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騎士学園




--騎士学園初日ー-



「俺も着いていくからなー!」



どうやらダン先生も来てくれるそうです。


「ただ、騎士学園のやり方でお願いしてあるから俺は何も口出さんからな~。」


騎士学園生は筋肉質な方が多いようですね。制服もピタパツな印象を受けます。動きやすい仕様なのでしょうか?


「制服自体も違いますね。」


「シュッとしいるな!」


「……シンプル。」


「私達の制服は邪魔な場合は一枚脱ぐ様な感じですが。」


「こちらは寒ければ羽織るという感じですわね。」


「かっこいいわねぇ~。」


いつもと違う環境にSクラスはキョロキョロと、忙しく目を走らせます。

知らない場所というのは興味が湧きますからね。




「ん?あれ魔法学園生じゃないか?」


「本当だ!何故?」


「何しに来たんだ?」



そして騎士学園生にもジロジロと見られています。そりゃあ、他校生がいれば目立ちますよね。




男の人の方が多い様ですが、女の人も少なくないですね。剣に弓、槍をお持ちの方もいます。






「まずは、校長室へ行こう!」




そうですね。御世話になるのですから挨拶しなければですね。





コンコン--。


「どうぞ!」

ん?女の人ー?!


「入るぞ!」


皆「「「え?!」」」


ダン先生は何とも気軽にドアを開けて入っていってしまいました。



「--って、軽い感じで入ってくるのは流石ね。」


そこには呆れた顔でこちらを見るショートカットの美人さんが腰掛けておりました。



「よっ!騎士学園校長!」

ニカッ!


「よ!じゃないですよ、ダン!……まあ、校長って言ってもまだこの春からですからね。」

ははは。



どうやら、騎士学園校長先生はダン先生とお知り合いのようです。

この状況を不思議そうに見ているとショートカット美人の校長先生がご説明してくださいました。


「こんにちは、魔法学園Sクラスの皆さん。私の名前は、ナサリ・カミアン。ダンとは幼なじみです!」


皆「「「幼なじみ!」」」


「まあ、腐れ縁だな。」


「まあ、そんな所ですね。ダン、ルルシア様などから話は聞いていますよ。前例は有りませんが、この子達の為に協力させていただきます。」


「ああ、ありがとさん。」




「あのぉ~ルルシア様ってぇ~??」


「ん?知らないのですか?ふふふ。ハイク・ルルシア、魔法学園の校長の名前ですよ?」


皆「「「知りませんでした。」」」


そういえば名前を聞く機会はありませんでしたね。……一応覚えておきましょうか。



それからカミアン校長は、今回の騎士学園での鍛錬についてお話ししてくださいました。


どうやら私達には、2年生のAクラスの方々が指導してくださるそうです。

理由は簡単で、1年生はまだ自分の鍛錬で精一杯。そして、2年生の他も同様だそうです。

ただ、2年生Aクラスは昨年の国の視察団から眼をかけられて卒業後の進路も確定しているので時間に余裕があるからだそうです。




騎士学園鍛錬場へ案内されるとそこには10人の騎士学園生がいました。


自己紹介もそこそこに、早速始めることにしました。



Sクラスは--接近戦どころか、全く武術というものをしたことがない者がほとんどで、初心者も多いのです。


まずは防具をつけて…………頭の上、両肩、背中に……身体全体に…………風船をつけられた。



「えーっと…………ガイさん?」


「コレは何ですの?」


騎士学園2年首席--つまり、Sクラス指導者の責任者は、ガイ・ディ・ベルヌさんという方です。



ガイはカミアン校長に直々に言われた事が有りました。


『魔法学園Sクラスを対人戦闘で身が守れるように、最短の道で指導して欲しい。……か。』


一体どういう事情かは解らないが、言われた通りにかなり実戦的に行うことにしたのです。




「何って--。風船だぞ?」


「……いや、それは解りますが。」


「まあ、やれば解るさ。」


「ちょっと恥ずかしい。」


「まあ、そりゃあ恥ずかしいかもな。」

ニヤニヤ。


「しっかり指導してやる!その代わりちょっと面白い格好を笑ってしまうのは許せ!」

ニヤニヤ。


「ああ。不可抗力だからな。」

ニヤニヤ。


「そうですよ!」

ニヤニヤ。


「私達も、自分達でこの訓練する事もありますし~。」

ニコリ。


ガイさんと共に騎士学園Aクラスの人が戦闘体制になった。





「お前達、風船全部割られたら罰ゲームな!」


「…………罰ゲーム?」



騎士学園の方々が妙なニヤニヤ笑いのまま楽しそうに答えます。


「“騎士学園流!身体にいいぞ!とりあえず何でもぶっこんで作ろうドリンク!”だ!」


「本日のラインナップは~~~、こちら!----薬草、ニンニク、ミルク、豆、卵、何かの種、何かの根……etc.」


皆「「「材料?……ドリンク?」」」


「てか、何かの根とか、種ってなんだよ?!」


ゾゾゾーっと顔が青ざめていくSクラス。







それから、身体全体に付けられた小さな風船を何とか割られないように…………。


避ける。

パァーン!


避ける。

パァーン!


飛ぶ。

パァーン!


しゃがむ。

パァーン!


見事に全員風船が無くなってしまった……。




--騎士学園Aクラスの皆さんが、楽しそ~にドリンクを作り始める。


ミルクベースで白かった飲み物が、--緑に、--紫に、--茶色?


皆『『『あんなもの!飲み物じゃない!!!』』』


皆「「「……。」」」


「はい!ダン先生も。」


「へ?俺も?」


「カミアン校長が、「どうせダン先生は寝転がっているだけでしょうから、Sクラスの子達が飲むタイミングで一緒に飲ませてください。」と、言われておりますので!どうぞ!!」

ニッコリ。


と笑顔で差し出すガイさん。


「ナサリぃー!!!!」





※※※※※


「!!!」


騎士学園校長室で突如として悪寒に襲われたナサリ・カミアンだった。


「……あの自由なダンを見てるとつい……と思ってベルヌに申し付けたが……やりすぎたか?苦笑。」


※※※※※



騎士学園2日目。


初日の昨日は、結局何杯ものカラフルで濁っている喉越しの悪い飲み物を飲む羽目になってしまいました。


……味は、見た目通りの不味さだったのですが、やはり身体には良い物が沢山入っているらしく昨日一日中風船を割られ続け、攻撃を受けまくっていたにもかかわらず身体の調子はとても良いですからね!


例え昨日、騎士学園を出た直後にミサンガの回復力を発動させていたとしても身体の調子の良さについては健康管理の要素が大きいですもの。



ダン先生との約束で騎士学園内では魔法は使いませんでしたので、当然昨日は鍛錬中に回復もしていません。--そうして1日やってみて、身体的疲労の中では更に動きが鈍くなる事も鍛錬で気づくことが出来ました。




「さぁ~て!今日もやるわよぉ~!」


「……頑張ろう!」


一人一人がやる気に満ちていると、ガイさん達もやってきました。


今日もよろしくお願い致します!とご挨拶したところで早速鍛錬に…………って!


「ちょっとお待ちください!」


「どうしたんだ?アリミア。」


あ!私達はお互いを名前で呼ぶことにしたのですよ。





「すみません、ちょっと宜しいでしょうか?昨日ですね、何か帰りにいつもと違うと思ったのですよ!」



「そりゃあ騎士学園だったからだろ!」


「いえ、ガイさんそう言う事ではないのです。」


「ん?どう言うことだい?」







「それはですね…………。」

キラーーーン!!!


アリィの目が爛々と輝きました!!!



「ティータイムですわ!!」





騎皆「「「……はぁ?」」」


これには騎士学園の2年Aクラスの皆さん静止してしまいました。



Sクラスの皆さんは「ああ!」と納得したり、昨日していなかった事を悔やんだりしています。



「私達にとってティータイムはとても大切ですの!気持ちの切り替えや維持の為にもなくてはならないのです!!!私達はいつも午前と午後にティータイムを挟んでいます。全力でやって全力で休むのです!私達が全て用意しますので、どうか!どうか!御了承いただけませんでしょうか?!」



「私達からもよろしくお願いいたします。」


「お願いしますわ。」


アリィから物凄い勢いでティータイムについて語られた事とSクラス皆からの懇願が効いたのか、騎士学園の皆さんはなんと!了承してくださいました。



「俺達もティータイムまではしないが、適度に休息は取っているからな!」


「昨日は初日で半端な時間から始めましたからそのまま休憩も取らず行ってしまいましたね。ティータイムなんて、素敵だわ!」

うふふ。


「レミアさん!今日も素敵ですわ。」


彼女はレミア・ディ・ノット。騎士学園次席のクール系の美人さんです。

お話をした感じですと、中身はおっとり癒し系という……何とも素敵な女性です。



どうやら騎士学園にティータイムはないようですね。……まあ、魔法学園でもティータイムをしているのはSクラスくらいですからね。





ふふふ。決定ですね!



「では、今日もよろしくお願い致します。」


さあ、本日も風船人間頑張りますよ!!





やはりまだ2日目ですので、昨日と同じ有り様です。


『イケる!』

ビュ!

パァーン!

「あうぅ。」


『避け……。』

パァーン!

「……れなかった。イタタ。」



「良く見て、良く考えるんだ!」


シュ!

「く……当たらない!」

パァーン!


「何故避けられないのか、何故当たらないのか?相手はどうやっているのか?考えるんだ!」


皆「「「はい!!!」」」




昨日からそうですが、Sクラスの中でも武術を学んでいた者がいたようで……。



「昨日も思ったが、エルメイは何か武術を?」


シュ!


「ええ、剣術を少し。」


パァーン!


「少し?……ふ!謙遜するな!剣術はもはや騎士団上層部並みだろう?ふふ。」


ヒュ!


「そんな事は……ございません……よ!」


パァーン!


昨日からルーイ様のお相手はガイさんです。お家柄の事もあり、ルーイ様は剣術の稽古をかかさずやってきたそうです。

ですが、剣を使わない……ましてや短剣でもなく、素手となると----。


さすがはガイさん、騎士学園主席だけあって素晴らしい体術です。

騎士学園は様々な武器に加えて上位にいる者になるにつれて、対術、暗殺述なども学んでいるようですからね。



そして、マリーの相手はレミアさんです!

マリーのお母様は元騎士ですからね。幼い頃から魔法と共に学んでいたようです。……が、お裁縫もしてきましたからね~。

恐らく身が入らない時も多かったのでしょう。


「まだまだいきますよ~!」


ヒュ!


「うぅ!こんな事ならもっとちゃんと稽古を受けておくべきだった!」


パァーン!


今更後悔しているようです。



実はもう一人。

護身術……それは、身を守るため攻撃を受け流す体術。相手の攻撃の力を利用するのです。

侯爵家のピアは女性と言うこともあり幼い頃から身につけていました。

……ですが、……。


パァーン!


シュ!


『腕で受け止め……。』


パァーン!


「うぅ~。」


反撃が出来ないピアなのです。確かに受け止めて風船が割れるのは良いのですが、……それ以上に攻撃されてしまっているようです。攻撃側の方が上手だからでしょう。


「悔しい……。」


『背が小さいからなかなか手も届かないですわー!!!』





……それならばロイやアリィも何かやっているはず……?とお思いでしょうが、ロイは「面倒!魔法だけでいいやー!」と拒否していましたし、アリィは「それよりお菓子作りたいです!」と言う感じでしたし、「ええ、良いですよ!」と娘に甘い御父様でしたので。



『『……せめてちゃんと御母様に言われていたように剣術(護身術)くらいしておけば良かった!』』

と大いに後悔するふたりでした。



……ちなみにミーサ、ノノア、カミーユはもうあのドリンクの餌食になっています。


「「「…………結構なお手前でぇ~~~。」」」


もうすでに3人が魂を飛ばしています……。


パァーン!


「はい!アリミアもアレね!」




「……。」


『さあ、私も魂を飛ばしに行きましょう。涙。』



「今日のもなかなか凄そうなドリンクですね……。」


「ええ~!今日のは自信あったのですけどね~。」


レミアさんが不思議そうに言いながら、マリーの攻撃をかわしています。


どうやらレミアさんのチョイスだったのですね。



ちなみに今日の材料ラインナップは……。

バナナ。

牛乳。

青菜。

トマト。

ピーナツ。

お菓子の小魚。

と、なっております……。小魚……混ぜちゃうのですね。




ふぅ。しかし、丸2日やり続けてみると時々ですが、攻撃がくる時がわかる時もあるようになりました。


この調子で頑張ります!!!







---------------


ティータイムに驚く騎士学園。




「では、御了承いただきましたので!」


「ダン先生~!ティータイムは魔法使っても良いでしょー?」


「え~~~。」


「先生のも勿論いつも通り御用意しますから。」


「魔法使っていいぞー!」


皆『『『切り替え早!!!』』』




「では!」


「んじゃあ、俺紅茶淹れるな!」


‘’ピッ!‘’ピッ!‘’ピッ!


とふたりの魔法で紅茶と焼菓子が用意できました。

サンシェードなどのテータイムセットはもう、皆さんが出してくださいましたし、今日は大人数でLet's テータイムですね☆





今日の鍛錬が終わり、帰って行くSクラスを見送って……騎士学園2年Aクラスは……皆で同じ事を呟いていました。



皆「「「…………ハマっちゃうかも……。」」」







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