第115話 ちょっと不信感の皆さんからのようやく再会
「第3便の皆さん、ようこそいらっしゃいました」
さささっとやってきた博物館前、
旧辺境伯領から結構離れている侯爵領の端、
本当に緊急の仮住まいで結構『はやく出て行け』とプレッシャーをかけられていた皆さんらしい。
(なのでちょっと、これまでの皆さんよりちょっと素直じゃないっていうか)
不信感を持っている人も居るとかで、
すでに博物館内の黒猫獣人を蹴ったと報告が。
「ほらほら、こっちよ」
「いででで、なんだコイツらは」
「公園警察よ、地下牢で頭を冷やしなさい!」
まあ相手がアンドロイドだから器物破損未遂だ、
明日になったらまた別の移住先(ここへ来る前のね)に、
送って少し、心を落ち着けて貰おう、いずれはこっちで新設する離れ集落あたりに。
(ちょっと脅かしていくか)
僕を見てハッとしてる、
見覚えはあるらしい、どうせ無能としてだろうけど。
「僕はいいけど陛下がお忍びで来てるから、バレたら容赦なく首を刎ねられますよ」「ひっ」
「安部さん、軽部さん、僕の奢りでいいのでカツ丼くらいはあげて下さい、明日朝はアンパンで」「「はっっ」」
「ふむ、甘いな」「フィーナさん、僕の領民ですから、嫌なら二度と来ないでしょうし」「お優しいですわハルク様」
わかってはいたけど、
僕に対して反抗的なのもいっぱい居るはずで、
しかも『余計なのが来た』と思われるような場所で避難していたら、心も荒れるだろう。
(だからこその、美味しいラーメンとハンバーガーが食べられるようにしてるんだけどな)
やっぱりこっちの世界の料理、
しかも家庭的なやつが食べられるレストランを戸別で建てるかな、
廃墟となった旧辺境伯邸から何か美術品でも発掘して飾って、料理人もアンドロイドじゃなく旧辺境伯領民を雇って。
「ハルク、思ったのだが」「はいはいフィーナさんのためなら何でも」
「いやこれは命令にしたくは無いのだが、ハルクが新しい辺境伯である事をもっと周知させるべきでは」
「かといって陛下の像に僕のを並べるのは、いやフィーナさんの忠告には沿いたいですが」「園長、新しく石碑でも造りますか」
ということで裏門からも見える位置、
ドラゴン場から降りた場所に大きな石碑を設置するため、
秘宝から画面を出してセレクトすると、すでに過去、設置されたものがメニュー内に。
「なんですかこの『風になって君にムエタイ』って文字が刻まれた石碑」
「前の園長が初期に設置したようですが、城壁の一部になって埋まったようです」
「ガーベラさん、つまりは」「名古屋で昔、ラジオを聞いていた人には大爆笑のネタですね」
知らんがな。
「ええっと、『ここをハルクパークとする』でいいかな」
「きちんと園長の名前も刻印されるので、それで良いかと」「これで通じるかな」
「ここを設置した日付けを王国歴で付けておけば」「じゃあ購入っと、あ、そこそこ高い」
設置完了、
あ、裏にも同じのが彫ってある、
これで一応は、ここが僕のものだぞーって主張は出来る。
「ハルク様、わたくしとハルク様の結婚式には永遠の愛を石碑か何かに」
「ああっアイリス、黒猫ドローンに先導されて普通のドラゴンがいっぱい来ましたよ」
「んもうハルク様ったら」「姫、陛下と一緒に来て途中で置いていかれた一団だと、ゆえに……」
ドラゴン場に降りて来たので向かうと、
以前お会いしたアイリスの叔父が一家で降りてきた、
真っ直ぐに走って行って抱きつくアイリス、嬉しそうだ。
「ようやく再会か、アイリス」「はい叔父様!」
「ダンバム殿」「おおフィーナも」「どうもダンバムさん」「ハルク殿も!」
「みなさんいらっしゃいぱっぱ~」「わあ、かわいい、抱きついていい~?」
娘さんが聞きながら、
はるにゃんに飛びついてら。
「夫がお世話に」「あっはい、ようこそいらっしゃいました」
「それにしてもハルク殿、あの建物は」「博物館です、中でハンバーガーも食べられますよ」
「なるほど、休めるのか」「ええ、早速どうぞ」「叔父様、わたくしにご馳走させてくださいませ!」
そして案の定、
最初に駆け込んだのはトイレでした。
(あっ、王宮魔術師のええっと、デュアルさん一家も!)
リピーターは順調のようで、
と思ったらドラゴン場で最後に降りたドラゴンから、
慎重に降ろされているゲッソリとした女性が、ああ、あれがご病気の。
「園長、救急車は手配されておりますので」
「うんガーベラさん、ありがとう、丁度ダークネス&ホーリードラゴンも帰ってきたね」
さて、あの祭壇を使っての初儀式だ。




