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イベントのお知らせ



週明けの朝もジワジワと汗ばむ暑さが続いておりましたので、相変わらず麦わら帽子が大活躍です。

どうやらそれは私だけではないようですね。


「おはよう!アリィ!ロイ!」


皆さんもそのまま使ってくださってるようです。

胸がほっこりします。

今日はいつも通り皆さんが合流しながら学園へ向かいます。

ひとり、またひとりと合流する旅になんだかロイの表情が徐々に曇って見えたのは気のせいでしょうか?


朝の街は静かでいて、人それぞれは忙しい。通学、出仕、開店準備などのためですね。ですので他の人を良く見たり気にかけたりするような人は少ないです。


いつもならば。


ですが今日は少し違いました。


ヒソヒソ。

ヒソヒソ。


「あれよ!」

ヒソヒソ。


「あらやだ可愛い。」

ヒソヒソ。


「娘が言っていたのはアレね。」

ヒソヒソ。


「男物も良いじゃないか。」


「あ!バカ!声がでかい!」


「いやでも聞いた方が早くないか?」

ごにょごにょごにょ。




「……何か今日凄く見られてませんか?」


「ですわね。」


そうなのです。何やらこっちを見て皆さんお話されています。えーーっと私達何か悪いことしましたか?



するとその疑問を説いてくれる最初のおひとりがやってきました。

最初のおひとり?そう、最初のおひとりなのです。


「あの!皆さんがかぶってらっしゃるのが麦わら帽子と言うものですか?」


「ええ?そうだけど。」


!!

!!!

その方を皮切りに、人人人!です。


「やはり!では皆さん噂のSクラスのかたですの?」


「噂?はい。Sクラスですが。」


「きゃー!やっぱり。皆さんのおかげで息子達のクラスはキャンプ旅行楽しかったようです。ありがとうございました。」


「いいえ。いいえ。」


「……何のこと?」

「さぁ~?」

「俺ら何かしたか?」

「……解りませんね。」

コソコソ。


「それよりも帽子の事を知りたいですわ!」


どんどんと囲まれてしまい。もう、ギューギューです。



『ひぇー!×8』

誰か……ヘルプ!!!



「あのあの!どちらの帽子ですの?」


『あ!これ答えれば助かる気がします。』


「レ……レーベル・ハットですわ!!」


ピクッ!

ピクピクピク!!


「ありがとうございます~!」

バタバタバタバタ!


予想通り皆さんお店へいかれたようですね。ミーシャのご家族の皆さん……すみませんです!





「はぁ、やっと教室だよ~。」


「つぶされるかと思いましたわ。」


皆さん朝からぐったりです。



「おはよーさんーーー。」


あっ。麦わらぐったり人がひとり追加です。


「アリィ、この帽子人気なのか?」

ボロボロ。


「わかりません。今朝は凄い人数に囲まれて質問責めに合いましたが。」


「ああ。どうやらキャンプから戻ってきて麦わら帽子とは何なんだ?と噂が広がっていたらしい。」


「噂、ですか?」


「ああ。Sクラスがかぶっていた、麦わら帽子がお洒落な上に涼しくて軽いようだと、広まっていた。おまけに貴族や一般人問わずおまえ達がかぶっていたものだから、家柄に関係なく人気がでたようだ。」


「ほ~う。」

ピカリン!


……カミーユ……さすがに食いつきが良いですね。


「確かに品質が良いものな。私も帰宅した時にお父様やお母様に聞かれましたよ。」


「私もぉ~。」


なんだか、皆さんそうだったようで、好評で良かったです。


ですが、しばらくミーシャもミーシャのご家族もお忙しくなってしまいますね。


「しばらくミーシャに会えなそうです。涙。」


「でも、きっとミーシャちゃんのお家商売繁盛でいいんじゃないかな?おそらくこれは大人気商品になるはずだ。」


さすがカミーユです。商売の事が絡むとハキハキしてますね!




「……ミーシャさん……。」



皆「あ!……。」





「そーおだ!アリィ。皆に渡すモノがあったんじゃあなかったか?」


妙なノノアの甘い雰囲気をどうかまっていいかわからなくなったので、ロイが話を無理矢理気味にねじ込んでくれました。


「そそ!そうですの。皆さんにこれを。」


おひとりずつ手渡しします。


「ん?俺も?」


「はい。ダン先生もです。」



それはシアード伯爵家の百合の刻印が入った封書でした。


「ああ。なるほど。」

「あれですわね。」

「そろそろかと思っていた!」

「ふっ。」


理解が早いのは貴族組みですね。


「開けても良いかな?」


「ええ。」



※※※※※


招待状


きらびやかに光り輝くこの季節。夏らしい青々しい緑と共に色とりどりの花が咲き乱れるお庭を眺めながら、皆様とガーデンパーティーを楽しみたく思いまして筆をとりました。

日頃御世話になっております御友人様、そしてその御家族様に是非ともご参加いただきたいと思います。


日にち。○月○日。

時間。11時より。


アリミア・ディ・シアードより。


※※※※※



「えー!週末!」


「……ですね。」


「え~っとぉ。これってぇ。」


たらーん。とお顔に嫌な予感の汗が浮かんでいる3人がこちらを見ます。


貴組「ふふ。ふふふふふふ。」


「「「やられた~!!!」」」




「ふふ。今回はお茶会の様なものですので気軽に楽しんでいただけると思いますよ。」


「ガーデンですと軽装だからいいですわね。」


「アリィの家の庭なら良い木陰があるからな。」


「ああ。助かるな。」


「私のお気に入りの場所ですね。そちらへご用意いたしますわ。」


「って事で皆着るわよねぇ~?!ドレスとタキシードぉ~??」


「「「やばい、乙女モードのマリーに捕まる!(わぁ~!)」」」


「皆さんの御家族分の服もご用意しておきますので来ていただける人数を後日教えてくださいましね。」


「あ!3人の分は私が素敵なものを勝手に用意しておくわぁ~!」


「マリー、ありがとう。当日が楽しみですね!」



『『『うちの親達大丈夫なのだろうか?(かしらぁ?)』』』





「なあ、俺の衣装は?」


とひとり前向きなダン先生。



ふふふ。週末が楽しみです。そして皆さんの御家族様方にもお会いできましすしね。



「ブロンクス公爵家やハノア侯爵家の皆さんをうちへお呼びするのもどうかと思ったのですが。」


「いいえ。シアード伯爵家のお庭は素晴らしいと有名ですから。」


「良く聞こえるように言っていただいてありがとうございます。ちょっと変わっているだけですわ。」


「御世辞ではないですわよ。私もそう聞いておりますわ。確かに他の家とは違うものがあるという事は有名ですが、とても素敵だとも伺っていますわよ。」



「違うもの?」


カミーユ、ミーサ、ノノアが疑問顔ですね。



通常貴族の家の中のことは交流のある家同士でしか内情は知り得ません。ですが、シアード伯爵家のお庭の“あるもの”は貴族の間では有名な……というより、知っていて当然と言う程知れ渡っているのだそうです。

それほどまでに、貴族の家においては珍しいのです。


「ええ。シアード伯爵家の庭には--。」

「マリー。それは行ってからの楽しみで良いんじゃないか?」


「ああ。それそうね!」


「ええー!けちー!」

「……ですね。」

「けちねぇ。」


ははははは。


「うん。でもぉ、ありがとう。実を言うとパーティーとか皆のお家とか興味はあったのぉ~。」


「あの格好は抵抗あるけどね。」


「……緊張するのですが。」



「まあまあ。賑やかになりそうで良いではないか!」

ははは。


なんだかルーイ様はいつも以上に楽しそうですね。


「どうした?ルーイ。」


それに気づいたのでしょう。ロイが尋ねています。


「ああ。だってな~純粋に楽しみなパーティーなんて初めてだからな!」


すると、貴族組みはハッ!として大いに頷いた。皆さんもやはりそうなのですね。



「そうゆうもん?」


カミーユの、言葉には皆合わせたかのように答えました。


「「「「「です!」」」」」



「あら、ピア珍しい。」


「「ですわ。」じゃなくなっていますね。」


「まあ、いいではないですか。そんな時があっても。ふふふ。私だってこの堅苦しい話し方、好きで染み付いた訳ではないですわ!」



※※※※※


その夜帰宅してパーティーのお話をしたカミーユ、ミーサ、ノノアのお家の方々は、石化してしばらく動かなくなったそうです。


※※※※※



背筋はピンと伸び、頭髪を綺麗に整えたシアード伯爵家執事であるリトがお出迎えしております。


「ようこそいらっしゃいました。」


「おはようございます。フレイン家様、キース家様、ルモンド家様方々。お待ちしておりました。」


「アリミアお嬢様とシルク伯爵家マリアナ様がお待ちでございます。」


「こちらへどうぞ。」


シアード伯爵家は豪奢でいかにも凄いでしょ?!という屋敷の造りではない。ただ高価ものを飾るような装飾ではありません。品の良い質の良い物を厳選してある事は確かなのですが、上品かつ優しげな印象で温かみがある内装であり装飾がされているのです。

そこは当主の人柄と、夫人のセンスなのでしょう。




「いらっしゃった時は、外観でしょうか。さすがに大きさに圧倒されていた感じがあったようですが、中に入られてからはリラックスしていただけたようですね。」

リトがこそっと教えてくれました。


「それは、良かったですわ。我が家を気に入っていただけたようですね。」


リトの観察は正しい。


皆様到着時は、

『とうとう来てしまった!』

『場違いにも程がある。』

『帰りたい。』

と感じていた。


だけども、初めて来た貴族の屋敷ですが強い印象ではなく、もてなされていると感じられる何とも暖かな空間に安堵した。


「素敵ぃ~。」

「……。」

「おおー!」


友人の3人ものびのびしてくれていますね。



「ふふ。皆様いらっしゃいませ。」

リトと共にやってきた皆様の前に出て淑女の挨拶をさせていただきます。


「初めまして。アリミア・ディ・シアードでございます。本日は私のわがままを聞いていただきましてありがとうございます。お越しいただきましてとても嬉しいですわ。」


それから、来ていただいた皆様おひとりおひとりと挨拶をさせていただきます。

皆さんの御家族の方もとても良い人達そうです!



では。

「さあ!皆様お支度しましょう!」




-----ー---------


レーベル・ハット。


ドランク・レーベル。

ナーシャ・レーベル。


ミーシャの父の母です。


2人はとても中が良い。

娘が出かけた後にお店のオープン時間までに開店準備し、それが早く終わると従業員達にお茶を淹れて、自分達もふたりでのんびりと話しながら少しの時間を楽しく過ごしている。


今日もちょうどお茶にしようとふたりで椅子に腰かけた。


すると----ガンガンガン!

お店のシャッターが勢い良く叩かれた!


ふたりは顔を見合わせる。


「何でしょう?」


「さあ?とりあえず見てくるよ。」


疑問に思いながらシャッターを上げる。

ガラガラガラガラ……。


「はーい。お店はまだ開く時間じゃないのですがー……。」

「おお!店主!朝早くにすまない!」

「ごめんなさいね!急に押し寄せて!」


「は?え?押し寄せて?」


そこで初めて押し寄せた人の後ろ姿へ目を向ける!

人人人!


「……何これ?」


「ナーシャぁ~!!!!」



「なぁに?ドランク。ってえ?!」



「「……………………。」」



固まって動かなくなったふたり。



何故かそこで娘の友人の声が聞こえた気がした。

『ミーシャのおじ様、おば様。ごめんなさいね!☆』



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