第121話 地域猫からのいて貰うには
「猫ハウスかあ、あっ、もうワイバーンが着いている」
僕らが園長専用車で到着する前に、
陛下専用のプレミアムワイバーンですでに来ていたようで、
先導したベラドンナさんが中を指している、見ると地域猫に群がる多数の子供が!
(陛下のお子さん2人も、跳び付いてモフモフしてるや)
それを微笑ましいといった感じで見ている陛下、
あと知らないお爺さんも立っているけど誰だろこれ?
「よし、聞くか……あの、園長の、領主のハルクです」
「これはこれは、孤児院から参りましたジャルノと申します」
「あっ、じゃあこの子達は」「元の城塞都市にあった孤児院の子たちですね」
それが、にゃんこに夢中になって離れなくなった感じか。
「多いですね」
「……すみませんさすが領主様、途中で増えまして」
「やっぱり」「かくゆう私も実は」「途中の孤児院の方でしたか」
陛下も微笑ましそうに見ている。
「これが報告に合った噂の神獣か」
「はい、フォレストホーンキャットですが地域猫です」
「例の剣はこの角か」「死んだ個体のですけどね、こうして子供を保護しています」
アイリスもモフりに行った。
「フィーナさんもモフって大丈夫ですよ」
「そしてハルクは私をモフモフするのか」
「腹筋をさわさわするのが、って言わせないで!」
ベラドンナさんが戻ってきた。
「間もなく一般公開終了の午後10時に」
「あっそうか、確かに『行きたくな~い』は動けませんね」
「こちらのジャルノさんに、行先の県民領を案内はしたのですが」
さすがにここで一泊させるのはなあ、
角の危険性がゼロじゃないし、ずっと見張ってる訳にもいかないし、
モフモフに挟まれて窒息死とかさせる訳にはいかないから連行しないと。
「ジャルノさん、ていうかこの子たち、食事は」
「園長の奢りと言われて博物館でハンバーガーを」
「ああ、それは良かった」「みんな喜んでました、私も美味しかったです」
じゃあお腹はいっぱいか、
よく見たらすでに、しがみついたまま寝てる子供も居るし。
「んじゃあ、こうしましょう、近くにまだ土地はありましたよね」
「はい園長」「じゃあベラドンナさん、孤児院を建てましょう」「良いんですか?!」
「独立して建てた方がそれっぽいっていうか、地域猫にすぐ会いに行けますし、さすがに繋げはしませんが」
ということで猫ハウスのほぼ隣に。
「……ジャルノさん、3階建てで良いですか?」
「それはもう」「あと地下にお仕置部屋も」「なぜそんな」
「イメージです、屋根裏でも良いですが」「あまり折檻はしたくありませんが」
とはいえね、小箱を出して画面を操作して、
という感じでこっちの世界に合わせた孤児院を選択、
うん、クラシカルでちょっと教会っぽい孤児院の完成だ、特別価格で安く買えた。
「おお、あっという間に!」
「ほうほう、これはいつでもどこでもか?」
「陛下、ハルクパークとその周囲限定です」「へ、陛下?!」
あっ、ジャルノさん気付いちゃった。
「今はお忍びのアマーティンじゃ」「ははっ」
「さて、じゃあみんなで中に運び込みましょう」
「ワシも手伝うかの」「そんな陛下まで」「ジャルノさん、アマーティンさんですよ」
ということで孤児院へお引越し、
嫌がる子は地域子にゃんこ自ら咥えて運んでくれる、
フィーナさんも丁寧に運んで、アイリスも小さい子をおぶって。
「ハルク様との子供、楽しみですわ」
「ちゃんと成人してからですよ」「わかっておりますわ」
「ふむ、姫とハルクの子供、私がしっかり育てよう」「フィーナさんは僕との子も!」
こうして無事に運び終わると、
午後10時を知らせる音楽が流れる、
最近は曲が変わって『クリエイティブカンパニー』とかいう歌らしい。
「街の灯りが減ったのう」
「陛下、今から朝までは、外で意味なく騒ぐと怒られる時間です」
「治安がしっかりしておるの」「ラーメン屋行くくらいは大丈夫ですが」
にゃんこハウスも閉園モードだ、
と、ここでふと気が付いたことが。
「あれ、そういえば陛下の奥様は」
「隣の小屋のようじゃが」「あっ、居た!」
母親にゃんこに、
モフモフしている王妃の姿が!!
「ん~~~、上質の羽毛ね」
いや、どうしようコレ。
「ミランディア、行くぞ」
「はいアナタ、では参りましょう」
キリッと戻ってきたのは良いが、
全身、猫の毛だらけなんですけどね。




