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お酒とお酒




「ノノア!召喚したいのって妖精さんなの?!?!?!」



皆で地上に戻って来ました。


《妖精の酒》と思われる液体は、ノノアが念入りに祈りをささげて瓶に汲んで持ち帰ってきました。



----もう、その時の祈り具合と言ったら……いつの間にか着替えていましたし(戦闘で汚れていて綺麗な服でないと失礼だとか。)、眼鏡も丁寧に拭き直して(真剣な目を見ていただきたいそうで。)、祈りは少なくとも10分は祈っていたと思います。



--その間に数匹の魔物はまた例の対面の穴からやって来ましたからね。

もちろん……ノノアが祈りを心行くまで捧げられるように、ノノアを囲み……魔物は倒しておきました。ノノアから目が離せるはずもないので魔物達には申し訳ない感もありましたが、眼中になく一撃で魔物は倒しておきました。


『だって!ノノアのする事なすこと全てが気になったのですから!』


いつものノノアを知っているだけに、開いた口も、飛び出た目も、なかなか元に戻りませんでした。







対面の穴については魔物が来なくなってから、少しだけ探索したのです。

行ってみるとすぐ横の空間に抜けていました。

少しくすんでいましたが、白い石作りのその空間にはいくつかの部屋と通路で構成されている様でした。


魔物は、時々待っていると遠くから数匹やってくるくらいでしたので、どこか別の空間から来たのかも知れません。







ノノアの念入りな祈りが終わり、地上へ戻ってくると、浮島の大石に開いた穴はまた自然に消えました。


不思議です。



『--で、なくて!』

「ノノアの欲しかった“お酒”、《妖精の酒》と書かれていましたよね?」


「ノノア~先に教えてよ~ビックリしたじゃんか!」


「……文献の内容も曖昧だったからそこは言わないでいたんだ。ごめん。」


「そっか!……それで、妖精なの?」


「……うん。」


「妖精か。」


「妖精ですか。」


「妖精……。」


「うふふ。」


「ふふぅ~。」


「見たい!」


「会いたいですね!」


「……そうでしょう?!?!」

パァーーー!


破顔しています!!!


ノノアのお顔がかつて無いほど悦びに満ちています!!!





ノノアが言うには召喚に関する文献にも種類があり、しかも古い文献な為、全ての内容を解読する事が困難であったことも理由のひとつなのだそうです。

ですが、ノノアはもし召喚出来るとしたら妖精と呼ばれる者に会ってみたいと思った事が一番の理由だそうです。



召喚には、他に魔獣と呼ばれる者や、神に近いとされる神獣なども文献上は存在を確認出来たそうですが、より高度な魔法らしく解読も困難な上、資料も少なすぎるそうです。

恐らく召喚に必要な物や魔法陣も違うことでしょう。



あとは、召喚をしてみて成功するかどうかですね。どんなお方が出てきてくれるのかはやってみないと解りませんからね。



「召喚は相性……といいますからね。」


「……ええ、成功すれば、だけどね。」


「自分に興味をもってくださる方がいたとしたら、召喚魔法陣を起動した際に会いに来てくれる…………のでしたっけ?」


「……そう言われているね。」


「楽しみですわね。」


「私達にも見えるのかしらぁ~?!」


「どうなんだろうね?」



「はははは!」

「ふふふふ。」



何はともあれ、無事に全ての召喚で必要な物が集まりましたので学園に帰ってから、ノノアの夢を試してみることにしましょう。







「……なあ、アリィ。皆ノノアの話題で丁度良く忘れてるけど、アレいつから出来るようになったんだ?」

コソコソ。


「ふへ?アレって…………ああ!アレですか!」

コソコソ。


「なかなか、まぶしかったぞ!」

コソコソ。


「ふふふ。だってロイったら私にも内緒で光魔法出来るようになってしまいましたでしょう?」

コソコソ。




「ズルい!と思っていたのですよ。内緒なんて……寂しいです。」


「はは、悪い!だって!驚かせたくて!!」


「ふふふ。私も同じ事をしたまでです。」

にっこり。


『~~~しっかし、可愛いなぁ。笑顔反則!』

「~~~~あーもーやられたって思ったさ!……さすがアリィだな。はは。」


「ありがとうございます。ふふ。」


「俺は、追いつかれないようにするさ!」

にっこり。


「あら?私だっていつまでも追いかけますよ?」

にっこり。


見つめ会うふたり。

このふたりは、婚約者で、互いに魔法を磨き上げられるライバルのようで----良い関係ですね。


ですが、アリィが追い越したら……ロイは拗ねちゃいそうですね。







「ふぅ~~~。」

ご飯後に満腹コロコロのダン先生。


『……何にしても、魔法を家で使う便利な物~~~くらいにしか思ってなかったふたりが……ここまでやる気溢れるようになるとはな。くく。若いの見るのは……本当に面白いよな。』


そんな事をいつも通り転がりながら感慨に耽っていたダン先生。





ダン先生がそんな事を考えている間に、いちゃついていた--とみなされたロイとアリィは皆の輪に引きずり込まれて茶化されていました。



「後は帰るだけだな…………約1ヶ月か…………案外早かったな。ふふ。まあ、移動手段とか…………普通じゃないもんな。」

コーロコロ……コロコロ……。





「よーーーし!第2回オリジナル・カクテル選手権!!!!」



皆「「「げ?!?!?!」」」



「酒は前回の余りもある。ちなみに今回は魔法を駆使して作るように!演出も審査の点数に加算するからなー!!!」


「ロイは強制だぞ~~!!!」


「…………。」

『思いっきり嫌だー!!!といいたい。が、自分で言い出してしまった手前………………仕方がない、大人しくする事にしよう。』

諦めたロイ選手。



「はい!くじ引き!!!」


大人しく皆でくじを引きます。

さてさて、誰になったのでしょ--……。



皆「「「!!!」」」



「また、ノノア!!!」


ノノア以外皆「「「はははは!!!」」」


ノノア「…………もう、ネタがない…………。」

ブルブルブルブル。


頭を抱え込んで三角座りになってしまいました。




「もう一人は?」


「俺だよ~!!!」


「カミーユな!」








満天の大空の下。


今夜は--。


氷の花が添えられたシャリシャリとシャーベットのようなカクテルに……。


フルーツが浮かぶ赤色のお酒を手の炎で優しく温められた、ホットワイン……。


……ヨーグルトにラム酒漬けのフルーツをトッピングした、……………………ヨーグルト……。



「ノノア!それはもはやヨーグルトだ~~~!!!」


「…………ノノアってヨーグルト凄く好きなんだね。」




「----うん?!?!?!」


「どうしたの?マリー?」


「コレ、凄く美味しい~!!」


『なんと!ノノアヨーグルトでマリーが乙女モードに!!!』


マリーにつられて女性陣もいただくと……。


「あら、いやだ。本当に美味しいですわ。」


「うぅ~ん。大人のヨーグルトねぇ~。」


「ええ。とっても食べやすいです。」


これは男性陣にも好評でした!






「美味い!美味い!けどな~、ノノア失格!酒じゃない!……………………勝者、ロイ!!!」


皆「「「おお!!!!」」」


「ん?俺のは~?」


「ああ、カミーユ。……………………俺赤ワイン嫌いなんだわ!すまん!!!」




ガーーーーン!!!!


頭を打ち付けられたかのように石化したカミーユ、……は、大丈夫です…………皆でフォローしましょう。とても美味しかったですからね。






それから--ロイからアリィへ渡されたお酒は、氷の花が特に豪華だったことは……皆気づいていましたよ?


当のおふたりは気づかないでしょうが、全てをからかわないというのが、このメンバーの優しさ……と言うものです。






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