石穴の中
今回は繋ぎのお話で少し短めです。
「見てください!ここです!」
大きな石の下部部分。
《望む者ここへ》
「……意味深。」
「意味深ねぇ。」
「でも、この文字かなり深く掘ってあるな……消えないように?」
「まあ、そうなのだろう。」
「ここって何か重要なのか?」
「ってか、探してたのここだったりして~。ははははははは……はは……は……。」
キョロキョロ。皆を見渡すカミーユ。
「……だって、“石”だよ?」
「……確かにそうですね。」
「これが、“石に力をさすれば開かれん”の石ですか???」
「試して見るか。」
「でもぉ、“力”ってなぁにぃ?」
ミーサの言う通り、“力”を石に与えなければならないような言葉でしたものね。“力”とは?……………………これは困りましたね。
『力いっぱい押すのでしょうか?それとも持ち上げられるか?……ですかね?そうでしたら貧弱すぎる私の身体では助力にもなりません。涙。』
「…………もう、ノノアは予測がついているのではないですか?」
「……うん、確証はないけどね。…………やってみる。」
そう言うと、目の前にある大きな石の文字に手を触れます。
--ポワッ!
皆「「「----穴!!!」」」
そう、目の前に人一人くぐって通れるくらいの穴が現れたのです。
「ノノア、何をしたのですか?」
「……魔力を通しただけだよ?」
「そうなの?」
『“力”って魔力の事でしたのね。筋力ではなくて良かったです。ほほほ。』
「魔法道具のような仕組みですわね。」
皆「「「……。」」」
「どうする?」
「……行ってもいい?」
皆「「「もちろん(です)(ですわ)!!!」」」
とても控え目にノノアは言いましたか、こんな不思議な場所。行くなと言う方が無理な話です。ロイも「どうする?」とは言っていましたが、心は「どうする?行くよね?」です。
もちろん他の皆も同意見ですね。
行くと決まれば身支度を整えて、キャビンの中でハンモックに包まれているダン先生を起こさないといけませんね。
「ダン先生~!行きますよ~!」
「んあ?昼寝は?」
皆「「「終わりにしてください。」」
「……。」
----石穴の中。
中に入ると不思議な事にうっすらとですが、目が見えるように明かりが灯っていました。
しかも中は意外に広いのですよ。驚きです。
入口から少しは狭いままでしたが、すぐに縦にも横にも広い通路になりました。
空間ではなく、通路です。
曲がり道の無い、ただただ真っ直ぐな一本道なのです。
奧に奧に続く道……どれほど来たのでしょうか……。
一応不測の事態に備えて警戒しながら進んでいますが、今の所何もなく進んで来ました。
「随分来たな。」
「ええ、どのくらい時間がたったのでしょうか。」
「しかも段々と深い所へ降りてきているようですね。」
「ん?解るの?」
「ええ、感覚ですが。」
「……地下。」
‘’ピッ!
【広範囲探索】
「!!!」
声にならない驚きの声を上げるノノア。
「どうした?」
「何かいましたの?」
「いるの?」
「……ええ。って言っても探索した端なのでかなり先だよ。」
「ここまで不自然なほど何もありませんでしたからね。」
「ああ、あんな入口だったのに他に仕掛けもないしな。」
そうなのです。罠すらありませんでしたからね。ここは元々自然と出来た場所では無いような気さえしてくるほど真っ直ぐに綺麗に伸びている道なので、他に何か仕掛けられているかもしれないと注意していたのですが、今の所ただの通路です。
「何かいる。まあ、でも行くよね?」
皆「「「当然!」」」
「え~俺は帰って寝てたい~。」
「今帰ってもご飯ないですよぉ。」
うふふ。
「む?そうか。----んじゃあ帰ったらまた皆で飲もうぜぇ~。」
「ええ。なんなら第2回オリジナル・カクテル選手権しても良いですよ!」
「お!ロイ言ったな?んじゃあお前選手決定な~!」
「は?くじじゃないのか?」
「言い出した奴は強制参加だ!」
ニヤリ。
『しまった。』と思い直してももう手遅れなようです。
何にせよ、やる気になってくれたダン先生もいれば安心です。
--魔物が蠢いている場所に向かっているのですから。
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オリジナル・カクテル選手権でダンの素朴な疑問。
「あー!美味かった!!!あいつ等なかなかいい酒作るなぁ~。」
「……でも、何故誰も魔法を使わなかったんだ?」
氷はロイが用意していたが、……確かに皆、手でシェイクしたりしていました。
「超普通に作ってたな~……あんなに普段はティータイムでも競ってるのに……。」
「次は強制的に“魔法演出込み”って題目で造らせるか?大きな魔法より小さいああいう魔法の方が案外難しいからな。」
『ま、ロイ、アリィ、ピアは余裕だろうけどもな。』
ロイは言わずもがなだし、アリィとピアは弾丸出来るしな。
さり気なく魔法向上を手助けしているダン先生なのです。




