御母様方暴走中
「「「「結婚式?!?!」」」」
盛り上がっていく御母様方はもう暴走が止まりません。
しかし、家同士が結婚話を出してくるとは……政略結婚でもないですのに……。
「や!……まだ!……そんな!……///。」
「いやいやいや。何言ってるのですか?御母様!!?」
「そうだぞ!」
「お付き合いしていたのか。」
ボソボソ。
「気が早いだろ!」
「アリミアちゃんなら大歓迎~。」
ボソボソ。
「「ん???」」
顔を見合わせる御父様達。
もう、御母様方はどこで式を挙げましょう?ドレスはどこに頼みましょう?とウキウキしてお話を進めようとしております。
「エステも今から挙式仕様にしましょうね!」
キャッ!キャッ!キャ!
「ちょ!ちょっと、待ってください!」
「あら?ロイ君何故待つの?両家共に賛成なのですから結婚式をしましょう!」
「エリーに賛成だわ。」
「「ねえ、あなた?」」
「「……そうですね。」」
それぞれの御母様方には御父様達は敵わないようです。
お外では当主を立てる御母様方ですが、やはり家の中のことになると御母様方の方がお強い様ですね。
「いや!ちょっと待ってください!そもそも、まだお付き合いさせていただいている段階で、まだアリィだってそう言う事は--……アリィだって俺と結婚したいかどうかなんて考えてもないだろ……。」
「///……--え?!いえ、私はロイとずっと一緒にいたいので結婚したいと思っていましたよ???もちろん、ロイがそれを望んでくださるのであればですが。」
「!!!……。」
ロイが驚きで石化してしまいました。
『おおー!さすがアリミア。』
『アリィちゃんの天然爆弾発言はさすがだな。』
『ふふふ。面白いわね。』
『うふふ。面白いですね。』
「……って、言ってくれてるわよ?ロイ?」
ニタニタニタニタ……。
この両親ズなかなかに良い性格をしていますね。
「あぁ!!!もぉ!!!!」
頭をガジガジッとして、何かを諦めた顔をするロイ。
一呼吸して、ロイは真っ直ぐにアリィを見つめます。
「----アリィ。俺と結婚してくれるか?」
「はい、喜んで。」
ふふふ。
皆「「「おおー!!!!」」」
「え?本当に?」
「はい!」
予想外の展開でちょっとヤケクソ気味でしたが、もうこうなったら流れのまま言ってしまえ!!とプロポーズをしてしまったロイです。
ですが、あっさりとオッケーをもらえて……喜んでいますね。
「でしたら、結婚式ですね。」
「ふぇ?」
「へ?」
またもやオルビン侯爵夫人が何やらどんどんと先に進めてしまおうとしています。
「でもリリー、実際のところ準備にも時間がかかるわ。」
「そうだぞリリー。しかもしばらくは旅に出てしまうのだ、焦らなくてもよいのではないか?」
「そうですね。ふたりの大切な式ですから、素敵な式に出来るように準備しませんか?」
「……まぁ。残念ですけどもその通りですわね。」
少し……いえだいぶ残念そうですが、急に式までさせられると言う事態は逃れたようです。
「だが、ふたりとも貴族の家の者だからな。すぐにでも婚約したことについては、国や貴族の皆様に御報告するべきであろう。」
「そうですね。来週からしばらく戻らないのであれば、明日にでも王宮へ正式な手続きをしましょう。それから、貴族の皆様へ封書を送らねばなりませんね。」
『報告?!当たり前と言えば当たり前だけど!……。』
「あの……。」
「リト!」
「はい!旦那様。」
『ああ。もう、止まらないな……。』
「今の話の通りだ。封書の手配を頼む。もちろん、オルビン侯爵家様の使用人とも連絡を取り合ってくれ。」
「私からも後程伝えておくから、宜しく頼むよ。」
「畏まりました。」
にっこり。
「しかし、百合とダリアが並ぶ日がくるとはな~。ははは。」
シアード伯爵家の家紋は百合、オルビン侯爵家の家紋はダリアなのです。
ロイは、この両親ズは勝手に物事を勧めてしまうから危険だと、今更ながら思っていました。
そして、きっと自分の思い描く速度の何倍も先に結婚式への準備も進んで行く未来が容易に予想できました。
「……だが、皆に祝われて、望まれている。」
顔の筋肉が自然と緩んでいることに自分でも気付いた。
「アリィ、幸せだな。」
にっこり。
「ええ、そうですね。」
にっこり。
--------------ー
お嬢様が婚約。
あの幼かったアリミア御嬢様が婚約される。なんて素晴らしい!なんて喜ばしい!
しかもお相手はロイヤード様という、もはや運命ともいえる幼なじみ様!!!
遂にお嫁に出られるのですね!
…………ホロリ。
「出られる?」
「出て行く?」
「出て行くー?!?!?!」
「……御使えさせていただいて早15年。……リトはとても寂しく思います。涙。」
御貴族様方への封書の手配をひとりしながら感慨にふけっているようです。
いつもこの様に感情を顔に出すことのないリトには珍しい事です。
「うあぁぁぁぁ。涙。」
「リトさーん!」
「はい!何でしょうロンヌ。」
キリリ。
さすがは完璧な執事リト。人前では決して表情を崩しませんでした。
『アリミア御嬢様~!!涙。』




