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ティータイム当番制の訳





カタカタカタカタ……。



一行はキタトの町を出発した。

ここからは特別急ぐ必要も無いのでのんびりとしたペースで進んでいます。

ひとりがハンドルで舵取りを、ひとりが風を送りキャビンを進ませる。





ギルド支部に報告をした後、もう2日身体を休めて、なおかつお昼ご飯も町で食べてから出てきたのです。




あの後、ギルド支部の方々や、町の皆さんに、見た感じまだ若いのに強いんだなと言っていただいて、魔物討伐で歓迎されたのです。


そして綿飴の時の子供達は私達を探していたようで、ギルドに訪ねて来て、「「綿飴教えて!!」」と目をキラキラさせて言われたのはとても可愛らしくておかしかったです。

ピアの発想と、カミーユの器用さでなんと子供達でも綿飴を作ることの出来る道具が完成した事はさすがと言うべきか----プレゼントしたら大変喜ばれました。


カミーユ、普通に道具作りは得意なのですね。




という、諸々の事情でのんびりと過ごしました。




--今は午後のティータイムの時間です。



しかし、今日準備をしているのはアリィでもロイでもありません。ふたりはキャビンの操作をしています。


「ふふふ。今日は俺がお茶を入れるよ!!!」


「では私がお菓子を御用意致しますわ!!!」


『何でしょう、この感じ?カミーユもピアも何だか凄い意気込んでいますよ?』


『そもそも、このふたりに決まるまでも、何故他の皆も争ってたんだ?』


『さあ?なんででしょうね?』


アリィとロイがこの様に目で会話しているのですが、相変わらず皆さんは真剣に用意をしたり、それを真剣に観察したりしています。



「うぅ~。次のティータイムは私だ!」


「ご飯の時間はいつも通り皆で作るにしても、ティータイムは順番ですね。」


「……公平にそうしよう。」


「賛成ぇ~!」


……何だかいつの間にかティータイムの準備が当番制になるようです。




『いったい皆さんどうされたのでしょうか?』


『まあ、何でもいいさ!本人達は楽しそうだからな。はは。』





‘’ピッ!

ケトルに手をかざす。

【中の水をお湯へ。】


蒸らしたらティーポットへ注いでいきます。




‘’ピッ!

ポン!ポン!とカミーユ特製持ち運び竃の鉄板に生地を落としていく。


‘’ピッ!

【炎】


鉄板に熱が加わり焼きあがっていきます。




「さあ、皆おまたせ!……紅茶だよ!へへ。」


「お待たせ致しました。……スコーンですわ。ふぅ。」



食材は沢山仕入れて有りますからね割と好きな物を作ることが出来ます。時々氷を継ぎ足していますので悪くもならないでしょう。



「う~ん!美味しい!」


「ああ、美味いな!」


スコーンもサクッとしていますし、紅茶もすっきりとした味わいですね。



『……しかし、ロイ程早く出来なかった……。』

『……アリィ程手際が良くできませんわ!……。』



『『悔しい!!』』



『『『『美味しい!----けれど、あのふたりってもっと早く無駄なくササっと用意していまうんだよな。(のよねぇ~。)。』』』』



アリィとロイ以外『『『う~~ん!!!頑張らねば!』』』





アリィとロイは皆の心中が解りませんでしたが、皆は悔しかったのです。前々から薄々気付いてはいましたが、あのデカガニとの戦いではっきりしたのです。


あの瞬間、反応出来なかった……反応しても自分の魔法が間に合わないと解ってしまった……その事を引きずっていたのです。


その為に今から出来る事、ふたりに追いつけるようになる為に思い当たったものは皆同じでした。


“同時起動”、“起動速度”、そして何より足りないのが“想像力”。その場その場で必要な魔法を瞬時に組み立てて発動できる事。……それが必要だと思ったのです。




だからこそ、ティータイム!!!なのです。

今更ながらアリィとロイはサラッと高度な事を毎日していることに気づいたのです。 


アリィとロイ以外『『『あれは!良い練習になる!!!』』』


それで、ティータイム当番制が始まったのでした。




「美味いぞ~~~~~!!!」


「ダン先生!ありがとう!嬉涙。」


「ありがとうございます。ダン先生。嬉涙。」



カミーユとピアの自宅練習の成果が出た、ティータイムでした。







モグモグモグモグといつも通り沢山いただきながら移動する車内。



「……そう言えばあの人が北の国について言ってたよね?」


「ああ!ギルド職員のケルンさん?」


「そうそう!なんでも最近北の国の娯楽施設開発が上手く行ってないとか?」


「何かやらかしたらしいとかぁ~?」


「……魔物討伐が大変だそうで。」



「北の国ってどうなんだ?ルーイ?」


「特に特別力のないような国ではなかったはずですが。……まあ、国民性としては賑やかで、穏やかとは正反対な感じがしますがね。」



「山を挟んでるからなかなか向こうにも行く機会がないもんね。」


「国交もそんなになの?」


「難しいからね~。」



さすがルモンド商会の御子息だけあります。物流の情報はカミーユに聞けばすぐにわかりますね。





モグモグモグモグ……。


「アリィ、ロイ代わろう!」


「「ありがとう。」」



のんびりと、もう1日程かけて、バンガロー建設の依頼へ向かいます。





---------------


ルルシア校長は思う。



Sクラスに頼まれた水やりを、今日もしてくださっている校長先生。


ダン先生とは対称的な校長先生はきっちり3日事に行かねばならぬ!と忘れぬようにハラハラしていた。


まあ、校長室にこれだけ瓶が沢山在れば忘れることは無いでしょうけども……。



そして、最初の水やりの日--。



初めてそこに足を踏み入れた校長は思う。




「……ここにある食べ物、時期ちがくないか?驚。」



驚愕、そして羨ましくもある校長でした。






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