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今の自分達の魔法





すぱーん!!!



皆「「「おはようございます!ダン先生。」」」

ニヤニヤ。


「くっ!今日は先に言われた!」


悔しそうですね、ダン先生。




「……先生これが正解だと思うのですが。」


「う……まあな。」


今朝もいつも通り賑やかなSクラスです。

最近、「「おはようございます!ダン先生!」はい!」が恒例になっていましたからね。


心を入れ替えて先生に敬意を。そして負け続けているのも嫌だなという思いも入りつつ……今日は勝てましたね!



「ところで、合同演習の行き先が決まったぞ~!」


あ!やっと決まったのですね。もう日にちが近づいてきて、当日に行き先を言われるのかと思いましたよ。




どうやら、行き先は西の山岳地帯だそうです。

王都から馬車で丸1日の距離だそうです。キャンプ旅行の時のように整備された道を通るのでほぼほぼ安全な道のりのようですが……。


「あ!今回な、急遽変更になったついでに行きはクラス事で自力で行く事に決まったからそのつもりで!」


皆「「「わかりました。」」」


「……。あっさりしてるな~。」

ぽりぽり。


ダン先生がガックリしながら頭を掻いていますが……。今更なのです。そもそも親睦会も自力で目的地まで行きましたし、今回も皆でどうにかすれば良いだけなのです。


「場所さえ判れば皆でどうにかして行きますよ。」


「そうだよ!着く着く!」


「まあ、そうだとは思うけどな。……なんかこう、お約束な感じで「え~~!焦。」みたいな反応が欲しかったっつーか……。」


「それで、山岳地帯ってどの地域に行くのですか?」


「おお……堂々と俺の言葉を受け流したな。寂しいぞ~!」


そんなオーバーリアクションでオロオロと泣き真似をしているダン先生を見つめる私達の反応は真っ二つです。


『ふふ。面白い先生ですね~。』派のアリィ、ミーサ、カミーユ。


ジト目を向けるロイ、ルーイ様、ピア、マリー、ノノア。


なんて良いますか、この先生は見た目通りおちゃらけた先生ですね。この自由な空気がまた、自由な私達と合うんでしょうね!



「一応な、ちゃんと話しておくぞ。合同演習で行く場所は歴史的なものが多く発掘される地方で遺跡や洞窟、鉱山などがある場所だた。言うなれば本当に山だ。まあ、寝泊まりする土地は山々に囲まれた草原の一角になっている。」


皆「「「……。」」」


「…………。」


「お前達……。「うぉ~~~!ダン先生ちゃんと説明してるー!」って顔をしてるんじゃない!」


「おおー!さすが私達の担任の先生ですね!」


「……以心伝心。」


「自覚もあるんでしょうか?」


「アリィ、さり気なくとどめを刺すな~!」


あらら?ダン先生がうなだれてしまいました。失礼な事を言ってしまいましたか?!あわわわ。フォローしなくては!


「あ!いやいや!ダン先生はいつも転がっていて、ティータイムには起きてきて、また寝てる……と思いきやちゃんと私達の事を見ていてくださってるって事は解っていますよ!!!」


ふん!ちゃんといつもの先生の良いところを言えました!

なかなかなナイスフォローだったはずです!


「……ってあれ?」


ダン先生何故か消えそうなくらいショボーンとなってしまいました。


すると、ロイが私の肩に手をポンと置いてきました。

「はは。アリィ、フォローになってないよ。」


「え?そうでしたか?」


「そうでしたわ。ふふ。」


「そうだな!はは。」


「ふーーん。俺はまたいつも通り転がってるからな!」


ちょっと拗ねたお顔でお庭に出て行きました。




ダン先生について行って、そのままお庭でお茶しながら皆さんと合同演習についてお話する事にしました。


「ミーサ、このハイビスカスティー美味しくなったね!あれから何をブレンドしたの?」


「ふふぅ~!美味しい?良かったわぁ~!林檎とオレンジのドライフルーツにしてみたのぉ~!」


「これは!とても美味しくなりましたね。」


「美味しい!」


ふぅ~。朝からこんなに美味しい飲み物をいただけて幸せですね。



「西か。」


「西には国境があるから物流がいいのですよね。」


「お土産買えるでしょうか。」


「近くの町も見てみたいものですね!」


それぞれが自分の好きなものを考えながら思いを馳せていたのでしすが、そういえば旅行ではないですものね。


「なあ、合同演習って結局何をするんだろうな。」


ロイの言葉で現実に戻ってきましたよ!


「……そうですね。場所しか言えないと言われましたからね。」


「内容は秘密だものねぇ~。」


「だが、おそらく戦う場面はあるような気がしますね。その時に皆がいるのか、別の誰かといるのか、はたまた1人なのかは解りませんが。」


「ああ、そうだな。何か、行く前に戦いに向けて訓練してみるか?」


「最近そう言ったことは全くしていませんでしたからね。良いと思いますわ!」


「そうね。やっといた方が安心だな!」


「そういや俺、ちょっと気になってた事があるんだよね。」


おや?カミーユには何か考えていた事があったようですね。何でしょうか。


「パーティーの時誰に言われたかは覚えてないんだけど、魔法の使い方について、“逆に何が出来ないんだ?”って事を言われたと思うんだ。」


「あ!そんな風な事指摘された気がします。」


すっかり忘れていましたがね……ほほほ。


「それでさ、俺もその事が気になってきたんだよね。確かに詠唱魔法より、いろんな事が可能なのだと思うんだ。だけど、自分でもどんな風なことが出来て、何がしか出来ないのかを明確にした方が、今後の目標も定まるし、練習に身が入るかと思ってさ!」



「「「……。」」」



『うぉ~!真面目な内面のカミーユ参上!』--って言ったら失礼ですよね。悪ふざけが過ぎましたわ。ほほほ。


しかし、確かにカミーユの言うことは最もですね。


当然の事ながら、風・水・火・土・光といった基本の物はみんな出来ます。あとは--。


「氷とかですか?」


「うん!確かに氷は水より難易度が上がるもんな!でも、それだけじゃないんだ。」


カミーユが言うには、魔法を具現化する時の質を変えたり、形状を変化させたりする事はもちろんの事、皆で鍛錬を続けてきて、今ならば、私やロイが普段使っている呼び出し魔法や浮遊魔法が他の皆も練習すれば使えるのでは?という考えが浮かんだ事、そして魔法の同時起動はどうなのか?と思ったそうです。


「同時起動ですか?」


「だってアリィ、ティータイムの準備とか料理の時とか同時起動してるし!」


「え?そうでしたか?」


うんー?そうでしたっけ?あまりにも日常で、慣れすぎている事なので感覚だけで魔法を使っていましたからね。


ですが、そう言われて思い返すと--水をお湯にしようとしながら、焼菓子を呼び出したりしていましたね。

お家での料理では浮遊させながら野菜をカットしたりしていました。


「……なるほどですね。」


同時起動していました。やはり自分の事は意外に知らないものですね。言われるまで気づきませんでした。


同時起動……。……すると、私もひとつ思い浮かんだ事がありました。


「もしかして、ロイの氷って……。」


「ああ、アリィも気づいた?俺も無意識だったらしい。だけど、同時起動って聞くと恐らくは俺がいつも出していた氷も、水を出してすぐさま氷にしていたのかもな。」


「やはり、そうでしたか。」


と、すると私も練習すればすぐに氷を出すということが出来るようになるかもしれませんね。

それは素晴らしいです!



そうしたら私の目標は、一気に氷。と言うような、“魔法の同時起動でいかに短縮できるか?”でしょうかね。


目標が出来るとやる気が沸いてきますね!!

頑張って練習してみましょー!!





「俺光属性魔法練習したいな~。」

ボソボソ。


ロイの声だけは皆さんが自分の魔法向上の為に思案中で全く聞こえていませんでした。



そう、----ダン先生以外。




---------------


ダンの特技。


そう。俺はいつも転がっているダン先生だ。


転がって寝ているだけ--きっと大半がそう思っているはずだ。


しかし、コレでも一応元魔法師団長だ。魔法は結構得意だと思う。

中でも一番得意なのは耳が良いことなんだな~。


今もロイがボソッと「光魔法をやりたいなと。」言っていたが、 やはり俺しか聞こえていないらしい。


それにしても光魔法って……詠唱魔法では一応光魔法の詠唱もあるが、ほぼほぼ起動する事はできない。


「無詠唱魔法の魔法使いでも一握りだぞ。」


若干呆れるダン先生。



どうやら、ロイのやろうとしている事は学生のするレベルを遥かに越えているようです。


----しかしダン先生気づいてください。あなた様が一番得意だと言ったことは魔法とは全く関係ございません。



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