ミーサ先生のお薬講座
「じゃあ~始めるわよぉ~。」
ミーサ先生のお薬講座開始です!
目の前には庭園で育っていた薬草がいろいろ並べられています。
先ずは左側に纏められている薬草達。こちらは、塗り薬系の材料だそうです。
練ると粘り気が出て軟膏の大元になる“粘り草”。
人の身体と親和性のある“結び草”。
傷を治癒する効果のある“塞ぎ草”。
異常回復の効果のある“効き草”。
最後の“効き草”は貴重なもので、草ではなくてお花です。花も茎も黄緑色の花なのか、草なのかわかりづらい棘のあるお花です。
ミーサ曰わく、
「貴重な数の少ない物はぁ~、割とお花なのよぉ~。」
だそうです。
ちなみに、何故貴重なお花がSクラスの庭園で栽培出来ているのかを尋ねたら、
「うふふぅ~。それは、ナ・イ・ショよぉ~と言われました。」
フレイン家の秘密だそうです。
「それならば……承知しました!」
お家の秘密は、大事ですからね!
そして、今度は用意されている右側の薬草達に目を向けます。こちらは、ポーションの材料だそうです。
まずは、軟膏の材料でも用意されていた薬草がひとつ。
人の身体と親和性のある“結び草”。
そして、後は。
服用したものを瞬時に身体全体へ行き渡らせる“流れ草”
体力を回復させる“動け草”
魔力を回復させる“放て草”
お気づきでしょうかとは思いますが。
ネーミングセンスは……え~~~と昔の方が付けたようなので……。……いろいろと意見を申し立てたいところですが変わることはないそうです。
ちなみにやはりと言いますか、“動け草”と“放て草”はお花です。黄色の小さい花びらがぎゅっと沢山集まったような丸いお花。そして、青色の、小さいベルが縦に伸びながら沢山集まったようなお花です。
「お薬作りはぁ~魔法道具を作るのに似ているかもぉ~。」
と言うことで、始まりです!
「軟膏からいこっかぁ~。」
「傷薬はぁ“粘り草”と“結び草”と“塞ぎ草”ねぇ~。」
「本来はぁ~、すり鉢と詠唱魔法があるんだけどぉ~。……。」
皆はいらないよね?って事で、ミーサがやっているやり方で覚えることになりました。
両手に3つの薬草を持ちます。軟膏の場合、“粘り草”が軟膏本体なので、粘り草:結び草:塞ぎ草の割合は、2:1:1なのだそうです。
ミーサの真似をして、やってみます。
‘’ピッ!
薬草を両手の上に乗せて上下に振る。
【細分化】
‘’ピッ!
掌で上下から包み込み、掌にある粉になった薬草と粘っとした薬草をゆっくりと練る動き。
【混合】
‘’ピッ!
そしてそのままさらに【思い】を重ねる。
【処置をした所が癒えますように。】
すると----。
「……出来た?」
何だか粘性のある塊が出来ました。
「これで、良いのでしょうか?」
ミーサが皆さんのをぐるーっと見て回ります。
「う~ん。さすがねぇ~!皆ぁ~。」
「完璧ぃ~!」
とのことでした。
恐らくミーサの教え方や独自のコツが良かったのだと思います。
皆さん難なくできましたし、同じ要領で、異常回復薬もできました。
ちなみに異常回復薬は、粘り草:結び草:効き草の割合は、1.5:1:1でした。
薬草はその植物自体に魔力があるため、作る時の魔法の力の影響は半分程らしいです。それでも両方の力がないことには薬としての効果が出ないのだそうです。
では次はポーションですね。
まずは体力回復のHPポーション
3つの薬草の割合は、結び草:流れ草:動け草を1:1:2だそうです。
瓶とビーカーを用意して、作業開始です!
最初は同じく細かく。
‘’ピッ!
薬草をビーカーの中へ入れて手をかざす。そして--ビーカーを振る。
【細分化】
‘’ピッ!
そして、お水を加えながら指をくるくると動かします。
【混合】
‘’ピッ!
そしてそのまま【思い】を重ねる。
【身体全体へ力が行き渡りますように。】
----一応終わりましたね。
「うんうん~。さすがねぇ~皆ぁ~。」
良いみたいです!
そのままMPポーションも作りました。
結び草:流れ草:放て草を1:1:2で、HPポーションと割合は同じなのだそうです。
飲むタイプの、体内から摂取する異常回復薬も、同じ要領で結び草:流れ草:効き草が、1:1:2で作れました。
一通り作れましたね。
「こんな感じよぉ~。皆はサクッと終わったけどぉ~、本来材料は手で細かくしたり潰したりするのよぉ~。それに、魔法も詠唱で、魔力もかなり消耗するからぁ~普通の人は1日で多くても10個くらいみたいよぉ~。」
「10個?私達今一時間程で全部作りましたが……。」
驚きました!全員すでに6個も作ってしまっています。
「実はぁ~そうなのよぉ~。」
『…………。』
「……無詠唱って便利だな!」
「ああ。もうその一言に尽きるな。」
皆「「「ははははは!」」」
ロイがバッサリと言い放って結論づけてしまいましたが、まあ……その通りですかね。
「ミーサ、今回作ったポーションのランクは低級なのですか?」
「うん~レシピはねぇ~。でもぉ~薬草自体の力が強いからぁ~低級よりも質のいいものになってるわぁ~。」
え?!どゆこと?と一瞬皆さん思案顔になりますが、すぐに思い当たったのでしょう。一斉にハーフアップの男に注目します。
「ああ!カミーユ効果!」
「カミーユ効果ね!」
「……なるほど。」
さすがSクラス庭園の薬草ですね!
「それで、中級以上はどう作るんだ?」
「そこは単純よぉ~!水の量はそのままでぇ~、薬草の量もそこに注ぐ魔力量も、中級は二倍、上級は三倍必要なのよぉ~。」
「……濃度をあげるのですね。」
「ええ。そうゆう事になるわねぇ~。」
そうなのですね。ちなみに最高級ランクのお薬になるとミーサでもさすがに詠唱をして作るそうです。魔力の入れ方がもう一段階難しくなるそうです。
「さあ~、一通り終わったわよぉ~。」
薬自体はできましたね!
しかし、やってみて良く解った事があります。
「やはり味付けなどは考慮されていませんでしたね。」
「どうりで、美味しくないと思いました。」
「でも、最低限飲めないことは無い!という味にはなるんだもんね。」
「不思議よねぇ~。」
「いや、そもそも薬だからな。旨さ重視じゃないだろう。」
う~~ん。ペロリ。
全員味見してみます。
「……だとしてもだな!」
「やはり美味しいものにしましょうか。」
「……ええ。是非。」
ノノアが地味に一番苦手そうでした。
ミーサのおかげで塗り薬や非常事態の異常回復薬は出来ましたし、
そろそろ私達なりの美味しいポーションを考えましょう!
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ノノアは思う。
「……何故、美味しくないと解っていて飲まなければならないのですか?」
「……絶対に反対です。そんな妥協したくはありません。」
以前入学したての講義で、飲んでみた時に思った事です。
そして----今。
『……良かった!美味しいポーション大賛成です!』
「……アリィ、ピア、ありがとうございます。」
ア・ピ「「ノノア?いきなりどうしたのですか?」」
「……いいえ、助かりました。」
少し微笑のノノアと、不思議顔のふたりのちょっとした会話でした。




