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間違った噂



「まず始めに、今回の合同演習の開催地が変更になってしまい、申し訳なかった!」


と最初の一言と同時に校長先生が頭を下げておりました。


「しかしながら、集合場所まで無事に全員がたどり着いてくれたことを嬉しく思う。最長2日、最短で4時間以下というクラスもあったようだが、自分達で考え成し遂げることに意味がある。たどり着いた時点で全員が最初の課題を達成した事になる。おめでとう!」


ざわ。

ざわざわ。


「4時間以下?!」


「どうやって?」


校長先生の話を静かに聞く姿勢になっていた生徒達が一気に騒がしくなりました。




そんな中……ぐぅ~~~。


皆「「「……。」」」


「そう言えば私達お昼ご飯食べてなかったですわね。笑。」


「大丈夫よ、マリー。お腹がすいているのは皆同じですから。」


「わあ!アリィ。今のはわかっていても名前を言わないところです!///。」


「あら~。それはごめんなさい。」


「ふふ。お話が終わったらご飯にしましょうか。」


「……僕もお腹すきました。」


「俺もだ!」


「俺も~!」


「私もぉ~。」


と、Sクラス一同は全員お腹が空きすぎて悪気無く全然関係ない話をしていました。




その間にざわざわしていた中の半数の方々は、何やら正解を自分達で確定したようです。


「さ……さすが2年Aクラスだな!」


「ほんとね!」


「知らなかったぜ。」


「そんな事が出来るなんてさすがですね。」


何やら上級生達が勝手に勘違いしているようですが、例のごとく他に興味を向けていないSクラスは聞こえていません。




そして……そんな上級生達の会話を聞いていて、『それは大きな間違いだ!』と思っている残りの半数の生徒達--1年生と、噂になっている2年Aクラスですね。


「いや、それって絶対アリィ達でしょう?」


「Sクラスだよな?」


「俺達普通に馬車で1日かけてきたぞ?!」


「4時間程で来るってどこの奴らだよ?!」



と、まあいろいろな憶測が飛び交っていますが校長先生のお話は続いております。




「さて、この合同演習の内容と連絡がいくつかある。」


校長先生が仰った内容とは----簡単に言うとサバイバル&上級生との交流でした。




まずはこの一週間の食事と宿について。

学園からはパンだけは支給されるらしい。だけども、他は全て自分達ですると言うことでした。


「キャンプの時と変わらなくないか?」


「いいえ。ここはキャンプ場ではないのですぐ近くに魚を捕りやすい川があるわけではないですからね。」


「……森も少し遠くに小さいけれども深い森がありますが、この辺りの林ですと食料調達はそこまで期待できませんからね。」


「あ~なる程!」


「そこまでいかないとぉ~森の恵みにはたどり着けないのねぇ~。」


「お肉無しは困るなー。」


「……でも、キャビンがあるぞ!」


皆「「「…………あ!マリー!ナイス!」」」


「そうだろ!そうだろ~!」


皆に誉められて嬉しかったのか、きらりん☆とマリーが得意気ポーズを騎士風にキメています!

いつも凛々しいマリーですが、こういう時はやや乙女モードに近いですね。


キャビンを使えば問題無く食材も揃えられそうですね!





それから宿ですが、これはキャンプ旅行の時と同様ですね。

好きな所で宿泊出来るようにすると言うものでした。


ここは国営の宿地ですから恐らく好き勝手しても大丈夫でしょう。


「……と言うことわぁ~。アレよね?」


「アレですわね!」


「何なら前回よりリビング広くしないか?」


「……あと、ダン先生の部屋作っておきませんか?」


男性陣「「「賛成だ!」」」


前回何があったというのでしょう?男性陣のこの感じ……いったい何が!?

それは、今度ロイにでもお聞きする事にして、今はそれよりも大事な事があるのです!


「はい!はい!あと、お風呂を作りましょう!!!」


全員ハッ!とした顔をしていますね。


何故私が強く提案したかというと……今回は一週間もあるからです。そして近くにお風呂なんてありません。

だってここはただの野営宿地なのですから!


恐らくは川で水浴びしたりですとか、濡れたタオルで拭いて過ごすとかそういった方もいるのでしょう。----ですが!作って入れるのならば毎日お風呂に入りたいですからね!!!


「浴槽さえ作ってしまえば、皆さん水を溜めてお湯にするくらい訳ないはずです!」


「訳ないですわ!」


「ああ。全く問題ないぞ。」


「作りましょう!」


「作るわぁ~!」


「……お風呂。」


「男風呂と、女風呂追加ね!」


「俺混浴でもい……イ?!」

バチコーーン!


カミーユ、マリー以外「「「…………。マリー!ナイス!」」」



若干一名間違った方向に暴走しかけましたが、皆さんお風呂に対して異様な程やる気が満ち溢れていました。





さて、本題です。


今回の合同演習ですが、早朝から昼まで毎日行くそうです。


行くのは山岳地帯。話によると山は緑が少ないですが、山と山に挟まれた谷間は林のようになっているそうです。


目的は探索と魔物狩り。ここ最近少し数が増えているらしく国交の妨げになっているそうです。


ちなみに“合同”ですから、探索するグループ分けがあります。


1年Cクラスと、2年Cクラス。

1年Bクラスと、2年Bクラス。

1年Aクラスと、2年Aクラス半分。

1年Sクラスと、2年Aクラスの成績上位の半分。


の組合せになるそうです。


ちなみにそれぞれの担任が同行するそうですが、2年Aクラスの成績上位の半分--つまり、Sクラスと同行するのは校長先生だそうです。


「だって!手があいてるのは私だけだろう?」


と、何とも楽しそうに仰っていました。


その時遠目で捉えたダン先生の悲しそうな顔といったら……悲壮感といったものが漂っていた感じでしたね。



だが、一緒に行動はするものの協力しなさいと言う事でもないらしいです。“合同”の目的は上級生の魔法を身近で見る事、そして魔物狩りと言うものを、1年生は挑戦すると言う事らしいのです。



「以上だ。今日はここまでだ!後は宿泊出来るよう整えるように。演習は明日の早朝から始めるので、また明朝ここに集合する事。」


明日の朝からですね!ちょっとワクワクです。冒険ですね!


「それから、パンは毎日探索終わりに支給するから取りにくるように!」





と、言うことで……。


陣取る事にしたのは野営宿地の一番目立たない端っこの方です。

----何故かって?!


端っこへ行かないと木が沢山無かったからです。

多くの木材が必要ですからね。


作業開始です!

前回同様にカミーユとノノアに外設備をお任せする事にしました。


他全員で取り掛かりますが、前回よりも部屋やお風呂が増えたので始める前に大まかな部屋の配置だけ相談して決めています。


地面に書いて話を進めていますが、なかなか決まらないのはダン先生の部屋。


「女部屋、男部屋、ダン先生の部屋?」


「いや、お酒持って乱入してきそうだから気持ちだけでも離しておきたい。」


「……距離関係なく乱入してきそうですよ。」


「そうしたら、今回は。女部屋、男部屋、エントランスを挟んでダン先生部屋、男風呂、女風呂の並びでいかがでしょうか?」


「とりあえずそれしかなさそうだな。その作戦にしましょうか!」


では、役割分担は前回と同様に。


「やりましょう!」


皆「「「おー!!」」」



‘’ピッ!‘’ピッ!‘’ピッ!

ルーイ様とミーサ、マリーがどんどん木を切り出します。


‘’ピッ!

すかさずピアが木材への穴開け加工を施します。


‘’ピッ!‘’ピッ!

と、同時にロイとアリィが浮遊させてどんどん組み立てていきます


タカタンタンタン!

トコトントントン!


やはり訓練の成果でしょうか?

前回よりも大きくて、作る物も増やしたというのに前より早く終わりました!



「できましたね!バンガロー!」


「ええ。」


「外設備も出来たよ~!」


「わあ!もう燻製出来るようにしてくださったのですか?」


わ~お!ノノア&カミーユ素敵です!なんと!燻製窯まで作ってくださっていました。


「……だってアリィ、どの道作りましたよね?」

カシャ。(眼鏡直し。)


「あ。ばれましたか?」

ふふふ。


「俺達も食べたかったのさ!」

ニカッ!


「では、燻製はやりましょうね。」


カミーユと、ノノア……。緩んでいますノノアまで顔が緩んでいます!!!楽しみにしてくれているふたりのためにも美味しい燻製を作りましょう!



さてさて、今回も完成いたしました!

立派なバンガローです!


リビング&キッチン、女部屋、男部屋、ダン先生部屋、女風呂、男風呂です。


外設備は、調理台、竈、燻製窯、外テーブルとベンチですね。


これだけしっかり揃えば一週間ゆったりと過ごせそうです。




ぐ~~~。


「「「…………。」」」


そんな空腹音に周りを見渡してみると、赤面しているマリーは勿論のこと--今回は皆さんお腹すきました顔ですね。


「ひとまず遅いお昼ご飯をとりませんか?」


皆「「「賛成!!」」」


「じゃあ~私がお昼用意するわぁ~!」


「え?ミーサ?」


「じゃあ、俺お茶入れるよ!」


「え?ロイも?私が用意しようかと思いましたのに~。」


「まあまあ、いつもアリィだったから今は任せてよ!」


「そうよぉ~、待っててねぇ~。」


うーん。まあ、そう言ってくださるのですから有り難くお願いいたしましょう。



‘’ピッ!

ミーサも縮小魔法でハムを持ってきていたようです。


‘’ピッ!

風魔法の応用でフワッと浮かせたハムをスライス。


‘’ピッ!

そしていくつかのハーブも同様に粉砕&ミックス。


いただいたパンに挟んで--完成なようです。


「おいしそ~!!」


「ハーブのハムサンド?」


「ええそうよぉ~。召し上がれぇ~。ハーブはお店からいただいてきたから美味しいわよぉ~!」



「じゃあ、俺も。」


‘’ピッ!

呼び出し魔法でガラスのティーセットを取り出した。


‘’ピッ!‘’ピッ!

ケトルにお湯を沸かして--茶葉に注ぐ。


‘’ピッ!

氷をそれぞれのグラスに用意して--お茶を注ぐ。


「出来たぞ。アイスティーだ。」


「良い香りですね。何の茶葉ですか?」


「アールグレイだ。アイスティーにピッタリだからな。」


「まだ少し暑い時期ですからね。冷たい飲み物は嬉しいですわ。」


「それにしてもロイは良く知ってたな。アールグレイの茶葉を良く飲むのか?」


「ああ。俺の好きな茶葉だ。」


『ふふ。ロイの好きな物なのですね。覚えておきましょ!ふふふ。』


「どうした?」


「いいえ!嬉。」



それから皆さんで仲良くお昼をいただきました。

ミーサが作ってくださったハーブハムサンドはサッパリしているのに食べ応えもあってとても美味しかったです。


そしてロイのアイスティー!

紅茶の香りがとても良くて絶品でした!



「……しかし、全員が魔法鍛錬した成果がでていて今回の移動やバンガロー作り早かったなぁ!」


「まあ、やり残したものもありましたがね。」


「浮遊魔法や呼び出し魔法といった、属性魔法以外をやってみる余裕がなかったですわ。」


「そうだな。まだまだ試してみたいこともあったからな。」


「……またやりましょう。」


「そうねぇ~。続けたいわぁ~。」


「俺も!」


「私もだ!」


ふふふ。新しいことが出来るようになるのはやはり嬉しいですものね。




「ところで、今日はこの後どうしますか?」


「軽くこの周りを探索して、ついでに食材探しでもしましょうか?」


ルーイ様の案に皆で乗っかりました。



木のある場所にバンガローを建てましたので周囲は木に囲まれています。ですので他の生徒は恐らく、ぱっと見私達の事は良く見えないでしょう。


そして意外にもそんな場所に建てたお陰が周囲にはキノコや兎さんがおりましたので、有り難くいただくことにしました。


ええ、勿論探索魔法は使いましたよ!ノノアに広範囲探索していただいても数匹しかおりませんでしたからね。


バンガローを建てたちょうど反対側まで行けば渓流があるようですしお魚もいるのでしょう。


そして、いつもながらこのおふたりには感謝です。


ミーサが香草を見つけてくれましたのです!美味しいお夕食になりそうですね。


さらに、カミーユの謎の探知能力がまた発動したのです!


「俺も何で気になったのかわかんないんだよね~。」


との事でしたが、見つけてくれたのです!


今回は、栗とやまぶどうです!


「甘味!!!」


「カミーユ~ありがとう~!!!」


栗はふかしましょう!

やまぶどうは少しだけ食べて残りは朝食用にジャムにしちゃいましょう!



♪~♪~♪~



果物に気分が良くなったままに…………気づいたら夕食を仕上げてしまいました。


「……アリィ。」


「やっぱり。」


「これですわね。」


という皆さんの声は聞こえていないアリィでした。


♪~♪~♪~


いつの間にか転がっていたダン先生を起こしてきてさあ、晩餐です。


皆「「「いただきま~す。」」」





---------------


先輩方気になる。


各クラスで宿泊の準備を始めて数時間後。


一人一人のテント、寝袋、焚き火など、通常のキャンプのように準備を終えた2年生達。

一息ついて休憩してながらふと見回すと2年生はほぼ準備を終えたようで、今もまだ準備を整えている1年生をのんびりと見ています。


すると--何かに気づいた2年生達。


「何か今年の1年生、落ち着いてないか?」


「ああ。野営もキャンプ旅行で一度していたとしても、もっと慌てたりするだろうに……。」


確かに今目の前にいる1年生は速くはないにしても慌てることなく準備をしています。


中にはやたらと団結しているクラスもありました。全員で何やら同時に魔法を使い、焚き火や竈を準備しています。


「どうしたんだ?しかもなぜこんなに楽しそうにしているんだ?」


疑問符が飛びまくる2年生達。


「いや!待て待て。ひとクラスだけ慌ててるぞ!」


「何クラスだ?」


「どうせCクラスだろ?」


「…………え?あの担任がいるって事は、……Aクラス?」


2年生達「「「………………。」」」


「何かがおかしい?」


2年生達「「「かも?!」」」



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