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演習準備



「これでよし!」


ガーデンパーティーの時に皆で取った写し絵の額を飾る。

いつでも見れるっていいですね~!思い出って感じがします。


「いや~楽しかった!」


「本当にねぇ~。」


「……ありがとうございました。」


聞くと皆さん楽しんで頂けたようですし、ご家族も同じように楽しく過ごしていただけたようです。


「でも、こうやって改めて見ると自分達がタキシードとか来てるのはやっぱりなんだか面白い感じがするね。」


「……以前皆さんの着ているのを笑いましたが、結局普段と違うって言うのはそれだけで面白いんですね。」


「そぉ~ねぇ~。でもぉ、みぃ~んな素敵だったわよぉ~。」



ははは!

ふふふふふ。



「そうですね。」


「またやりましょう!」


「そうだな。」


「ですわね。」


「ええ。」


それぞれ短く答えただけですが、心より楽しかったと皆さん語っているようなお顔をされていましたね。




スパーーン!と扉が勢い良く開きます。ダン先生が来たのですね。


「アリィ、ガーデンパーティーありがとうな!あの集まりなら毎回出たいところだな。うんうん。あいつ等もいるから楽しいし!」

ニヤリ。


そう言えば……お父様と、ロイのお父様、そしてブロンクス公爵夫妻様はパーティーの終わり頃には少しやつれたような、疲れたお顔をされていたような……。


「もしかして、ロイ……ルーイ様……?」


「ああ、お父様はぐったりしてた……。」


「うちは、おふたりともでしたよ……。」


犠牲者が4人も……ダン先生が楽しかったわけです。



※※※※※


さて、先日1ヶ月後と言われた合同演習ですが、まだどこへ行くか解りません。


どうやら本当にわからないらしく、実は行くはずだった東の海方面への予定を急遽変更する事になったそうです。



「……と言うわけで、行くは行くんだが、詳細は待ってな~!準備でもあるならしておけ~!」


とのことでした。




「準備……ですか。」


「何か要りますか?」


「正直思いつかないのですが。」


場所は変わっていつも通り庭園に出てきています。魔力の鍛練の時間です。


「でもまあ、一週間行くって事を考えると備品くらいあってもいいかもな。」


「備品っていうとぉ~傷薬とか回復薬ぅ~?」


「はいはい!おやつも!」


「いや、たぶんそれは何にも言わなくてもアリィなら用意するよね?」


「ええ、絶対にティータイムは必要ですからね!」


ふん!と気合いを入れて言い放つアリィ。


そんなアリィを皆はじ~っと見る。


皆「「「当たり前です!(わ!)」」」


もう皆さんとのティータイムは日常なのです!それは、皆さんも同じなようで時々珍しいお菓子やら普段とは違う飲み物を作ったりしながら毎日楽しんでおります。


「まあ、それはさておき……薬はいるだろうな。」


「……ええ。一週間のうち、どのくらい休める時間があるのかはわからませんからね。」


「傷薬や異常回復薬を少し、あとはHPポーションとMPポーションはいくつか持ち歩きたいですね。」


「ポーションはいるわねぇ~。」


うんうん。と頷く皆さん。


そうですね、さすがに何をするのかもわからないところへ一週間も行くのですから不測の事態に備えて、回復薬くらいは必要でしょう。


「ですがあれって、…………全然美味しくないでのすよね。」


皆「「「……わかるソレ。」」」


一応魔法学園にいますからね、入学当初の頃、飲んだ時の感覚を知るために授業で試飲した事はあります。

確か、それぞれ回復効果のある薬草などを混ぜ合わせて精製されると書いてあったはずです。


「ポーションはぁ~、三種類の薬草に魔力をそそぎながらつくるのよぉ~。」


この中ではミーサが一番詳しいですね。何たって家業が薬屋ですからね!


「だからといってぇ~青汁みたいにならないのが不思議よねぇ~。魔法の効力なのかなぁ~?」


「……そこはわからないのですか?」


「うぅ~んそこまで気にしてなかったからぁ~。」


あははぁ~。と見た目の大人っぽさとは裏腹に無邪気に笑っています。


「でもさぁ、何でポーションって液状なんだ?」


「そう言えばそうですわね。」


「なんでです?」


「なぜでしょう?」


そうですね。何故液体だけなのでしょう?ビンに入れて持ち歩くのも割れるか心配で面倒なのです。

皆さんと疑問符を飛ばしているとサラッと答える人がひとり。


「……そんなの液体の方が摂取し易いからに決まっているじゃないですか。」


皆「「「……ああ、なるほど。」」」


さすがノノアですね。もっともな事を言われてしまいました。


瞬時に回復薬を飲まなければいけない場面もあり得ますものね。液体の方が流し込めてすぐに飲み込みやすいのは確かです。


「って?ミーサも??!」


よく見たらミーサまで納得していました。


「だってぇ~。私は作るけど飲まないからぁ~。」


確かに。飲む必要がないと言いますか、今まで飲む場面がなかったのですね。

戦いに行く事がある方には馴染みのある物でしょうけれども、今までそういったことは無かったのでしょう。


そう言われると、誰しもがそうですので納得です。


「だからぁ~、あんなに美味しくないなんて思わなかったのよぉ~。」


「「…………。」」


「美味しくないと、気持ちが盛り下がると思いませんか?」


「そうですわね。そもそも液体って合理的なのだとは思いますが……液体でなくてもよくありませんか?」


「そうねぇ~。美味しいに越したことはないわよねぇ~。」


「ミーサはさ、普通のポーションの作り方はわかるんだよな?」


「えぇ。体力回復用のHPポーションとぉ~、魔力回復用のMPポーションとぉ~、中級でも良ければ傷薬と異常回復薬なら作っているわよぉ~。」


「「!!!」」


「……でしたら、作りませんか?私達で。」

にっこり。


「いいですね!ピア!」

にっこり。


「「美味しいポーション!!」」



アリィとピアのテンションが高すぎます。ふたりとも物凄く張り切っていますね。


ええ、先程の“美味しくない”の後に無言になっていた2人はこのおふたりです。『美味しくないものを必要とはいえ飲まなければならないのはなぁ~。』と思っていたのです。

そしてその後の不味いのは嫌よねアピールももちろんこのふたりです。


「どうしたんだ?アリィ?やたらと張り切ってるな!」


「ピアも、どうしましたか?」


ロイとルーイ様がヒートアップしていくふたりに驚いていますね。


「だって!……。」


よりいっそう力が入っていくふたり。皆さんは『何でしょう?』というお顔ですね。


「食べて回復する物がお菓子でしたら、堂々とティータイムが出来ますわ!!!」


「そうです!そしてちょっとはしたないですが、移動しながらでも食べれる物も作れば、美味しいお菓子をポーションとして堂々と食べていられます!!!」



ピアとアリィ以外「「!!!それはすごい……!が、ふたりの圧もすごい!!!」」


皆さんがやや引いているような気もしますが、良いのです。



「でもそしたら、ティータイムを問題なくできるな!」


やはりティータイムか全ての中心ですね☆


「……それに、探索中の移動時間は警戒もしていますので集中力が必要です。」


「だけど、お腹がすいては力も出ないからな!一石二鳥!」


「一石二鳥ぉ~。」



『……果たしてそうなのだろうか?』


という若干の疑問も感じている、今日も転がっているダン先生。


そして、こちらのふたりも思う。


『なんか、ただ単に食べるなら自分達の好みの物を食べたいからってことでいいのか?』


『ああ。恐らく……いや、絶対そうなんだろうな。』


ロイとルーイ様が思わず心で会話してしまうほど、盛り上がった皆のテンションにややついていけてなかったふたり。


なんとか持ち直してふたりも混ざる事にした。


「何か、気合いの入りようが今までの中で一番だな。」


「……ティータイム好きですからね。」


「特にふたりは何よりも大事にしていますものね。」


「お茶菓子ないとわかるとすぐ魔法でどうにかしているから!」


「まあ、それは主にアリィだが。」


チラリとふたりを見ると、もう何を作るか考え始めているらしい。

きゃっきゃきゃきゃと楽しそうです。


「まぁ~、庭園の薬草で材料は足りるからぁ、傷薬とかも合わせて皆で作りましょ~。」


「ああ。そうだな。」


まずはミーサ先生にお薬作りを学びましょう。




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