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成長した力

アップするのが遅くなりました。



今の声は……ピア?!


「ピア!」


急いで振り返ると、ノノアを中心に対面で背を向け戦闘していたピアが座り込んでいました。


「ピアも声に反応して咄嗟に何かしようとしたみたいなんだけど……。」



すぐ隣にいたルーイ様が駆け寄っていました。


「これは!……やはり。」


「ルーイ様!!!ピアは?ピアは無事ですか!!!!」


--皆の顔が蒼ざめる。


「落ち着いてください。少し意識が朦朧としているようですが、衝撃だけですんだようです。外傷はかすり傷くらいです。」


そう言うと、ルーイ様はピアの側に落ちていた長い槍の様な物を拾い上げた。


「トゲでしょうか?」


「トゲ?」




ざわ。


「……何か変な感じのがいます。」




ノノアの言う通り何かが飛んできた方からかなり重たい魔力を感じますね。


思わず冷や汗が流れます。


今まで戦ってきた魔物の中では一番強い魔力を感じました。

しかし、それ以上に驚いたのです。この魔物はこれだけ魔力が強いにも関わらず、今の今まで私達は気づけなかったのです。


「まさか!魔力を隠せる魔物なのか?」


「ええ?!そういう魔物?」


「いや~マジか。本当にそんなのいたのかよ?」



「……来ます。」


ドスッ!……。

……ドスッ!

ドスッ!……。


現れたのは--巨大なハリネズミの魔物でした。


高さは、5Mは雄にありますね……。牙まで生えていて、禍々しいオーラを放っています。





「ノノア、少しピアをお願いしてもいいでしょうか?」


「……ええ。少し端にいますね。」


「それから、ピアのミサンガに魔力をお願いします。」


「……………………そう言えばルーイ様の願いは……。わかりました、僕がやっておきます。」


「お願いしますね。」


そう言うと、ルーイ様は立ち上がってロイ達の元へ向かいました。




「……ピア、失礼しますね。」


ピアの手を取り、ノノアがミサンガに向けて魔力を流します。


ポワッ!ピアを優しい光が包みます。




すると----。



「……良かった!分かりますか?」



ノノアの声にチラリと後ろを振り返って見てみると、ピアは目を開けたようですが、どうやらまだふらふらとしているようでした。


「良かった。ピア休んでいてください。」


ぼんやりとしたままのピアでしたが、目が合ったように思えました。ノノアがついていてくれるならば大丈夫でしょう。







「さて。どういきましょうか。」


もうルーイ様が隣に来ていました。


「アリィ、あなたのお陰でピアに大事がなかったです。ありがとう。」


「ええ。『……?』それは良かったですわ。」


「傷も、もう大丈夫です。」


何でしょう。ルーイ様何かいつもより覇気が強いような。



「おい、ルーイ。俺とお前でアイツを相手しよう。」


「ええ、そうですね。」


やはり、何かいつもと違うような。



「アリィ。他の魔物もまだ残ってる。ここは任せていいか?」


「ええ。大丈夫ですよ。」



「よろしく頼みます。」

「行ってくる!」


小さな違和感はありましたが、ふたりは行ってしまいました。




兎に角今は集中です。

万が一に備えて、前方は私が立ちます。



「マリー、ノノアの側に一応お願い。そこから前を行くふたりの援護射撃を頼みます。」


「任された!」



「カミーユ、ミーサ!左右を頼みます!」


「任せて!」

「オッケーよぉ~!」



「ノノア、そのまま広範囲探索を続けられますか?何か来たら教えてほしいのです。」


「……わかりました。」



「ダン先生、ピアを診てくださいませんか?」


「ああ。任せろ。」



ピアに攻撃が当たったことで、取り乱していたアリィですが、落ち着きを取り戻すといつもの無邪気な人とは思えないほど、状況判断が早く、頭が働きました。



「ロイとルーイ様なら大丈夫。私は今目の前にいる魔物を倒しましょう。」



しかし、だいぶ数を倒したとはいえ今も大小いろんな種類の魔物がやってきます。あと、50体程でしょうか?

いえ、まだ増えます……

一体どこから?


--角から角まで目を走らせる--


見るとハリネズミの傍らに黒いオーラの塊が見えます。

そして、今もそこから一体出て来ました。



「一体どういう仕組なのよ?」


このままでは数が減らない。

ノノアとミーサの合わせ技をまたお願いする方法はありますが、さすがに魔力消費が大きいようで、その後にまた増えた魔物の相手をする時に、ピア含め3人が一時戦闘を離れるのはリスクがあります。


考えている間にも魔物はやってきます。




‘’ピッ!‘’ピッ!

【氷柱】


ズゴーーーン!


まとまって向かってきた巨大蟻の魔物を一気に突き刺す。




左のミーサに巨大な亀の魔物を主とした群れが襲いかかる。


‘’ピッ!

【かまいたち】


シュシュシュン!


一気に数体動かなくなる。だが、魔物の猛進は続く。


ドドドドド!


「もう!来るなぁ~!」


‘’ピッ!

【炎】


ボウ!


低い叫びます声を上げて亀の一団を倒した。……様に見えたのですが、


「亀だけまだいるぅ~!」


「…………じゃあ、これならどうかしらぁ?」


‘’ピッ!

ミーサの手に集まる高魔力。

【白炎】


「今度こそぉ~!」


ゴォーーウ!


白い炎が巨大亀を包み込む。

先程の炎と同じだろうと避けずにはねのけようとした亀が、気づいた時には自身を焼き尽くされていた。


「やったぁ~!」




一方、カミーユ方面にも新手です。大蛇率いる蛇軍団のようですね。


「うわぁ~。気持ち悪すぎる。」


声だけで解りますきっと、とても嫌そうな顔をしていることでしょう。


‘’ピッ!

【岩壁】


‘’ピッ!


「もう一つ!」


高さはそう高くなく、横長の壁が出現しました。


一度に出現させられる質量を長い長い壁にしたのですね。


壁と壁の間を蛇軍団が走ってきます。カミーユどうするのでしょうか。


‘’ピッ!


「仕上げだ!」


【水柱】


ザパーーーン!!!


「「「「…………。」」」」


「やった!狙い通り!!」



「濁流を流れる泳げない--鰻……のようですね……。」


「お前、なかなかエグいな……。」


「……あ……一匹も顔を出さなくなりました。」


「遠ーーくにいったな!」


ドーーン!


「ぶつかったわねぇ~。」




「…………というより、もう生きてないですわね。」



「ピア!」


「「「「「ピア!」」」」」


「大丈夫か?」


ダン先生ピアの顔色をみます。


「ええ、もう大丈夫ですわ。私よりも……アリィ今すぐふたりのところへ行ってください!ロイはともかく、ルーイ様がいつもと違いますわ!」


「え?!」


見ると、ルーイ様が肩で息をしながら竜巻を起こしているようでした。






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