第84話 魔物が沢山からの休憩公園
「まずはドワーフ鉱山ですね」
「こちらは前に見せて貰ったが」
「その冒険者出入口から先を見てみましょう」
ホーリードラゴンで森を低空飛行。
「おお、あのでかい魔物は」
「クレイジーコカトリスですね、大きな魔石が獲れます」
「あっちの獣は」「デスエンペラージャッカルです、ずる賢いですよ」
やはりかつて『禁忌の荒地』と言われた場所の先、
歯ごたえのある強い魔物が多いようだ、上級冒険者は大喜びだな。
「あそこは洞窟か」
「ダンジョンですね、かなりの上級者が腕を試すのに良いかと」
「命の危険は無いのか」「もちろんありますが、ほら、あそこのように」
大蛇系の魔物に苦戦するドワーフとエルフのパーティー、
ここは私が加勢すべきか、と思ったらどこかから黒猫獣人が飛び出して、
あっさり倒してしまった、挨拶だけして消えた、いやソロであの強さはとんでもない。
「イザベラ殿、今のは」
「冒険者用エリアの監視員、先ほどのはキベラですね」
「確かニャーレンジャーの」「ショーが無い時は魔物を狩りつつ、冒険者を助けています」
もしもの時の補助まで居るのか、
これだけ高レベルな狩場でこれは凄いサービスだな、
ただ、五人居たとしても運もあるだろう、いつも助かるとは限らないか。
「おっと湖が」
「あそこには魚系やワニ系の魔物が、って沈んじゃいましたね」
「ひょっとして逃げたのか」「相手がホーリードラゴンなら仕方ないですよ」
本当に多種多様な魔物が狩れるようだ、
そして前方に火山が見える、噴火の真っ最中、
ホーリードラゴンのドラミンが旋回しながら近づく。
「ひょっとしてここが」
「はい、ドワーフやエルフを追いやった、
すでに溶岩に呑みこまれている集落もあるようです」
それがハルクパークに避難してきた訳か。
「おお、マグマの中からゴーレムが」
「バーニングゴーレムですね、さすがにドラゴンでないと倒せません、
と言いたいのですが、あそこを」「おお、ペアの黒猫獣人が!」「アオベラとミドベラですね」
普通に溶岩の上を走っている、
よく熱くないものだ、感心してしまう。
「……ふと疑問なのだが、貴殿らの集落は」
「私達でしたらハルクパークですよ?」「その前は」
「それに関しての説明は、園長の許可が必要ですね」「そうなのか」「はい」
火山から離れ、
険しい山脈の手前に来たが、
ふと丸いドーム型の建物が見えた。
「あれは……?」
「冒険者のための休憩公園です」
よく見ると上部は屋根付きの、
ドラゴンの休憩所のようになっている。
「アソコデヤスムワ」
巨大なクッションでくつろぐドラミン、
そして人間用に、中へ入る階段があった。
「この下か」
「はい、上級の狩場から危険な超上級へ行く拠点にもなります」
「おお、まさに室内公園!」「噴水は浄化されていて飲めますが、自動販売機がずらりと」
無料で喉を潤せる他、
魔石で好きなジュースが飲めるのか、
お酒まであるな、そしてパンや菓子の自販機も。
「まさに拠点だな」
「安全に野営できます、室内ですが」
「トイレもばっちりだな」「さすがに足湯はありませんが」
普通の水で上出来だ。
(実際にテントも張られている)
更には無人医務室も、
薬の自動販売機が設置されている、
さすがにベッドは無いか、寝床に使う奴が居るだろうからな。
「ちなみにあちらのドワーフさんは修理を」
「おお、こんな所で商売をしてくれているのか!」
「人間か、ここで剣を研いでやれば、ボッタくれるからな」
とはいえ命は金には換えられない。
「ちなみに最高級の冒険者ツアーは、
ドラゴンでこちらまで運ぶ計画もあります」
「凄いな」「もちろん帰りも、今のダンバムさんの状況ですね」
八人パーティーくらいなら運んで来られるだろう、
そして山脈では更なる強い魔物が居るとなると、これは儲かる。
「ハルクパーク、冒険者にも絶対に人気になるな」
「では危険な山脈地区を、少しだけ覗いて行かれますか」
「良いのか」「危なくなったらすぐに逃げますが」「ホーリードラゴンであっても!」「ですね」
こうしてワイバーンやドラゴンの巣食う、
山脈地帯を見学させて貰ったのであった、
ホーリードラゴンの背に乗せて貰いながら……。
(これ、冒険者だけじゃなく、魔物を見たいだけの貴族にも人気になるな!)
秘境ツアーと言えよう。
そして再び休憩公園に戻り、
遅い昼食を自販機でいただいた、普通に美味い。
「少ないが椅子やテーブルもあるのだな」
「ドワーフさん達が勝手に造ってくれました」
「それでこの後は」「戻っていよいよ、例の元婚約者と」
うむ、詳しい話を聞かずにはいられないな、
あそこもあそこで、一応は公園らしいのだが。




