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キャビン飛ぶ?






「盲点でした!」







【浮遊】の魔法道具を突発的に作ることになりまして、どんな物に【思い】を込めようかと皆それぞれ思案中でしたが、ロイの一言で終止符が打うたれました。




「そうですよ!いつものキャビンに魔法を込めれば良いじゃないですか!」


「ロイさすがぁ~!」


「……これであれば設備も整っているし、安定感もあるね。」


「空飛ぶ車?笑」


「成功したらな!笑」


もうもう、皆さん面白くなってきています。新しく挑戦することは楽しくて好奇心が止まりませんからね。




「やりますか?」


「やりましょう!」


「先程と同じでいきましょう。」


「ああ、俺が【浮遊】の思いを込める。」





今ほどまでの笑いが止まらない緩さは、…………どこへやら----集中。



皆、魔法を発動する時は真剣……目が鋭さを増していきます。

好奇心が目いっぱいに満ち……一点に集束した時----。


‘’ピッ!‘’ピッ!‘’ピッ!‘’ピッ!‘’ピッ!‘’ピッ!‘’ピッ!

【魔力をロイへ】


‘’ピッ!

【浮遊】






今ロイが手をふれているキャビンには少しずつ魔力が行き渡って……。



「これは!」


「いや、なかなか……。」


「はは!きっついな!」


「さすがに高度な魔法だからいつも通りと言うわけには……いかないか。」


「もっと魔力がいりますわね。」


「もっといける?」


「うぅ~ん。きついかもぉ~。」


「私は……もう少しいけますわ!」


皆さん苦しそうです。

結構な魔力量をつぎ込んでいますからね。


そのまま可能な限り皆で魔力をつぎ込みます……が、まだ……なようです。




「……いや、これって……………………--アリィ!!頼めるか?」


「ふえ?もっとって事?」



「そうじゃなくて、もしかしたら俺ひとりの【思い】じゃ足りないのかも知れない。」



「……よく解らないけれど--私も思えば、いいのですか?」


「ああ!頼む!!!」


「わかりました。」




ロイがそう言うのでしたら、すぐにても魔法を切り替えます。


‘’ピッ!

【浮遊】



すると、膠着状態だった魔法が再び動き出しました。

キャビンに…………、魔法が…………、満たされる!!!






【思い】……明確に想像できることが必要で、これを発動できるかはそれにたる魔力量が必要、……な事に加え【思い】の“強さ”と言うものもある、とロイは聞いた事があったそうです。






「わっはは~!!」


「はははー!」


「うふふぅ~!」


「ふふふ!」


「……はは!」


「ふ!」


「はは!」


「おお~!こりゃあ良いなぁ~!!」

モフモフ。





--あ!やっと出発しましたよ。


しかし、すごいのですよ!やりました!やりましたよ!

飛んでいるのです。


やはり、【思い】はイメージが明確であることに加え、“強さ”も必要なようです。


ロイとアリィ、ふたり分の【思い】でやっと完成しました。





「初めて飛んだよ~!」


「これは気持ちが良いねぇ~。」


……ちなみに、一応落ちないように出入口に柵を取り付けました。




「ピア。上手く行きましたね。」


「ええ、アリィ。ふふふ。」


「ロイ、これは凄いな。」


「ああ、俺も飛んでみたかったからな。」



皆でキャビン入り込む風を身体に感じながら。

ふ~わふわ。

ゆ~らゆら。


もう空飛ぶ魔法道具と化したキャビンは、魔力を流すだけで浮かびあがり、後は風魔法ですぃ~~~っと移動出来ています。




「ずっとこれでいいじゃん!」


「ガタガタしないからな!」


「快適だわぁ~。」


「……まあ、人に見られないところならばいいんじゃない。」


「ああ、町の近くなどはダメだろうな。」






皆『『『……しかし……、コレ、キャビンと言えるのか?』』』





まあ、もともとSクラスが最初に魔法道具化した時点でもはやただのキャビンではないのですから、細かいことは気にしなければ良いのです。



段々と北の山々が見えて来ました。もう、着きますね--。





※※※※※




カタカタカタカタ……。





一応地上へ降りてから、キャンプ場へ到着しました。



「お久しぶりですね。」


皆「「「こんにちは。」」」




「無理を言ってすみません。正直申しますと北の国が未だに戦いが続いている中、その地に近い土地に来ていただくのはいかがかな?とも思っていたのですが……。」


「……ですが?」


途中で話が途切れたのでダン先生が聞いてみると--。




「ですが--人気でして。」

ニコニコ。


「ははは!あのバンガロー快適ですものね!」


ダン先生が得意気です!そんなに気に入ってらしたのですね。



「どうします?前と同じ物を建てますか?」


「へ?!?!」


「いえ、こいつ等風呂付きとかも出来ますよ?」


「ふえ?そうなのですか?……では、細かく打ち合わせさせていただいて……それから、よろしくお願い致します。」



驚きの管理担当者でしたが、ひとまず今回泊まらせていただく前回建てたバンガローに移動して、打ち合わせです。




「……なる程。共同設備が苦手な方々にも対応できますね。」


お風呂が備え付けになれば、家族連れや完全プライベートを確保したい方々に喜ばれますからね。




「では、全部で10棟にしたいので、ここと同じ建物をあと6棟、お風呂付きのバンガローを3棟おねがいしたいのですが。」


「わかりました。」


お話はダン先生が聞いてくれて、皆さんと聞いている状態です。





どうやら建設場所は現地でその都度相談しながら細かく決めて行くそうですので……思ったよりも時間はかかりそうです。


のんびりと作ることにしましょう。




---------------


空飛ぶ○○。



「なあ、ロイ。キャビアが成功したとなると……。」


「言うな……、ルーイ。特にアリィとピアには。」


「ええ、そうです--……。」

「ねえ、ロイ!もしかしてさ、他にも魔法道具作れ----。」

もごごごご。


「しーーー!カミーユそれ以上言うな!」


「そうですよ!それを言って皆さんが気付きたらいろいろよろしくないですよ!!!」


『た……確かに。』



世の中のバランスや常識を崩してしまいかねない魔法道具だと、思い直したカミーユでした。


「明日、皆にも注意するように言っておこう!」


「良い発明なんだけどなぁ~!」


「カミーユ~。」

ジト目。


「はいは~い!解ってるよ!」

ニカッ!



魔法道具の発展はもう少し先の話--。




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