恒例のティータイムとロイの力
本日は合同演習三日目。
本日も晴天なり。
この数日で、大きく固まっていたいた魔物達は倒してしまいましたからね。
もう、この辺一体はポツポツと魔物がいるくらいになりました。固まっていたとしても5匹程でしょうか。
私達は最後に見つけた大きな集団を朝イチで討伐すると早々に戻ってきてティータイムしていました。
やはりクッキーと飴は正解でしたね!美味しい上に自然とベストな状態を保ってくれますからね~。
ところで……。
「先輩方があちらで戦っているようですね。」
「ええ。」
「さすがに2年生のトップ5人ですね。」
「このくらいでしたら余裕そうですものね。」
「威力が段違いですわ。」
「詠唱早いよね!」
離れた所から恒例のティータイムをしながら、魔力を探って目に見えない観戦をしていたSクラス。
「……ですが。」
「ん~なんだろぉ~ねぇ~。」
「何か強めなのいるよね?」
そうなのですよね。強力そうな魔物がいるのを探知していました。
「……大丈夫でしょうか?」
「ん~。変なのではなければ大丈夫じゃないか?」
「……ロイ~、“変”はしばらく使うのよしましょうよ~。」
「はは!悪い!」
もはや“変”は皆のトラウマですからね。……ほほほほ。
トス。
トストス……。
トストスドス……。
ドスドスドスドス……。
何やら近づいて来ているような……。
……そして見えてくる人影……。
「来ちゃった?」
「来てしまいましたわね。」
皆「「「……………………。」」」
「ルマ先輩が御嬢様を抱っこしているな。」
「次席先輩が侍女先輩を抱っこしていますわね。」
「だし先輩……はひたすらひとりで走ってる。」
「校長先生はぁ~?!」
「だし先輩に負けないくらい真剣に走っていますね。」
「……御嬢様先輩と侍女先輩泣きながら詠唱してませんか。」
「ああ、しているな!」
ドドドドドドドド!
「と!ととととと灯せ~~この手にぃ~。キャー!燃えよぉ~およよよよよぉ~~強く、強くーーー!!イケぇ!」
ドン!
「風よ我が身に。唸って、踊れ!イケ!」早口。
シュ!
炎に、風に他の生徒より格段に強い魔法が飛んでいきます。
ですが----ぽん。しゅん。
魔物に当たって消滅しただけでした。
もう結構近くになってきていて、お互いに良く顔が見える程になりました。
パチッ!
御嬢様と目があった!……と思います。
「私達がちゃんと討伐致しますからご心配なくー!ほほほほほほ。」
『先程慌てて詠唱していた方が何を仰っているのですか。』
「全く、何のプライドだ?」
「……このままだと直撃されますね。どうしますか?」
「大丈夫だ。もうアリィが放ってる。」
いつの間にか椅子の横に、手を突き出して立っていたアリィを皆が視認した時には、その手には跡煙しか残っていなかった。
直後、ドッゴーーーーン!
凄まじい衝撃音と共に、突き抜けた赤い弾丸が砂煙を舞い上がらせていた。
「大好きなティータイムの邪魔しないでいただけますか?」
プンプン!
一瞬の砂煙が晴れると、身体に無数に穴が空き、直立不動になった魔物がいた。
いたけれど--ドッシーーーン。
倒れて魔物は動かなくなった。
……二足歩行していたのですが……トカゲだったようです。
「なんです?あのやたらとでっかいトカゲは!何故二本足?動き方が気持ち悪かったです~。うぅ~!!美味しい時間の邪魔をされるなんて~!」
プンプン。
そんなティータイム続行中のSクラスとは違い、必死に逃げてきて顔面蒼白息絶え絶えだった2年生ズ。
一瞬の出来事でしたので、魔物が倒された事に今やっと頭が追いついたようです。
「赤い球?!……もう……倒したのですか?」
2年生ズ「「「…………。」」」
2年生ズ「「「ふぅ~~~。」」」
2年生ズと校長は魔物が倒され安堵しているようですね。
「ふぅ~じゃない!校長何してんですか?」
「そう言うな、ダン!俺は爬虫類が嫌いなんだ!!!」
「威張るってくれるな!!」
ダン先生と校長はなんだか揉めていますけども、私は今紅茶のおかわりを頂くところだったのですよ。
「さ・あ・♪続き~です♪」
満面の笑みで席に戻ろうと手をかけたところで--。
「さすがアリィ。起動が早い!……けど、…………もう一体。」
今度はロイが立ち上がり構えました。
「え?!」
「……本当ですね。」
やたらと頑丈そうなサソリの魔物が、アリィに倒されたトカゲの真後ろから飛び出てきました!
「素早いぞ!」
「いいや、遅いな。」
ニヤリ。
「ロイ?」
『ふふふ。ついにこの時が!』
不適な笑みを浮かべるロイ。
ルーイ様は気づいた。
ロイのニヤニヤの意図に。
『まさか……。呆。』
‘’ピッ!
【収束】
「イケ!」
ピカッ!
一瞬の光。
一直線で駆け抜け、サソリの眉間から胴体にかけて突き抜ける----とあっという間に動かないサソリになった。
アリィはしっかりと見ていた。目の前で放たれた光の魔法。ロイの指先から飛んだ光の線を。
「ロイ!ロイ!かっこいいですー!」
ギュ~ッ!
思わず隣のロイへ抱きついていました。
「新しい魔法も凄いです!ロイったら、もう。--少し追いついたと思っていましたのに……やはり先に行ってしまうんですね。もう~。」
バシバシバシッ。
抱きついたままロイの背中を思わず叩いてしまいました。
「はは。///。」
ロイは想像の上を行くアリィの行動に照れ照れしていて真っ赤っかです。
「さすがだな。」
ニヤニヤニヤニヤ。
「それと、良かったな!」
ふふ。
全てを知る友人に見透かされているのは、何とも言えない恥ずかしさがあります。
「ああ……///。でもまだ一度光を集めるように想像してからでないと上手くいかないんだがな。」
「これで完成ではないのですか?もうこんなに凄いのに?ん~~~!素敵です!」
さらにギュ~ッ!してしまいました。
「ちょ!アリィ?」
「なんですの???」
真上を見上げると、ロイの頬がすぐ目の前でした。
「ああああ!!!ごめんなさい……///。」
「いや、構わないよ……///。」
『私ったら!!気づいたらなんて事を!!!』
いつも通りルーイ様はふたりを見てはニヤニヤしています。
………………が、他の方々!
我に返って皆さんを見てみたら…………顎が外れてしまいます!!
口あんぐりしすぎです。
石化していますし、しかも人数も多いですし…………そのままにしておきましょう。
「ダン先生お茶のおかわりいかがですか?」
「……ああ。…………いただきます。」
何とか現実に戻ってきたダン先生。
「……本当に出来たのか。」
ボソボソ。
「ん?何か?」
「いや~なんでもないさ。」
『また校長に何か言われそ……。おっと!今、校長を見てはいけない気がする。』
大丈夫です。ダン先生の心配をよそに、校長先生は魂飛ばしていましたから~。
次いで復活したのはノノアでした。
「…………レーザー…………?」
「ん?ノノア?レーザーって?」
「……ロイの放ったのは恐らくレーザーと呼ばれるものです。光魔法で光を増幅して放射したのですよね?」
「ああ。さすが~正解だ。レーザーって言うのか!」
「かっこいいな!指向性もあって使いやすそうだ!」
「でも慣れてなくてまだ魔力をかなり使うけどな。」
「さすがですわね!」
「凄いな!」
「ぴか~だったわねぇ~。」
皆さん復活して、キャッキャキャッキャと楽しそうなSクラスでしたが、この後野営宿地に戻ると2年生ズに、
「今日までご一緒していただいてありがとうございました。」
と言われてしまったのでした。
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先輩方見回る。
「ここか?例の所は?」
「ああ、そうらしいな。……っていうか、こんなところ何個もあってたまるか!!」
「本当にバンガローがありやがる。」
「なんなんだ一体?」
「特例クラスっていっても同じ学生じゃないのか?」
自分達のテントと、こんな場所でも快適生活を送っている目の前の下級生を比べて悲しくなったので帰ることにした。
その帰り途中も悲しさは増していったらしい。
他の一年も、しっかりと竈をつくりどこから捕ってきたのか沢山の魚や鳥肉を食べていた。
実は、キャンプ旅行の時のように皆で協力して魚を捕ったり、その応用でBクラスとも協力して鳥の群の大量getに成功したCクラスなのだが、その方法は知るはずもないのである。
きっとただただ不思議なはずだ。
「なんだろう。やっぱり俺達より豪華……。」
「もう言うな!言うでない!!」
「いや、待て待て!あいつらはパンと木の実くらいだぞ!」
「……って、何故それがAクラスなんだ?」
思わず頭を抱えてしまったため、Aクラスに声をかけられた。
「先輩方~!どうされましたか?」
「「いや。ただの散歩だ。」」
「もう寝てしまおう。」
「それがいい。」




