挨拶はしましょう
「おはよう!」
「おはようございます。やっぱりお風呂作ってよかったですわ。」
「ああ。さっぱりして気分良く寝られましたよ。」
皆さんとお風呂最高です~!と言い合っていたところへダン先生も起きてきましたね。
「おはようさん!風呂に、俺の部屋まで!……お前達!ありがとう!!快適だ~!!!校長達の所には行かないぞ~!!!」
皆「「「……。」」」
「だいたい、先生達の宿舎って言ってもここにあるのは小さいボロの掘っ立て小屋……風呂もなければ……快適さなんて…………。」
と、無駄に朝からテンション高く雄弁に語り始めるダン先生----をさらさらさら~っと流しながら朝食をいただきました。
やまぶどうジャムとパンにコーヒーですね!
酷い!と思われるかもしれませんが、集合時間に間に合わなくなってしまうのです。一応ちゃんと聞いてはおりましたので御安心くださいませ!
「さて、今日から演習を始める。クラスが上の者は、より強力な魔物が多くいる場所に行ってもらうからそのつもりでいるように!」
まだ、太陽の光が届くようになったばかりの時間。魔法学園生は集合していた。
「ではまず、演習するグループごとに集まり自己紹介を済ませておくように!準備が整い次第先生方の誘導に従って出発する!」
え~。私達が御一緒させていただく2年生は~。
キョロキョロ。
「あの、Sクラスの方々ですか?」
「ええ。そうですわ。」
「私達2年Aクラスの者ですわ。」
2年Aクラス(上位)の方々は男性3人女性2人でした。
アージ・ディ・ルマ
マテオ・ルー
マクシー・ツルベニ
アレシア・ディ・ベニーニ
ノエミ・キャベル
と、皆様御名前を教えていただけました。
「あの、よろしくお願いいたし……。」
「私達は卒業後に魔法師団で活躍する人材ですの。」
『?!何でしょう御挨拶の途中でしたのに。』
「校長先生はああ仰っていましたが、私達は同行すらする必要はないと思っていますの。」
『……ああ。そうゆう方なのですね!』
「むしろ、なぜ私達の貴重な時間を同じ学園と言うだけで御一緒しなければなりませんの?しかも魔法を見せて差し上げなければならないなんて!」
『このお嬢様は、御貴族様って感じなのですね。』
「アレシア様。そんなにはっきり言ってしまったらきっと一年生が怯えてしまいますわ!ふふ。」
「ふふふ。いいじゃないですの。ノエミ。」
会話を聞くに、どうやらお嬢様と侍女のようですね。
「アレシア、そんな事言わなくても一緒に行動するだけでもいいじゃないのか?」
「アージは優しいですわね。」
「マテオもマクシーも私と同様なようですよ。」
「一緒にいるくらいなんでもないさ。」
「そうだし。」
「まあまあ、皆さんお優しい事。」
なんだか2年生ズのお話が一段落ついたようです。
最初に話しかけてきた御嬢様がこちらへ向き直りました。
「と、言うわけですの。どうしてもと言うならば同行を許可しますわ。」
『……なる程、こういう感じですね。了解です。』
私達は顔を見合わせて、アイコンタクトで頷きました。
「どうしてもではないので、別でかまいませんわ。」
特攻隊長ピアです。
「はい?」
まさかの返答だったのでしょう。御嬢様は、御嬢様らしくない呆けた顔をされていますね。
「何を言っているのですか?私達がいなければ魔物とどう戦うというのです?」
ノエミの援護射撃が返ってきます。
「いえ、助力はいりませんよ。」
ロイがそれを軽く撃ち落としました。
「すまないな。こちらが失礼な事を言ってしまったからかな。申し訳ない。」
「すまん!」
「ごめんだし!」
ペコペコペコ。
「いえいえ、御丁寧に謝罪いただいてありがとうございます。ですが、私達の事はほっといてくださってかまいませんよ。」
「なーによ!強がり言って。」
アレシア御嬢様いつの間にか復活していますね。
「いえ、ですから結構ですよ。」
ロイが今度はぶった切ります!
『いや、だからいらんていってるだろ!』
と、ロイの心の中の本当の言葉が聞こえてきそうです。
「大丈夫ですからぁ~。」
「……です。」
「俺ら自分達だけで大丈夫ですんで!」
「なんともないです!」
しれっと堪えるSクラスの面々。それが気に入らなかったのでしょうね。御嬢様の声がボリュームアップです。
「怒。怒。怒。ですからぁ~!魔物と戦ったこともないあなた方に何が出来ると言うのですか?」
御嬢様プンプンです。
Sクラス「「「…………。」」」
「はぁ。ですから、私達がいつ魔物と戦ったことがないと言いましたか?」
「何を言っているのですか?この合同演習の目的のひとつは1年生達の初めての魔物狩りのはずでしょう?」
「ですから、あるんですよ!」
ガリガリ。ロイが『あ~、コイツ面倒い!』って先輩方にあからさまなに失礼な態度ですが、今はいいでしょう。
勿論目は冷めた目をしてますよ。本当、仲間内じゃないとこっちのロイなのですね~。
「すまない。あるとは、どう言う事ですか?」
『ごめんなさいね。気遣ってくださるお優しい先輩方もいるのですがね。わざわざ嫌がる方と同行しなくても良いですしね。』
「魔物狩りの経験が、だ。」
「はい?何を適当な事を仰ってるんですの?」
「ロイ、待て。アレを見せた方が早いと思うぞ。--皆も、出してくれないか?」
ルーイ様がキラっと光るチェーンを見せます。
『ああ。それですか!』
「そうだな。」
ごそごそ。ごそごそ。
「これですよ。」
シャラン。
目の前にかざして見せたのは--石。
そう、ギルド登録証です。
「それは!ギルド登録証?」
「ちょっと見ても良いか?」
「ええ。」
石に魔力を流す。
ぱぁーー。
「Dランクだし?!」
2年生ズ「「「Dー?!?!」」」
「もうギルドにも登録してあるなんて!……しかもDって事は皆さん魔物狩りしたこともあるのですか?」
「ですから、そう言っていますわ!」
2年生ズ「「「…………。」」」
「おーい!お前達~!そろそろ行くぞー!ってどうした?」
ダン先生と校長先生が来ましたね。
「おい。何があった?」
「どうしたと言うのだ?」
こそこそ。
「いや、俺達先輩方には邪魔みたいだから別行動しようかと思っててな。」
校長「は?!」
ダン先生はじぃ~~~っと状況を見て、御嬢様~Sクラス~ギルド登録証~と見渡して、現状を把握したのでしょう。
「いんじゃね?別でも。お前達わざわざ一緒じゃなくても問題ないしな。」
すると、ダン先生の答えに物凄く驚いてだいぶ悲しそうな顔をしている校長先生。
校長「ちょーーーっと待て待て待て!」
「一緒に行こうではないか!」
「ですが校長先生、アレシア御嬢様のご迷惑になるそうですので。」
ピアが再度爆弾を投下します。
「そうなのか?」
アレシアとノエミがワタワタしていますが、まあ、知ったこっちゃニャーですね。
すると、校長先生が物凄い勢いでガシ!ガシ!ガシ!ガシ!ガシ!っと2年生ズを確保すると----何やらヒソヒソと話始めました。
「頼む!今日だけでもいいから!協力しなくていいから!一緒に行動してくれ!!!」
『ちょっとでもいいからSクラスの魔法をこの目でみてみたいんだぁ~~~!!』
校長先生の威圧の籠もった懇願に2年生ズは「今日だけなら。」と了承したようです。
「はぁ、せっかく校長居なくなると思ったのに~。」
ボソボソ。
「ダン先生、私達には聞こえていますよ~。」
「は!まあ、お前達には聞こえても構わないさ。さあ、自己紹介くらいはしたらどうだ?どうせまだなんだろ?」
まあ、そうですね。そこはちゃんとした方がいいですよね。
「ロイヤード・ディ・オルビンだ。」
「アリミア・ディ・シアードです。」
「ピアース・ディ・ハノワですわ。」
「エルメイ・ディ・ブロンクスです。」
「ミーサ・フレインよぉ~。」
「……ノノア・キース。」
「マリアナ・ディ・シルクだ!」
「カミーユ・ルモンドだよ!」
「よろしくお願い致しますね。ベニーニ伯爵家、アレシア嬢?」
「ブロンクス公爵家……ハノワ侯爵家……オルビン侯爵家……あわわわわ。」
「ああ!アレシア様!」
最後にルーイ様がトドメの大爆弾を投下して、お話し合いは終わりました。
ん?お話し合いですよ。御嬢様はご理解してくださいましたようですしね!
「さあ、もういいだろ?行こーぜ~!」
ダン先生の号令でやっと出発です。
トコトコトコトコ。
馬車でやってきました。
2年生ズは馬車から先に降りたのであちらで何やら装備やらを整えているようです。
「さあ、お前達も準備しろ?」
準備……ああ。アレですね?了解です!
‘‘’ピッ!
【魔力遮断】
これでOKですね!
私達も行きましょうか。
トコトコトコ。
「なんだー?!それは?」
驚いているのは校長先生ですね。
「校長~。これは言ってあったでしょ。こんなんで驚かないでくださいよ~!」
「?これは……何?」
「何ですの?教えなさい!」
「あ!アレシア、またそんな風に言って!」
「……企業秘密ですわ。」
「ほら~!教えてもらえないじゃないか!」
「だし!」
「いや、そもそも何故教えなければならないんだ?」
ギャーギャーギャーギャー!
「はーーい!そこまで~!出発~!!!」
ふふふ。ダン先生今日とても良い働きをしてくださいまして、有り難いです!
まだ森に入ってすぐなので魔物は時々出てくるくらいしかいません。先程から先頭を行く2年生ズが倒していますね。
「ダン先生~、今回って素材を回収してもいいの?」
「ん?今まで演習で回収してた奴はいなかったからな~。ちょっと待ってろ?」
するとダン先生は校長先生に聞きに行ってくださいました。
「おーい!いいってよ~!」
皆「「「!!!」」」
ぴくびくぴく!
に~~~っこり。
お互いに顔を見合わせて大きく頷きます。
「そうなると話は変わるわねぇ~。」
「……僕欲しい本があるんですよね。」
「私は欲しい生地があるのよねぇ~!!」
皆「「「お小遣い!!!」」」
「あれ?ルーイ様達もですか?」
「ふふふ。本当に自由の利くお金は少ないですからね!」
「ああ。俺も欲しい物もあるからな!」
「私もですわ!」
『……この貴族の方々の御両親……うちの両親とも感覚が似ておりましたからね~。まさかのお小遣い制かもしれません。』
「良い素材の魔物は逃せませんね!」
「山分けでいいですか?」
皆「「「そうしましょう!」」」
そうと決まれば深い森に入る前に、皆さんにコレを。
「皆さん食べませんか?」
ひとりひとりに青い飴をお渡しします。ダン先生は赤色ですかね?
『昨日もお酒を飲まれていたようですし。』
「アリィ~気合いが入ってるぅ~!」
「……いただきます。」
「うんうん。おいしいねぇー!」
「これはいいものになりましたわね!」
美味しいお口と共に歩くこと数十分……。
「そろそろ森も深くなりますからね。拠点を作って一度散開しましたいですね!」
そんな話をしていると、ちょうど前方の校長先生から声がかかりました。
「ダン先生ー!この辺りで今日は様子見ませんか?」
「ええ、そうしますか。」
拠点間ができました。話しているうちに随分と奥深くまできましたからね。
「ねぇ~ノノア~?」
「……うん。」
‘’ピッ!
【広範囲散策】
「……今日はこっちかな。」
「おっけー!」
「じゃあ、ダン先生行ってくる~!」
「おー!稼げよ~!あんまり遅くなるなよ~!」
「大丈夫ですよ~!後二時間ほどでダン先生にもお茶入れますから~!」
「おお!ありがと~!」
さり気なく拠点で2年生ズと分かれました。
そそくさ、そそくさ。
「おお~!デカい蛇の魔物!」
‘’ピッ!
--ズン!
水の球が脳天を貫く!
「いや、なんだ?あの馬鹿デカいリス……まあ魔物だよな。」 ‘’ピッ!
ザスッ!
氷が無数に突き刺さる。
「ここは私が!」
「いや俺かな?」
‘’ピッ!
ドーーーン!
カエルの魔物に岩が落ちてくる。
「カミ~ユ~!」
「ごめんごめん!」
「じゃあ、私はあの変なカニ!」
‘’ピッ!
ドス!ドス!ドス!ドス!
赤い球を無数にぶつける!
「アリィ~素材ぃ~!!」
‘’ピッ!
「そうだぞ!穴あき過ぎ!」
‘’ピッ!
ふたりのかまいたちが長~~~いミミズを炎で丸焼きにする。
「いや、ふたりだって!焼き過ぎでしょう?」
「「ミミズはキモイ(のよぉ~)!!」」
「…………まあ、確かに。」
そんなこんなでかなりの数を倒しました!
「ノノア……この遠くのは普通の動物ですか?」
「……っポイですね。」
ルーイ様とノノアなんてもう食材も一緒に手に入れようと考えているようですね。
魔物がいると普通の動物は逃げてしまいますからね。すぐ近くにはいません。
しかし、離れすぎてましたので諦めたようです。
「そろそろ戻りましょうか?」
「良い時間ですものね!」
※※※※※
「ダン先生~!ただいまです~!」
どうやらダン先生お一人のようですね。
「おう!沢山手には入ったか?」
「バッチリです!」
「いくつ倒した?」
「100体ほどねぇ~。」
「おお。まただいぶ倒したな~!」
「帰ったらまたアルさんの所へ行きたいです!」
「ああ。そうしようか!」
と、言うことでティータイムです!
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先輩方また気づく。
「なあ、昨日の夕食さ俺らパンとキノコだけだったじゃんか?」
「ああ。それがどうした?」
「いや、夕食後に少し散歩していたら一年達のところから美味そうなスープとかの香りがただよってきたんだよね。」
「は?気のせいじゃないのか?」
「いや、何かの間違いだと思ってちゃんと見てきたらパンにスープに魚焼いていたぞ!」
「は?なんだと?豪華だな。一年皆そんな豪華な夕飯食ってたのか?」
「あ~いや、1クラスだけパンだけだったな。」
「やっぱりCクラスか?」
「いや、今回もAクラスだった……。」
「「…………。」」
「「本当に今年はどうなってるんだ?」」




