウム、キョウハナンノヨウダ」
「ははっ、こちらの5本の武器に、呪いを」
剣が2本、槍が2本、斧が1本置かれた。
「マアヨイダロウ、スコシチカイ、サガレ」
長老がぐいっと祭壇近くから下がると、
口から闇魔法が放たれ、武器を包み込んで行く……
しばらくすると黒い、漆黒のコーティングがされているのがわかった。
「コレデ、ノロイノブキガ、カンセイダ」
「素晴らしき呪いのエンチャント、ありがとうございます」
「シテ、オマエタチハナニヲシテクレル?」「もちろんこちらを用意しております」
とまあ沢山のドワーフで、
お約束『竜病みつきチュルチュルゼリー』を……
「ングッ、キョウノハネットリグアイガ、ヨイゾ」
「ははっ、また御用意させていただきます」「ウム、デハマタナ!!」
満足そうに去って行った、
これで呪い武器の完成だ、
生半可な魔物なら1回斬られただけで毒が急速に回ったみたいになる。
「これは、なかなか面白い儀式であったな」
そう言う陛下の所に呪いの剣が。
「これを人間の陛下に」
「良いのかドワーフの王よ」
「呪い武具を渡すのはドワーフからして見れば、最上の信頼の証ゆえに」
うん、我が国の王とダンディなドワーフの王、
上手く良い感じの関係が築けそうで良かった、
後はもうちょっと色々と見回って、夕食かな?




