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キャビン



皆「「「着いたー!!!」」」


「「着いたー!」じゃない!ギリギリじゃねーか!」


只今11:45。

ニシール平原集合場所、ラフレイン王国野営宿地--入り口。


そのまま目の前に整列し始めていた、魔法学園生の元へ足早に歩いています。


「いやいや、ちゃんと10分前行動だぞ!」


「いや、普通もっと余裕を持って着くだろ?」


「普通ってなんですの?」


「お前達またそう言うことを言うのか?」


「だってぇ~、まだ始まってませんよぉ~。」


「ギリギリな、……だから心配だったんだよ。」


「まあまあ、間に合ったのですから良いではないですか。」


「先生方も今いらっしゃったところですし。」


「……セーフ。」


「そうそう!」


喋っているうちに集合場所へ着いたようですよ。


「さ!ダン先生着きましたよ!」


「はぁ。俺校長達のとこにとりあえず行くからな~!」


ドタドタと全生徒の列に合流したSクラス。

いつものごとく自分達以外を全く見ていないので、自分達の到着から慌ただしくやってきた今の様子をかなり見られていた事に全然気づいていませんでした。


「校長、お疲れ様です。遅くなりまして申し訳ございません。」


「まあ良いぞ、ダン!」


「はあ、すみません。」


「ははは。時間には間にあったんだ気にするな!それより、なんだか慌ただしく来たからお前も疲れたのか?」


「いや~。そうじゃなくてですね~…………。」


先生方とダン先生。


一方。


「なんだあいつら?ギリギリじゃないか!たるんでるな!」


「あれか?8人だし、アイツ等Sクラスか?」


「うわ~。嫌ねぇ、特例クラスだからって余裕綽々でのんびり来るなんて。」


そんな上級生達からの睨みや声は、当たり前のように聞こえていない安定のSクラス。


「慌ただしかったですからね。喉が渇きましたわ。」


「そうねぇ、ピア。」


「暑いくらいだね。」


「ふふ。まだ少し時間がありますし、凍らせた果実水なんていかがですか?」


皆「「「いただきます。」」」


ルーイ様が、縮小魔法で持ってきていた果実水と細長い棒をを取り出しました。

細長い棒に果実水を足らすと氷ついて即席アイスを作ってくださいました。


「最近コレにはまってましてね。」


「ああ。美味そうだな。」


皆「「「美味しいー!」」」



それを少し離れたところからバッチリ見ていた上級生。


「いや……だから何なんだよ、あの一年生達。今度は何か食べてるぞ。」


「ちょっと自由過ぎない?」



……自由は時々反感を買うらしいです。




そんな上級生には聞こえない先生方の集まり。


「はあ?今朝だと?」


先生方は揃って目を丸くしていました。たった今聞かされた、Sクラスが今朝出発して、今到着した話をにわかに信じられずにいたのです。


「……はぁ。またか?!」と自分にしか聞こえない声で小さく呟きダンをじーーっと見る校長……。


それに対して、アイコンタクトで「またなの~!あは♪」と応えるダン。


そのキャハ☆と聞こえてきそうな若い女子風のノリのダンに少し呆れた顔になった校長でしたがなんとか持ち直したようです。


「まあ、いい。とりあえず時間になりましたので始めますよ。」



※※※※※


そう。

----遡ることおよそ4時間前。----


早朝。

ルモンド商会集合で出発してきました。

何故か?!と申しますと理由はある物をお借りするためです。

前日に一度集まりまして、行く方法は決めてありましたからね。




「今から出て間に合うのか~?」


ダン先生です。


皆「「「おはようございます!」」」


「大丈夫だと思いますよ。」


「ルモンドさん、無理言ってすみません。お借りしますわね。」


「ああ。それは構わないのだが、本当にキャビンだけで良いのかね?」


「ええ。ありがとうございます!」


「は?!馬車のキャビンだけ?馬は?」


「馬は必要ないですから!」


「いや~。私も息子から聞いた時は耳を疑いましたが……きっと馬よりもずいぶん早く着くでしょうな~!」


「は?馬より早く?……まあ、そうでなければ確かに間に合わないんだが~……。」


『実際他のクラスや校長は昨日の朝までには遅くても出発しているからな。むしろほぼ一昨日と言う時間に出発したクラスもあるらしいのに……。』


いろいろと思うことはあるようですが……それよりもまずは出発しないとですね。ダン先生もそう思ったようです。


「まあわかったが、早く出発した方がいいんじゃないか?!」


「それはそうねぇ~。」


「……行きましょう。」


「親父!ありがとう!!」


「ああ。気をつけてな!」



さあ、準備ですね!



皆さん一斉に自分の担当の魔法を発動します。


‘’ピッ!

このキャビン自体の【強化】、車輪、車軸に至るまで全ての部品や外装を強くします。

こちらはアリィ、ロイで魔法を込めます。キャビンは以外と大きいですからね。15人乗り用をお借かりしましたから!


‘’ピッ!

カミーユ指示の下、ピア、ルーイ様と御者の変わりになるハンドルを車軸と連動するように願いを込めます。…………が、高度過ぎましたかね?

一度目は定着出来なかったので、作業を終えたロイとアリィで魔力を注いで上乗せし、【連動】を成功させました。

これで、運転がハンドルで出来ます。


‘’ピッ!

そしてマリーを中心に、ミーサとノノアでテーブルと足りない分のベンチを、これまたいただいた廃材に【かまいたち】適度な長さに切り分け、マリーが小さい木の破片を矢尻にする要領で打ち込んで、木と木を固定して仕上げていきます。

これでゆったり過ごせますね。


進むには風魔法で車輪を軸に風を回し続ければいいのです!



と言うわけで、キャビンと言う大きな魔法道具ができました。



「さあさあ!皆さんいきますよ~!」


「行ってきまーす。」


「あ……ああ。いってらっしゃい。」


あっという間の出来事に、フリーズしたままのルモンドさんに見送られて出発しました。




カタカタカタカタ……。

キャビンが走ります。


「……そう言えばアリィこの前学園の図書館へ行った時に、青色の炎について調べましたよ。」


「まあ!ありがとう!」


「……しかし何故だか最近、マデラさんが図書館に良くいるんですよね……。」


あらら。久しぶりに御名前を聞きましたわ。


「図書館に?!……大変失礼な事だとは思いますが、似合わないですね。」


「……ええ。いつも彼だけ浮いています。」


「でしょうね。まあ、マデラ様の話は置いておきましょう。」


ちょっと、と言うか極力あの方とは関わりたくないですからね。現れると毎回必ず気分が悪くなる事を言ってきますからね。



「……どうやら、炎は高温になると白い炎になるのですが、さらに高温に、なると青色になるそうです。」


「ってえ?青色の方が高温なのですか?」


「……そのようですね。」


「ひぇ~!!!」


そうでしたか。……とすると、ロイの炎より高温……?……ってちょっと怖いですね。どう使えば良いのでしょうか?



「……高温で一気に表面だけを焼いたら、美味しくなる?」


「は?アリィ?料理で使う気?」


「アリィさすがにそれだけ高温ですと一瞬だとしても真っ黒になりますわ。」


ああ。確かにそうですね。


「残念ですわ。良い使い方を思いついたと思いましたのに。」



そんなこんなで、話ながらも車軸に風魔法を巻きつけながら西に向けて爆走して行きます。

時々交代しているのでノンストップで行けますね!


車内では連日行っていた訓練の成果を話して、お互いの魔法のことを報告し合っていました。なにしろ各々自分の魔法訓練に夢中でしたから、それぞれの新しい魔法について知りませんでしたからね。


飴を頂きつつ順番に話しをしまして……もちろん午前中のティータイムも忘れずに来ましたよ?






……って感じで道中快適にお喋りして過ごしてきて----今です。




「ちょっとティータイムを楽しんでいて時間が迫っていたのに気づくのが遅れてしまいましたからね。」


「ちょっと危なかったですわ!」


「大丈夫だよー!ちょっと前には着いたじゃないか!」


「……ちょっとダン先生焦ってましたね。」


「ちょっとねぇ~。校長先生来ていたものねぇ~。」


「もう、ノノアまで!“ちょっと”はもういいんじゃないですか?」


「ははは!ああ、それもそうだな!」


「始まるらしいです。聞きましょう。」



校長先生のお話が始まった。






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