普通の防御って?
「一般的な防御ってどうやるんですか?」
「魔法防御の事か?」
「そうです!」
「ああ。教科書には一応載っているんだが、詠唱する防御ってなぁ。……と思ってすっ飛ばした!」
ああ……っと、入学したての時にさっさと2年分の教科書を勉強を終わらせた時ですか?
「…………見てみるか?」
皆「「「是非ー!見せてください。」」」
にっこり。×8
「…………気が進まなんだがな。はぁ。」
ボソボソ。
「ダン先生何か言いました?」
「あーーいや、何でもない。」
「じゃあ俺が、ダン先生が防御魔法出した後に軽く攻撃魔法撃ちますね。」
「……ああ。解った。」
準備が出来たようですね。
ダン先生とロイが向き合っています。
「あ~じゃあ、……行くぞ~。」
ボソボソ。「あ~いやだ~……。」ボソボソ。
皆「「「はーーーい。」」」
ダン先生が目をつぶり集中しています。始めるようですね!
「我を囲め!我を守る盾となれ!プロテクト!」
薄い魔力の球体の中にダン先生がいますね。…………。
皆「「「……。」」」
「ダサ……。」
ポソ。
「ダサいよ!最高にダサいよ!涙。」
「言うな!ロイ!カミーユ!!俺だってこの詠唱恥ずかしいんだよ!!」
「あー!!」だの、「だー!!」だの言って天を仰いでいるダン先生です。
「ってゆーかロイ!攻撃魔法打てよな!!」
「あ!ごめん思わず魔法使うの忘れていた。」
「おい~!!!」
解ります。解りますよ、ロイ…………思わず石化しちますよね。
「……プロテクトって……。」
「せめて、「シールド!」とかの方が……。」
「解るぞ。お前達の言うように、何かダサくて何か恥ずかしいんだよ!!」
『……何でしょう?やはり恥ずかしさからなのですかね?』
ダン先生は、頭をガシガシしながらちょっと怒り気味で、おひとりで何だか忙しそうです。
「--だがな!これがベーシックな魔法防御だ。実際の強度は弱いが全方向からの攻撃に対応できる。」
「だけど、詠唱しなければならない。」
「ああ!その通りだ!」
--スッ!っと何か余計な感情をどうにか振り切ったようです。
「戦闘中はそんな数秒も取られる詠唱の防御なんてな、使えないにも程があるんだよ!」
「だから詠唱魔法使いは、これを誰かが守備専門で張っているか、魔法道具を使うことが多いな。」
「なる程ぉ~。」
私達のようにそれぞれが好き勝手に攻撃しまくるって……確かに戦術無しですよね。協力したりするのは有効そうですね。
「とりあえずは自分の力で何とか対処できるように、魔法を覚えたいです!」
「つまり無詠唱魔法でって事か?」
「ええ!そうです!」
無詠唱なら思いの仕方が固まればすぐ魔法を発動出来ますからね。
「…………うん?そうなると、接近戦の練習って必要なのですか?」
「アリィ。それは勿論いるのよ!だって戦いを知らな過ぎて、いつ防御を発動すれば良いか解らないじゃないの!」
「はあっ!!!!!」
ガビョーン!!!
頭に稲妻が落ちて目がチカチカです!
確かに!同時起動したとしても攻撃に全力を注いでしまっている場合もありますし、常に防御魔法を出しているのも無駄ですしね。
「マリーの言う通りですわ!私ったら言われるまで気づきませんでした!やりましょう!接近戦!!!」
何かアリィがいきなりやる気に満ちて来ましたが----まあ、マイナスの思考ではないので良いですよね。
「それで?無詠唱だとどんな風に防御魔法を使っているんだ?」
「形としては今みたいに球体にするか、盾を思う事が一般的だな。」
【思い】は、【魔法防御】か、【防具】で実際の役割をそのまま思う事が多いそうです。
「アリィが前にやってた【魔法吸収】でもいいと思うぞ。」
ふむふむ。
と言うことは接近戦で、戦いと言うものを学びつつ、どのような防御魔法が必要なのか、どう使うものなのかを考えていく。と言うことですね。
防御魔法についてはそれぞれが自分の魔法性質を考慮しながら考えておく事になりました。
あとは、接近戦を通して攻防というものを体で覚えられたら良いですね。
これについてはダン先生がお話を進めてくださっていますので、可能かどうかはその結果次第なのです。
「じゃあダン先生。」
「お?何だ?ロイ。」
「防御の威力を見たいので、持つ一度お願いします。」
ニヤリ。
「は?もう一度って----。」
「げっ!……萎。」
「我を囲め!我を守る盾となれ!プロテクト!」
ヤケクソ。
げんなりしながら詠唱魔法発動してくれました。
「じゃあ、軽めに!」
‘’ピッ!
ボウ!
ロイの炎が防御の球体にぶつかる。
パァーーーーン!!!
皆「「「…………弱!!」」」
ダン先生「……だろう?」
いとも簡単に破壊できてしまいました。かなり力を抑えた炎でしたのに……。
※※※※※
一段落しましたので、そろそろティータイムですね。
「今日は暖かい紅茶にしましょうか?それともコーヒーですか?」
「ねぇ~、今日はコーヒーにしない~?一緒に食べるものはぁ、私が用意するからぁ~。」
‘’ピッ!
‘’ピッ!
縮小魔法でしまってあったフライパンと栗を取り出したミーサ。
‘’ピッ!
風のかまいたちで栗にひとつずつ切れ目を入れていきます。
‘’ピッ!
ボウッ!
炎が出現して炙っていきます。
どうやらミーサはしばらく栗に火入れするようです。
『ミーサ……なかなか出来るのね!』
マリーの心の声。
っという事でアリィも、‘’ピッ!‘’ピッ!‘’ピッ!
--とティータイムの準備をし始めたのですが、…………。
「----…………。えーーと、皆さん?どうしましたか?」
何故だかロイとピア、そして栗の食べ物を用意してくれているミーサ以外がやたらとこちらを見てくるのです。
今までこんな事無かったのですが……ガン見と言う感じでしょうか。……何かとってもやりづらいのですが。
「アリィ!気にするな!」
「そうですよ。そのまま続けてください。」
「……ええ。」
「見ていないと思って!」
「……………………ッハッ!」
そして、何かに気づいたような反応をして更にピアまでも視線を飛ばしてきます。
『一体何なのです~?!?!?!困。』
「えーーと。ご用意出来ましたよ。」
コーヒーを淹れ終わる頃には皆さんいつも通りでした。
--何だったのです?
「私も用意できたわよぉ~!」
「わぁ!良い香り~!」
「うふふ。焼き栗なのぉ~。コーヒーと合うでしょぉ~。」
「……この栗。」
「演習の後持って帰ってきたのか?」
「うふふ。少~しねぇ。」
「コーヒーと栗って合うんだな!」
「ええ、とても美味しいですわ。」
「焼くのも旨いんだな。」
モグモグ。
ムグムグ。
ゴックン。
……ダメです。焼き栗とコーヒーの絶妙な取り合わせにハマってしまいました。
話の続きはもう少し焼き栗を堪能してからにしましょう。
ムグムグ。
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ミーサは出来る人--演習後の休日--
ミーサは元々薬膳茶は淹れることができます。
先日ロイが紅茶を淹れていたので実は驚いて--やり方を見ていた。……すると、薬膳茶と似た手順で淹れていた事に気づいたのです。
「違いはぁ、お湯の温度と蒸らし時間ねぇ~。」
・
・
・。
「出来たぁ~!」
「うぅ~ん!アリィやロイ程じゃないけどぉ、美味しいわぁ~!」
--さすが普段から“葉”という物に触れる機会の多いミーサです。
もう出来てしまいました。
「もう少し上達したら私も皆にふるまいましょぉ~!」
うふふ。




