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盗賊




「おいこら!金目の物を全部だしな!!」


目の前には、……見たまんま、“盗賊”と言った感じの男が6人。


そんな野蛮そうな男達と対峙しているのはノノア。



「……何か御用ですか?」



「随分と礼儀正しく落ち着いているもんだな?」


「……はぁ。」


「こんな山道の途中で周りには誰もいないのによく落ち着いているな?」


『……えー……直訳すると、こんな山の中で、人のいないこの状況。助けは来ないぞ?って言ってるのかな?』





--時刻は通常の午後のティータイム時間を少し過ぎたくらい。



次の目的地へ向かう足をとめて、今日はここでティータイムしてそのまま野営をしようと準備をしています。



何せ山の途中ですからね。薄暗くなってからでは遅いのです。ですので早めに野営地を決めて準備をしていました。


先に準備を終えたノノアは外に設置したベンチへ腰掛けて本を読んでいました。


《帽子の歴史本》


こんな旅の途中ですから、しばらく会えないミーシャを思い出していることでしょう。





--と、腰を落ち着けたところでしたのに……今この感じです。





今の状態から説明しますと、停められたらキャビンと、三角錐のテント、カミーユ作の外設備に、ノノアがひとり。


向き合うは、お世辞にもあまり良い身なりとは言えないニタニタと気味の悪い笑いを浮かべている6人の盗賊。




「おいお前!独りなんて、ついてないな!」

ガハハハハハ!!!!



「おお~!あのキャビン良さそうだな!アレと、……おい!お前!手持ちの金。全部出せ!」

ウハハハ!!



「……いやですよ。」


盗賊「「「はあ?」」」


本に目を落としたままのノノアがさらっと返した一言が信じられない!といった盗賊達。



「……だから、いやですって。何故知らない人にお金をあげなければいけないのですか?」


「はぁ?ふざけるなよ!!」


「何なんだお前は?!」


「もういい!お前等!奪え!」


「ハッハァァァァ!!」


「くらえェェ!!!」


「……いや、ふざけてないですよ?」


顔を上げないままのノノアに一斉に襲いかかります。


「ハァァ!!」


「ヒィッ!ヒッ!ヒッ!」


迫り来る槍や斧…………。



パタン----。



本が閉じられたと同時に--。



先頭のふたりが両サイドへクロスして吹き飛んだ。



「……は?!?!」



そのまま後方の3人に向かってノノアが手を向け--------やめた。






「……なんだ?……よく解らんがお前等!今だ!!ハハハァ!!!」


好機!と見て声を荒げて手下に指示を出す盗賊頭。




----しかし、誰も動かない。




「ん?お前等どうした?イケ!!」




「頭ぁ~……。」


「俺達、間違えたんす。」


頭「あ?!何がだよ?!!」



手下達「「「逃げましょう。」」」



頭『………………?』


盗賊の頭は理解出来やしないでしょう。


もう本人以外は動けないのですから。



「……もう、僕だけで大丈夫だったよ?」


頭『………………?』


「まあまあ、早く済んだ方が良かったろ?」

トコトコ……。


「ノノアの大事なお勉強タイムですものねぇ~うふふ。」

ゾロゾロ……。


「だいたいつけてきてた事も解ってたもんね~。」

ゾロゾロ……。


「私がやっても良かったんだが?」

ゾロゾロ……。




「……てか、もう荷物片付いたの?」


「ああ!バッチリだぞ!」

ゾロゾロ……。


「うぅ~ん。少しやすみましょぉ~!」

ゾロゾロ……。


「あ!お茶淹れますね?」

ゾロゾロ……。



「「「や!それは私(俺)(僕)が!!!」」」


「ふえ?」


「ははっ!アリィ、皆にさせてやれ!」


「…………はい!」

ニッコリ。




あっという間に皆勢揃いしましたので、少し遅くなりましたがティータイムにしましょうか。


ロイとアリィ以外「「「~~~☆◆○■!!!」」」


……どうやら今日はルーイ様とマリーが用意してくださるようですね。



「私達は食事の時間に精一杯準備させていただくことにしましょうか。ふふふ。」

ニッコリ。


「ああ、そうしようか。アリィ。」

ニッコリ。



賑やかに準備が始まりましたので、もう少しでお菓子がいただけそうですね。




そんなゆったり休憩に入る--ところでしたのに……



頭「やー!!!待て待て待て!何なんだ?お前等は?----そこのお前!ひとりじゃ無かったのか?!?!」

プルプルプルプルとノノアを指差します。



あ……忘れかけていましたね、この方々。



「……はい?僕がいつひとりだと言いましたか?」


頭「てか、どーなってるんだよこれ?!」


一瞬で仲間達が吹き飛び、動けなくなったのかが理解できないようですね。

怒りや驚きで忙しく表情がコロコロ変わっています。



「わからんのか?」


ロイがずずいと半笑いしながら詰め寄ります。



「ノノアはなぁ、ただ、よけて、ぶっ飛ばしただけだぞ?」


頭「はあ?」


「……それに、後の3人は凍りついているのですよ。」


頭「ハァァァ????てか、お前等何人いんだよ?どこから出てきやがった~?!?!」


「いや、ココだけど?」


ロイが指差したのは三角錐のひとり用テントです。


頭「……………………。」





そうなのです。

ノノアは向かって来たふたりを本で去なして、向けられた攻撃の反動を利用して弾き飛ばしたのです。


ちなみに他の3人はテントから最初に出てきたロイの仕業です。さらっと凍り付かせました。





--まあ、この盗賊達がノノアがひとりだと勘違いしたのも解らなくはないです。



盗賊からすればですよ?

キャビンは大きめ。数人で移動していたのか?とは予想がつきます。


しかし状況からすると、馬のないキャビン、ひとり用程のテント、そしてひとり腰掛けて本を読んでいるノノア。


これを見るとですよ?他に人がいたかもしれないが、そいつらは、今いないキャビンを引いていた馬に乗りどこかへ出かけている。だからひとり用のテントなのだと。


そう、解釈してしまったのです。





「さて、どうしますか?」


頭「くぅ~~~~~~。」


見るからに焦った様子の頭さん。


頭「……。」


皆「「「……。」」」



「ふぁ~!!!うるせーぞ!お前達!何なんだよもぉ!」

ボリボリボリボリ。


酒瓶片手にのらりと出てきたダン先生。


「ふぁ~~~~欠伸が止まら--……。」

「ハァァァ!!!」



「……。」



この頭さん。--いえ、馬鹿頭さん、この時に気付くべきでしたねぇ~。


欠伸しながら、頭掻きながら、うっすらと横目で盗賊を見たダン先生の目がとても冷たく鋭く目つきをしていたことに……。




「おい、お前。ファァァァ!……。」


馬鹿頭がダン先生に迫ります。

その方は、ただののらりさんじゃないのですよ?


「…………全力で身を守れよ?」

ニヤ~。


‘’ピッ!

【炎】

「久々の全力だーー!!!」


ドゴォォォーーーン!!!







「……。」

パクパクパクパク……。




さすがのダン先生も怒り爆発でしたね。

あの瞬間、ダン先生へ襲いかかった時点で雑魚認定されていましたものね。


「そりぁ、怒りますよね。ははは。」



「ダーーーッハッハッハッハ!久しぶりにやると気分がいいな~~~!!!」


大大大大大満足そうなダン先生。




口パクパクさんの馬鹿頭は、一応ダン先生が直撃を避けてくださったので頭頂部だけ見事に燃え禿げていました。



ダン先生の炎に圧倒されて、気づいたら盗賊6人全て気を失っているという現状。


面倒ですが、次どこかの町まで引っ張っていって衛兵へ引き渡しましょう。




「いや~、それにしてもこのテントいい感じだね。やっぱ持ち運びやすいよ!」


「作って良かったな!」


「ですわね!」


カミーユ、ロイ、ピアがキャンプ場で作っていたのはひとり用テントを魔法道具にしたものでした。



※※※※※


「縮小魔法出来るなら、拡大魔法も可能かしら?」


「……可能じゃないか?」


ピアとカミーユは、野営があるからテントがほしいと思っていました。

そしてその話を聞いていたロイも加わり、ピアのアイディアに、カミーユに対応できるテントを作ってもらって、どうせならって事でロイがかなりの広さになるように拡大魔法をテントの内側にかけたって事なのです。


※※※※※



「ですので、見た目は普通のひとり用程のテントな訳ですよ。」





---------------


ブロンクス公爵家○○の困惑。


「「「……。」」」


「あの時と同じだ。」


「飛ばれてしまった……どうしたら?」


「待ってくださーい!!!」




--空の上。


「ルーイお前、やたら機嫌がいいな。……と言うより、………………ああなる程。……気の毒だな。笑。」


「ふふふふふ。」




--そして地上。


「「「エルメイ様~~~!!!」」」



空飛ぶキャビンを見上げて泣き叫ぶ--ブロンクス公爵家の護衛さん達でした。



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