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ある魔道家の跡取り息子  作者: みどりりゅう
巨人号の事件

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95/105

巨人号の事件66

 つづけて古い英詩を吟じる。


All in a hot and copper sky,

The bloody Sun, at noon,

Right up above the mast did stand,

No bigger than the moon.

(すべてが熱く溶けた銅の空に、

 血のような太陽が、正午に、

 まさしく浮かぶ 帆柱の上に、

 大きくはない 月ほどには) 


Day after day, day after day,

We stuck, nor breath nor motion;

As idle as a painted ship

Upon a painted ocean.

(来る日も、来る日も、

留め置かれる、風なく動きなく。

まるで描かれた船が

浮かぶよう 描かれた大洋に)


Water, water, every where,

And all the boards did shrink;

Water, water, every where,

Nor any drop to drink.

(水、水、どこもかしこも、

すっかり船板は禿びてしまった。

水、水、どこもかしこも、

なのに一滴も飲めやしない)


The very deep did rot : O Christ !

That ever this should be !

Yea, slimy things did crawl with legs

Upon the slimy sea.

(ついには海そのものが腐りだした。おお、救世主よ!

 こんなことがあってよいものか!

 いいぁ、ぬめとしたものがぬたくり

 浮かぶ ぬめくる海に)


About, about, in reel and rout

The death fires danced at night ;

The water, like a witch’s oils,

Burnt green, and blue and white.

(あちら、こちら、うずまきちらばり

 死の炎が跳ね回った夜。

 海面うなもは、まるで魔女の油、

 燃え上がった 緑、そして青や白へと)


And some in dreams assured were

Of the Spirit that plagued us so ;

Nine fathom deep he had followed us

From the land of mist and snow.

(そして繰り返す夢に確信したのは

魍魎もうりょうこそがさいなむ 吾らをかくも。

九尋くひろの深み 彼奴きゃつは追ってきたのだ

霧と雪の大地から)


And every tongue, through utter drought,

Was withered at the root ;

We could not speak, no more than if

We had been choked with soot.

(そしてだれの舌も、極度の渇きで、

 もとから枯れきった。

 吾らは口もきけぬ、まるで

 喉をすすで詰められたように)


Ah ! well a-day ! What evil looks

Had I from old and young !

Instead of the cross, the oldman’s head

About my neck was hung.

(あぁっ!なんて日!なんと邪悪な眼差しを

 吾……あたくしに向けるの みんなして!

 十字架のかわりに、年寄りの頭を

 あたくしのくびにかけたりして)


 崩子嬢は自らの頸にかかる異一郎翁の頭部を見て、狂乱して引きちぎろうとするが、それはできない。ちぎろうとすればするほど老人の頭は増えていくのだ。

挿絵(By みてみん)

「――くずこぉ、そんなつれないこと言うもんや無いわい。わしといっしょにろやないかい」


「どういうこと、おじさま!?ヒッ!そんなまさか!?なぜあたしがこんな目に!?」


「――しらばっくれるかぁ?わるいやつやなぁ、おまえは。ヒヒヒヒヒヒッ……」


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