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何故ここに






「いよ!ロイ!」


「おはようございます!ガイさん!」



今日は週の始まりですので騎士学園です。



「今日さ、騎士学園の視察があるんだよ!俺らの視察は午後だから今日見てやれるのは午前だけになるんだ。言い忘れていた、すまない。」


「いいさ!今日もよろしく頼みます!」





すると、今日もレミアさんがとっても綺麗な微笑みで現れました。……手にいろいろな物を抱えて……。


「ええ~。本日のラインナップは~……。」

『ついには自分でラインナップって言い出している……。』

「……トマトジュース、椎茸エキス、レモン、豆、人参、ヨーグルト……。」


「レミアさん?それ本当にドリンクになりますか?」


「え?何でも粉砕できれば飲み物でしょ~?」


「……レミアさんその考え方はヤバイやつだと思います。」


「そうかな~?!」


「…………。」

『美人さんが笑顔で強烈ドリンク……ヒィ~!』



まあ、ドリンクは飲まなければ良いのです!今日こそ風船死守です!



シュ!


パン!


ヒュッ!



風船人間も段々と長時間維持出来るようになってきたのは、攻撃される時の空気の変化、相手が攻撃に移る時の圧の変化など、ちょっとした変化が判るようになったからです。




「やはり上達しましたよね~。」


「やりがいがあるようになってきたな!…………だが!」


「……く!」


バシ!


パァーン!



「む!」


ガシ!


パァーン!






「アリミア、ドリンクタ~イム!!!」


「あー……またこの時間です~。くぅ~!!!」


「一気!一気!!」


「ごくごく……!ぷはっ!」


「大丈夫か?アリミア。」


「一気に飲んだ方が味の攻撃を受けづらい……です。」


身体に一気に入り込む。

そんな、栄養価だけは高い飲み物が体内へ落ち着いた時、見覚えのある集団が鍛錬場を横切って行きました。



どうやらこちらには気づかなかったようですね。



アリィはまた風船人間に戻ります。






※※※※※



「----ん?」


「どうした?」


「いえ、あの--騎士団長………。私の見間違えかも知れないのですが……。」


「だからどうしたんだ?」


「今通り過ぎた訓練場に魔法師団副長様の御嬢様が居ませんでしたか?」


「……え?アリィが?」


ここは騎士学園です。自分の娘が居るとは思えないのですが、こっそり覗きに戻る事に……。






「……え?本当にアリミアがいるのだが。」


「待ってくれ、ロイヤードもいる。」


「エルメイまでも……。」


「Sクラス皆か?いや、しかし彼等は何をしているんだ?」


「……“騎士学園流!身体にいいぞ!とりあえず何でもぶっこんで作ろうドリンク!”までありますよ!」


お父様ズ『『『何だそのやばそうなドリンクは!』』』


「ちょっと待て!って事は本格的な武術訓練してるのな?!」


お父様ズ「「「……私達も知らなかった!」」」



「あの子達まだまだ強くなるつもりなのか?」


「魔法だけで十分なんじゃあ…………。」



ぞぞ----。

寒気がする騎士団長と騎士団副長でした。



『そう言えば最近アリィはリトと護身術をやっているみたいだったな。』

『ロイヤードが剣術を真面目にやるようになったな。』

『エルメイが剣の稽古を増やしていたな。』

『『『家に帰ったら聞いてみるか…………。』』』




※※※※※



「明日からはちょっと変えようと思う。武器!持ってきてくれ。」

ニカッ!


ガイさんが本日の終わりと共に急に告げました。ですが----。


「武器ですか?」


「無いですね。」


「無いわぁ~。」


午後は丁度時間が空きましたし、調達しにいきましょうか。


ルーイ様、ロイ、あと一応マリーも剣があるそうです。ピアも短剣は有るようですし、無いのは後の5人なのですが……何故か全員で行く事になりました。


まあ、武器なんて選んだことないですからね。すでにお持ちの方について来て頂けるのはとても有り難いです。



『武器……武器……?!』

「どこで買えますか?」


「やっぱり。アリィ、取りあえず行こうとしただろ?」


「バレました?行って歩いていればお店が見つかるかな~と思っていました。」


「アリィ、質の良い物を置いてある店に行かないと良い武器は手には入らないのですよ。」


「そうなのですか?」


「ええ、半端な物は質が悪く刃こぼれしたりして長く保たないのですわ。」


そうなのですね。すぐに使えなくなってしまうような武器ですと、きっといざって時に困りますね。

ルーイ様の勧めでブロンクス家御用達のお店へ行く事になりました。



「ここです。リーシエ武器店です。」



※※※※※


「いらっしゃい。」


店の扉の先には筋肉ムキムキ……ではなくて、ひょろっひょろのお爺さんが店奥で腰掛けていました。



「なんじゃい?子供ばかりでないか?」


「一応成人だよ~!」


老人は目を細めて見る。


「お?……ほうほうほう。魔法学園の制服かに?」


『かに?チョキチョキ。』


「ここは武器屋じゃい。魔法使いにゃいらんじゃろ?老人をからかうでない。」

ぷいーー。


「からかってないですよ?リーシエ殿。」


一番最後に入ってきたルーイ様の言葉でもう一度こちらを見てくれました。


「うむ?ブロンクス家の坊ちゃんかに?」


「ええ、しばらくぶりですね。」


「これは失礼致しました。エルメイ様おひさしゅうございますね。本日はどうされましたか?」


「私と、ここにいる私の友人達の武器を選んでいただきたいのです。」


「皆様全員ですか?」


リーシエ店主はとても驚いていました。何せ目の前にいる子達は成人したばかりの学生で、しかも魔法学園の生徒だというのに……何故必要なのか?と思ったのです。

ましてや一般人も貴族もいて、“武器”を所望しているのだから。


エルメイ様はともかく、他の子達が武器を携帯するような事態になるとは到底思えなかったのです。




「いろいろあるのだ。よろしく頼む。」


ルーイ様の微笑みで、長く人生を生きているリーシエ店主は考えを巡らせるのを止めた。なかなか人には言えない事や、聞いてはいけない事と言うものが有ることをすぐに悟ったからです。



「では、どの様な物に致しましょうか?」



「ありがとう。物は出来るだけ強固なもので、魔法・物理攻撃共に耐える物がいいですね。それぞれこ希望ですが-ー……。」



「剣の人!」


「「「「「はい!」」」」」

カミーユ、ノノア、マリー、ロイ、ルーイ様。


「短剣の人!」


「「「はい!」」」

ミーサ、アリィ、ピア。



「あれ?もう武器をお持ちの方々も買うのですか?」


せっかくなので皆さん新調するそうです。




「ただし、本当に個人個人それらの武器で良いのかがわからないのだ。だからここにきた。急ですまないが見繕ってくれぬか?」


「ええ。承りました。」


『ここまで真剣に扱う物を所望となると……この子達が心配になるの~。』




「お主達、順にワシに数回打ってみてくれ!」


そう言ってただの棒切れをひとつ一番前にいたカミーユへ渡す。





カミーユとリーシエ店主が向き合います。


『…………どーするんだ?取りあえずブンブンすればいいか?』


「いきますね。」


ブン!


ガコーン!!!


「うぬぅ!痛い!痛いのじゃ~!」


構えていた方の手首を押さえている。


『……えーーーーー。困。』


「馬鹿者!構えて軽く動かすだけで良いかに!!」


「先に言ってくれよー!」



※※※※※


そうして順にリーシエ店主と向き合いました。


「もう少しながくても良さそうじゃの?」


「2本どうじゃ?」


「速さ重視かに?」


※※※※※



リーシエ店主に見ていただいた所、選んでいただいたのはそれぞれ----。



ルーイ様とマリーは剣。

ロイは細い長剣。

アリィとピアは短剣。

カミーユは太めの豪剣。

ノノアは曲双剣。

ミーサは曲中剣。


……でした。なかなか意外なものもありましたが、選んでいただいた物をそのまま買うことにしました。



「う~ん。老人を働かせすぎじゃい。」


ふぃ~、と力が抜けて腰掛ける店主。




「ありがとうリーシエ店主。さすがだな。」


「ありがとうございます。……皆様とても快く人と接する方々ですが……気をつけなされ。」


疲れて目がしょぼしょぼしていたはずのリーシエ店主の眼光が鋭く光り皆さんを目でなぞりました。


『さすが……先々代の軍総司令殿ですね。』


ダン先生が言い始めた接近戦の意図をルーイ様の様に正しく理解できている者は何人いるのか?


「うわ~!格好いいわぁ~!曲がった剣ねぇ~。」


「ノノアなんて剣ふたつ!!」


ははははは。

……一体何人気づいているのか?いないのか?


ひとまずそれぞれのお気に入りが手には入ったようで、良かったです!



---------------


オルビン侯爵家。



「なあ、ロイヤード?」


「はい、何でしょうか。お父様。」


「お前騎士学園にも行っていたのか?」


「はい。時々ですが。」


「その剣は?」


「今日買いました。」


「見ても良いか?」


「ええ。どうぞ。」


シャキン。澄んだ刃の擦れる音がする。


「おー!長剣か?」


「ええ。」


『かっこいいー!俺もたまには剣の練習しようかな~!!』



……それから時々、邸内での剣の鍛錬にオルビン侯爵も現れるようになった。


『息子が使えるなら俺も長剣~!!』


「何故御父様まで……。」



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