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ちょっとやる事が出来たので残念ですが……




「やはり騎士学園との鍛錬を組んで本当に良かった。」


「ああ。私も先日見させて貰ったがあれほど上達していれば、相当な手練れでない限りは守れるはずだ。」



「…………カミアン校長、感謝いたします。」

深々と頭を下げるダン先生。


「やめてくれ!ダン!……今回の事は両生徒にとって、そして両学園にとって利があるものだった。……今後はこういった交流がもっとあっても良いのかも知れないと思っているわ。」

ふふふ。



「ああ。魔法だけ、武術だけではなく両方を知る機会が有ることでそれぞれの良い部分や弱い部分に気づけるからな。そもそも、魔法師団や騎士団に入ったとしたらそこから互いを知るのではすぐに戦力にはならんからな~。」


「そうね。私としても……魔法剣はやってみたいわ!うふふ。」


カミアン校長は悪戯な笑みを浮かべています。

やはり騎士は、どんな剣も気になるようですね。


「ダン、確認なのだけど魔法剣ならば魔法攻撃になるわよね?うふふ。」


「……そうだぞ。」

ニヤリ。


「まあ、何にしても助かった。約2ヶ月ちょっとだったな。ありがとう!あいつ等には時々武器での鍛錬もさせる。」


「うふふ。あの子達ならよく解っているでしょうから、きっとあなたが言わなくても鍛錬を続けてくれるわ。」


「まあ、その通りだな。ははは。」


カミアン校長とダン先生はしばしふたりで雑談を楽しみました。なかなかお互いに顔を合わせる機会が無いですからね。



「じゃ!後日うちの校長からも挨拶させるな~!」


と校長室を後にしました。





※※※※※


実は、前日にガイさんがカミアン校長へ報告をしていました。

今のSクラスの力ならば、急な襲撃を受けたとしても自分の身ならば守れるだろう、と。

攻撃が来る予測等も上手くなり、魔法の接近戦も向上するはずだ、と。


「しかし、彼等の主はやはり魔法です。魔法の防御を上手く使えるかが大事になるでしょう。」


「そうだな。……まあ、アイツがついているから大丈夫さ。」


「それは--ダン先生の事ですか?」


ずっと転がっていたダン先生を思い出しで思わず微妙な顔をしてしまったガイに、カミアン校長は微笑みます。


「は!!!……すみません。」


「はは。ベルヌがそんな顔になるのも解る。普段がああだからな。だが----アイツは前魔法師団長だぞ?」

ふふふ。


「へ?!?!」


目がこれ以上開かないくらい驚いたようですね。



※※※※※




「おーい!お前達!そろそろ帰るぞー!!!」


Sクラス皆「「「はーい。」」」




「それじゃあな!」


「落ち着いたらまた遊びにいらっしゃ~い。」


「待たな!」


二年生Aクラスの皆さんが騎士学園の門まで来てくれました。



「大変お世話になりました。」


「ありがとうございました!」


それぞれお世話になった皆さんひとりひとりと後ろ髪を引かれる思いで挨拶を交わします。





2ヶ月ちょっと……もう少し学びたかったですね……。しかし、これからしばらくは忙しくなりそうですからね。残念ですが今日でお終いです。

またお会いしたいところです。




※※※※※



次の日……。


「そう、来週からしばらく学園には来ないのね……。」


「寂しいわ。」


「そうですね。」



ミーシャ、ソアラちゃん、ギールくんにも申し訳ないのですがSクラスに混じっての鍛錬が出来なくなることを告げます。



「仕方ないですよね。」


「僕らだけでも……続けます。」


「そうね!この鍛錬は予想以上に身になっているもの!3人で続きましょう。……皆、今までありがとう!」




3人には急で申し訳なかったですが……帰ってきたらまた皆でゆっくりとティータイムをしたいです。




※※※※※



何故、こんなに色々と状況が変わっているのか?



それは先日、ギルドネーロのアルさんが突然やってきた事から始まります。




---数日前---


「やあ!久しぶりだな。」


「アルさん!合同演習の時、素材の引き取りを纏めてお願いしてすみませんでした。」


「いいや、あんなに沢山ありがとうよ!」


通常授業で最近日課になっていた武器の鍛錬をしていたSクラスの所へ、ダン先生と共にアルさんがやって来ました。


アルさんは武器を構えて鍛錬している事に驚き、練習場の入り口で立ち尽くしていましたが、ダン先生から軽く説明されたようです。



「それでアル、今日はどうしたんだ?!」


「あ、ああ。ギルドとして依頼に来た。」


「依頼……ですか?」


「ああ。本来ならBランクの依頼だったのだが、……先に頼んだBランクの者が何人行っても帰って来なくてな……。」


「帰ってこない?難航している依頼なのか?」



お話を聞くと、依頼の内容は……。

※※※※※

依頼内容--南下してきた魔物の討伐--

依頼元--王都の北東に位置する、泉の町キタト--


状況--約1ヶ月程前から町の北にある大切な泉に大型の魔物が住み着いてしまい、生活に支障が出ている。

※※※※※


という事でした。


「ですが、私達はCランクです。Bランクの依頼何て、受けれないのではないですか?」



実は、合同演習の時の貴重素材(特にハリネズミ)やその数討伐数の多さでランクがあがっていたのです。



「いや、それについては大丈夫だ。ギルド長の俺が直にお願いしたのであれば、特別依頼と言う形でひとつ上のランク位ならば受ける事ができる。」


「まあ……そうだな。」


ダン先生の目がやや鋭くなったような気が……気のせいでしょうかね。



「しかし、Bランク冒険者が何人も帰って来ないというのは……。」


「ああ。どうしているかわからない。生死もわからん。動けなくなっているだけかもしれない。」


『生死不明……。』


「勿論ギルドからも調査に人を送ってみたのだが、その者とも連絡がつかなくなった。」


そんな事が起こっていたとは知りませんでした。ギルド職員さんの安否を心配してか、アルさんの顔が曇ります。



「しかし、何故私達に?他適任者がおられるのではないですか?」


「しかしな、何体もの素材を引き取らせて貰っているから解るのだが、君達の倒し方は特殊だ。魔法なのに素材がとても綺麗なままだった。幾らBランク以上の者でも君達以上だと思えない。……そして、だからと言って武術で強い者が適任だとも思えないのだ。」


ピク!と今の話にダン先輩が反応します。


「……それは、その大型の魔物が魔法攻撃をしてくるから……か?」


「さすがだな、ダン。その通りだ。苦笑。」



どうやら強力な魔物には、魔法攻撃が出来るようになるものもいるそうです。


しかも町の周囲の魔物は何故か数が減っているらしく、様子が変だとキタトの町から連絡が来たそうです。


だけどもまだ国の軍が動く程でもなく、困っていたというお話でした。



「どうか、依頼を受けてもらえないだろうか?」


頭を下げるアルさん。




「俺は受けても良いと思っているが……。」


ロイは皆を見渡します。


「良いですよ。」


「私も良いですよ。」


「いいわよぉ~。」


「……頑張る。」


「やろう!」


「俺も行く!」


皆さん二つ返事で了承します。




「ピア、どうしますか?無理をしなくても大丈夫ですよ。」


「……いいえ、私も行きますわ。」



これで、全員の意志は固まりましたね。皆、実はピアは反対するのかもと思っていたのですが……杞憂だったようです。ピアの心は見た目の小ささよりずっとずっと強いのですね。




「…………はぁ、……報酬は?」


「自分で言うのも何だがなかなか良い額だぞ?」


「……仕方ない。校長には俺から話しておく。」


深い溜め息をつきながらもダン先生は了承しました。それにホッとしたのかアルさんは少しだけ安堵したようです。


「皆、ありがとう。」


アルさんは詳しい資料や今までの調査結果をすぐに用意しなくては!とギルドに戻って行きました。いつでも発てるように準備を整えていてくださるそうです。






※※※※※


「……………………と言うことで、ギルドの依頼を受けることになりましたので、しばらく学園には来ません。」



「…………は?」


「ダメですか?」


「いや、ダメじゃないが急だな。」


「そうですね、仕方ないです。しかもアルバーノからの依頼だったので俺も行きます。」



「……まあ、了解した。よろしく頼む。」


急な事でしたが、何とか校長先生にも了承していただけたようです。





「…………キタトの町と言ったか?」


「ええ、そうですが。」



「……もう一つ頼まれてくれないか?」



「はい??」


何を言い出すんだ?この校長は?!という顔になりかけながら続きを聞くダン先生。


「いや、前々から頼まれていたんだがな…………。」



校長先生の話では、どうやらキャンプ旅行に行った時のバンガローが人気らしく、もっと建てて欲しいと依頼が来ていたそうです。






※※※※※


と、言うお話をダン先生はSクラスに持ち帰ってきました。


今回は、必要なキャビンや旅費を少し援助出来るように整える上に、ギルドの依頼と、校長先生の依頼が終わった後、そのままバンガローで数日自由に過ごしてきても良いと言われたそうです。


それは、遠方で休みなく動くことになるから、代わりの休暇と思って欲しいとの事らしいのです。




「……で、どうする?」


「どうすると言われましても……。」


お互いをキョロキョロ見回して目を見合わせます。




もう、どうせ旅の準備をするのですから纏めて行ってしまおう!と言うことになりました。


校長からの依頼はバンガローを建てるという、危険の無いものですからね。






「……あの~。それであれば、そのままレイルム遺跡方面にも行かない?」


「「「……。」」」


そう言えばレイルム遺跡の近くにノノアの探し物があるかもしれないのでしたね。


「ちょうどいいね。」


「行こう行こう!」


「日数多くなるからしっかり旅の物用意しないとね。」





「……お前達……俺が言うのもなんだが、……軽いなー!」


「いえいえ、行動力があると言ってください!」


「そうですわ!」


「そうだぞ!」






そうして、Sクラスはしばらく旅立つ事にしたのです。


王都より、北東--北--それから西へ行って戻る事を校長先生には伝えました。



---------------


準備。



旅に向けて珍しく準備に忙しいSクラス一同です。


「皆ぁ~ごめんねぇ~。」


「いやコレはもう皆の仕事だからな!」


「何日居ないかまだ解らないから、多めに作らないとな!」


「ねえ!瓶ってこんな大きさでいい?」


「大きさは十分だが、数が……足りるか?」


「……もっと要るんじゃない?」


「じゃあ!もっと用意しましょう!!!」




そのできあがった物を頼みの人物に託したSクラス。


そして、頼まれた人物は、目の前の状態に呆然と立ち尽くしていた…………………。










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