第114話 ドワーフとエルフからの贈り物
健康診断が無事終わり、
陛下は軽い糖尿病予備軍で済んだのち、
ハルクパークレジデンス1号館に移動して。
「ほう、ハルクよ、ここは」
「ドワーフに地下の駐車場エリアをほとんど奪わ、提供しまして、
その中で博物館エリアを造ったのですが、事実上の倉庫になってます」
とはいえ上客が来た時の見本置き場でもある、
大きな意味ではここも商店の一部であり博物館とも言えなくもない、
奥からダンディなドワーフがやってきた、族長いやドワーフ国王のお出ましだ。
「我はグレダス=ダンディ、貴殿が人間の国王か、火山の噴火で行き場を失くした我らを保護し、
更には大きな岩山の中に新しい国まで造っていただいて本当に感謝している、人間への認識を改めた、
礼を言う、そして我らの力が必要であれば出来る範囲で協力しよう、なのでこれからも我々の自治を認めて欲しい」
大きく頭を下げたグレダスさん、
本当はドワーフは人間相手にここまでやらないらしいが、
そこは僕に対してお願いしてると思って、と無理を通してやって貰っている。
(ドラゴンの崇拝も続けたいだろうからね)
あとなんだかんだいって、
ここの拠点を出されたら本当に困るから、
そのあたりはこれからの贈り物に気持ちが込められているらしい。
「ふむ、話は聞いている、今はお忍び、一介の『アマーティン』として来ているが、
そなたたちは決して悪いようにはせぬ、陛下も宰相も文句は無いだろう、だがハルク辺境伯はどうかな?」
「えっ僕?!」「任せてくれアマーティン殿、すでにウチの可愛い女ドワーフが着実に籠絡してお」「やめてー!!」
後でフィーナさんにお仕置されるからあ!!!
そして奥から屈強なドワーフさん達が贈り物を持ってくる、
大きいサイズ、フィーナさんを参考にしたサイズの鎧、盾、兜、そして短剣。
「ほうほう、これは」
「人間の王へ友好の品、敵対する方のエンシェントドラゴンから出た巨大魔石を加工して造った」
「素晴らしい、だがオーガ用かと思う程の大きさだが」「陛下申し訳ありません、私のサイズを参考に」
今度はフィーナさんが頭を下げた、
いやそれにしてもオーガ用は無いでしょう、
僕はオーガに犯されたいんじゃない、フィーナさんに犯されたいんだ!
(とか口に出したらさすがに不味い、色んな意味で)
まあこれは実戦より観賞用、
もしくは単純にこういう価値の物だろう、
一式揃って国宝級なのは間違いないからね。
「素晴らしいな、これは我が城へ持ち帰っても良いか」
「もちろんだとも、なあハルク殿」「あっはいグレダスさん、って宰相閣下、どうしました?」
「これは……美術的価値もありますゆえ、外交で他国に贈る手もありますな」「ほうほう、そういう手もあるか」
さすが宰相、外交的立場で見るかあ、
まあ我が国の自治区的なドワーフ国からの贈り物だ、
それを陛下がどう利用しても立場的には誰も文句は言えない、僕も含めて。
(まあ、今後も獲れるだろうからね、エンシェントドラゴンの魔石)
ちなみに個人的に、
それでお風呂も発注していたり、
バスタブにお風呂場用の椅子に風呂桶も。
「まあこれらは次に国王陛下として正式に来た時に受け取ろう」
「そのときは我がドワーフ国へ是非」「うむ、わかった約束しよう」
「では陛下、次の場所へ」「ガーベラ殿、次というのは」「地上部ですが、すぐ近くですよ」
続いて訪れたのはエルフ博物館、
こっちもこっちで同じようにエルフ工芸品の見本市みたいなものだが、
今回は特別にエルフの族長さんに来て頂いている、綺麗どころも揃えて。
「アマーティン様、エルフ族長のリアリルと申します、緊急事態ゆえ人間との交流を持ちました、
新しいエルフの里、エルフ農園、ほんとうにハルク辺境伯様や国王陛下には感謝しております、
どうか国王陛下への贈り物、奥方へのドレスをエルフ一同、心を込めて造りましたのでご確認ください」
次々と運ばれてくる王妃用ドレスやネグリジェ、
飾れる工芸品的なのもあれば実用的なものまでも、
前にフィーナさんが『着ただけで絶頂しそう』と言ってたスケスケネグリジェも、ってどんだけ気持ち良いのそれ。
(着てみるか、と言われて恐くなって断りました、はい)
陛下用のパジャマもちゃんとある、
ナイトキャップまであって、いやね実は、
ハルクパークの寝具コーナーで売ってたのをエルフが真似して造ったんですよ。
「うむ素晴らしいな、なあミランディア」
「ええ、これは待てないわ、今すぐちょうだい」
「だそうだ、では我も貰っておこう」「はい、そこでアマーティン様、実は国王陛下にお願いが」
とまあ会話が長くなるので内容をかいつまんで言うと、
エルフはタワマンに住む人間と仲良くしても良い派と、
農園奥の里に引きこもるエルフはエルフで暮らす派が居ると。
(もちろん2極っていう極端では無いにしろね)
で、表に出たくないというか、
人間と触れ合うのが苦痛なエルフも居るので、
観光エリアはちゃんと平気派が愛想振りまくので引きこもり派を許してやってくれと。
「なんだそんなことか、辺境伯に任せる」
「ありがとうございます、族長として感謝します」
「では我は、国王はエルフの里へは行かぬ方が」「一番大きな里には来て頂けるよう、手配致します」
ツリーハウスのある方ね、
元祖祭壇がある、僕も行く時は前もってって、
でもホーリードラゴンに拉致られて連れて行かれた事あったな。
(まあそもそも、あのメイン集落は人間がそこまで嫌な人は居ないらしい)
新しいエルフの農園&里も続々造っているからね。
「エルフはじめてみたー」
「おみみがまるでエルフみたーい」
「お子様ですか、私はエルフだからね、エルフみたいじゃなく、エルフだから」
さて、そろそろ第3便が到着する頃かな。




