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捨てられ貴族の公園造り ~婚約者もメイドも寝取られ危険な荒野に追放された僕は、前世を閉じ込めた箱を開けて未来型都市公園で暮らします~ ざまぁもあるし地域猫もいるよ!  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
番外編 ハルクパーク来園日記、王宮騎士団ダンバムの場合

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第85話 謎の公園からの旧婚約者が生かされている理由

「君たちがハルク辺境伯の、元婚約者か」

「はい、スージーと申します」「ケティです」

「それにしても大変そうだな」「これでも一度、取りに行かせたのですよ」


 上空から最初見つけられなかった謎の公園、

 小さな馬と熊の遊具は下にバネがついている、

 あとベンチには軽い屋根、とはいってもツタと葉っぱ程度。


(強い雨が降ったら普通に濡れそうだ)


 そこで汚れている服のふたり、

 片方はメイドか、人生に疲れたような表情をしている、

 彼女達がハルク殿を裏切って、兄についた、すなわち寝取られた……


「イザベラ殿、取りに行かせた、とは」

「はい、一度だけですが特別に廃墟となった城塞都市へ戻してあげて、

 そこで辺境伯邸のがれきを除去して彼女達の衣服だけをなんとか出してあげました、とはいえ……」


 無傷で済まなかったのは、見てわかる。


「寝泊まりはあの小屋か、ってイザベラ殿、あれは確か」

「多目的トイレですね」「あそこ、雨風は凌げますが寒いです、外よりはマシですが」

「でも中でじーっとしてるとサイレンが鳴るんです」「寝られぬな」「交代で動きます」「一人ずつなら」


 あとは小さな水飲み場が、

 洗濯はあそこでしているのだろうか、

 とにかく劣悪な環境だ、ここで暮らすのはさぞ辛かろう。


(ハルクパークとは天と地、とはいえ最低限、生きてはいけるか)


 おっと、目的を果たさねば。


「ハルク殿を追放した経緯を聞かせて頂こう、

 最もハルク殿やその他からすでに情報は聞いている、

 追放側の罪も確定している、これは確認作業だ」「そんな」「騙されただけです!」


 ベンチに座って話を聞かせて貰う、

 やはり辺境伯領が、城塞都市があの恐ろしい魔物に囲まれても平気で居られたのは、

 大切に仕舞われていた『秘宝』のおかげだったらしい、それを自分の物にするために追放したと。


(まさか秘宝そのものがハルク殿についていくとはな)


 最初から後継者しか使えないとわかっていれば、

 ハルク殿はもっと大切にされていたかも知れない、

 そしてこの元婚約者も……まあ仕方ない部分は確かにある。


(死に行く者についていくなど、よほどの愛か忠誠心がなければ)


 そう、アイリスにとってのフィーナのように。

 結局はこうなってしまったがそれはあくまで結果に過ぎない、

 本当に責められるべきはハルク殿の兄、前辺境伯のクライヴ=ウィリアヒルか。


(結果、焼き殺した訳か)


 骨まで焼き尽くしたので死体は残っていないそうな、

 そしてハルク殿に再度、許しを請うために魔物を倒しつつ行き着いたのがここ、

 ここから更に先は二人だと無理、現に死にかけたのを黒猫獣人に助けて貰い、今に至る。


(そして、魔物を倒しつつ、あの自販機で生きながらえていると)


 野草も採って食べてはいるそうだ、

 スージー嬢は火魔法が使えるゆえ煮る事は出来る、

 それにしてもこの先、彼女達はどうして行くのか……


「……話はわかった、これで双方の話がまとまった、

 すでに王都で下された判断、処分に変わりは無いが、

 ハルク殿次第でどうにかなるかも知れん、まあ、あまり期待はしないでくれ」


 暗い表情のふたり、

 ハルク殿がどうしても許してあげて欲しいと言えば望みはあるが……。


「おっと、おふたりに渡す物があります」


 イザベラ殿が厚紙を二枚取り出した。


「これは」「何でしょうか」

「自販機でパンを買った時、ポイントシールを集めましたよね?」「ええ」「20ポイント集めました」

「そして自販機横の備え付けハガキに貼って応募しましたね?」「はい」「ハガキの下に応募箱があって、そこへ」


 渡されたのは赤い厚紙と白い厚紙だ。


「おめでとうございます、D賞『Pasc●プレゼンツ・クイズどんどこりん特製○×ハット』ご当選です」


 くり抜いて組み立てるようだ、

 書いてある通りに外して丸めると、

 白地に赤で○、赤地に白で×の帽子が完成した。


「これって」「なんでしょう」

「ハルクパークで放送しているクイズ番組の参加者が被る帽子です、

 まあ子供ではないおふたりには、日よけの帽子くらいには使えるでしょう」


 何とも言えない表情のふたり。


「よし、情報収集に協力してくれたお礼にパンをご馳走しよう」

「本当ですか?!」「ありがとうございます!!」「十二個で良いな」


 こうしてPasc●のパンとやらをふるまったのち、

 ホーリードラゴンに乗るイザベル殿と私、それを見上げる悲しげなふたり。


「あの、私たちは」「どうなるのでしょうか」

「先ほど、ダンバムさんが言われた通り、ハルク園長次第ですよ」

「何でもするとお伝え下さい」「愛しているのはハルク様だけだと」


 こうして謎の公園を後にした我ら、

 あっという間に舞い上がり、公園が小さく見えた所でイザベラ殿に問う。


「実際、彼女達が生かされている理由は」

「園長が『ざまぁ』するためですね、結婚式を見せて『ぐぬぬ』とさせるためです」

「やはりハルク殿は許さないのか」「まあ、良くて新たなお米普及大使でしょう、さあ戻ってお別れパーティーです」


 こうしてハルクパークへと戻ったのであった。

 消えゆくホーリードラゴンを見送り続けるスージーとケティ。


「あぁハルク、早く、早く会いたい、私はハルクの婚約者よ……」

「ハルク様、ケティは、もうケティはハルク様しか居ないのです……あぁ……」

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