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思い出した後の日常



「アリィ、おはよう。」

にっこり。


「ロイ、おはよう。///。」

に、にこ。


「ん?」


なんだかスッキリとした笑顔のロイ。そして、いろいろと思い出して少し恥ずかしい私。


昨日キャンプから帰ってきた私達。今日はいつも通り学園へ行きます。




実はあの後、いろいろとあったのです。



※※※※※


まずは、キャンプ場ですね。

帰る日の朝になんとキャンプ場のオーナーさんが訪ねてきました。


「あなた方の建てたこの素晴らしいバンガローをそのままにしておいていただけないだろうか。」

とものすごーく深ーく頭を下げて言うのです。


『えー?!即席で建てたコレですか?!』


「しかも、外の設備まで完備で完全なるプライベートスペースが出来上がっている!」


どうやら、寄付して欲しいということでした。


建てたは良いですが、その後の事を全く考えていなかった私達。壊して更地に戻す事は簡単に出来ますが、有効利用していただけると言うのはとても良いことですね!


しかも、

「皆さん方がまたいらっしゃる際は、キャンプ場の使用料金も無償で良いので、そのままバンガローをお使いください。」

との事でした。


オーナー!良い方です!


「私達の別荘が出来ましたね。」

ニヤリ。


そんなこんなで何故かオーナーに手厚く見送っていただき、帰路につきました。



そして、その夜です。


「そう。思い出したのね。」


別荘から戻ったその日に、お父様とお母様とお話していました。


すると、私の記憶がなくなった後のロイの事を教えてくれたのです。


「ロイくん、アリィと大切な約束をしたんだ!って言っていたわ。」


「僕のせいなの!だから、沢山勉強して絶対何とかする!って。それからずっとお前の為になればと何でも努力を重ねたそうだ。」


「自分を責めていた。だから、会えないって言っていましたよ。--そして、今もアリィをすぐ側で守ってくれているわ。」


そう、お父様とお母様に聞かされました。


「私は幸せですね。私を気遣って記憶がなくなったことを秘密にし続けてくれた人達に、私のせいなのにずっと思ってくれていた人までいて。」

にっこり。


「ありがとう!」



※※※※※


--そんなこんなで今なのです。

ロイがあり得ないくらい私を思ってくれていた事を知ってしまって。恥ずかしいのなんのって状態です!


ですので、どういう反応して良いかわかりません。


思えば記憶をなくしていた私もロイのことを大切に思っていました。……大切っていうか、しっかり好きって事ですね。


自分自身の思いにも気づいてしまったのです。


ですが……今更ですよ。今更急に態度は変われません!


スタスタスタスタ。


「待ってアリィ。」


並んで歩く事が、いろいろ思い出したせいでとても恥ずかしくなった私。恥ずかしさから、早足でさっさと学園へ行ってしまおうと思ったのですが手を掴まれて横に並ばれてしまいました。


「今日は少し、ゆっくり歩きたい。」


ロイはとびきり優しい笑顔を向けてくれます。


そんな顔されたら……。///。


「そうですね。」


ロイと並んでゆっくりと歩きます。


「正直ぶつかった時に、再会できてこれ以上ないくらいに嬉しかったんだ。……でも、ずいぶんと会ってなかったから……。だから、魔法の練習を一緒にしたこととか、俺のことも覚えていてくれてとても嬉しかった!」


「うん。」


それから、止まっていた時を埋めるように、いつもより時間をかけて学園へ行きました。



いつも途中で合流するはずのクラスの皆の姿がないほどギリギリに教室に着きました。


「「おはよう!」」


皆「「「おはよう!」」」


もう皆さん勢ぞろいですね。とっくにいますよーという顔をされています。


そして、なぜだかすぐにロイはルーイ様に、私はミーサに確保されてしまいました。


「やあ、ロイ。念願かなってやっと恋人同士か。」

ニヤニヤ。


「ん?いいや。そうだと良いんだがな……。」


少し俯いて複雑そうな顔になりました。


「どうしたというのだ?」


「好きだとも言えていないんだ。」


「はぁ?」


一方でピアに捕まった私。


「アリィ。ふふふ。ついに、ですわね。」


「ふえ?」


「え?とはどう言うことですの?」


「ついにってどうゆう事ですか?」


「……ロイとお付き合いしているのではなくて?」


「ええ~?!?!何のことですか?」


訳が解りません。何ですかこの感じ?ルーイ様とピアが目を合わせて呆れています。


「「はぁ~。こいつらまさか、やっぱりか(ですの)………。」」





そんなこんなでふたりとも捕まっているうちにスパーンと扉を開けて先生がやってきました。


「はーい!ダン先生おはようございます!」


「……………………。」


するとダン先生は、耳に手を当てて、

「はい!」と促す。


「「「はーい!ダン先生おはようございます!」」」


とても満足そうな笑顔になりました。


「……なんか、やっぱりこの担任の先生普通じゃないですわ。」


「朝からダン先生らしいですね。」


まあ、そうですよね。自分でダン先生おはようございます。ですものね。


「変な担任だなー。」


「おーい聞こえてるんだぞー!お前達~!」


和気あいあい。いつものSクラスの朝って感じです。



「…………ねえ、みんな?その前にさ俺に何かかける言葉はないかい?」


カミーユが消えそうな声で訴えていています。


「ああ。わかってるよ。」


「あえて!ってやつだな。」


「気づいていたに決まってるではないですか!」


「……ですよ!」


「当たり前ですわ!」


「カミーユ。やっぱり似合ってい----。」


皆お喋りが過ぎたようです。


待ちきれなかったこの教室の権力者。


「あ?カミーユ髪型変えたんだな?ハーフアップってやつか?ちっとキリッとしてかっこいいと思うぞ!うん。…………はい!これでいいか?!さー俺話すぞー!」


皆「「「……………………。」」」


「ひどい。ダン先生。」

カミーユ涙目です。


カミーユ的には勇気を出してイメージチェンジしてきたので、皆さんに何か言って欲しかったのでしょうね。ちょっと可哀想でした。

覚えていたら後でフォローしましょう。



「今日も自由に研究してもらって構わないんだが、ひとつだけ連絡事項だ!約一ヶ月後にな、全生徒による合同演習がある。詳しい内容はまた後日伝えるが確か日数は丸々一週間だったと思う!」


相変わらずものすごくザックリとした説明です。しかも不明確です。合同演習がどこで何をするものなのか絶対に聞かされていてご存知でしょうが、説明が面倒なのでしょう。


「まあ、おまえ達なら何があっても心配ないだろうさ!ははははは~!」


カミーユ以外皆『『『こんなにやる気なくて話をすぐに終わらせるのなら、カミーユの話のってあげればよかったじゃないか!』』』


石化してヒビが入ってるカミーユを憐れむような目で皆見つめていました。



ん~。そんなこんなで朝の連絡事項が終わりましたので、いつも通りお外です。Sクラスは、大抵教室には居ませんからね!




「全生徒で一週間ですものね。」

よいしょ。よいしょ。


「どこへ何しにいくのかしらぁ~?」

テキパキテキパキ。


「しかし、演習と言うことですから戦闘になりますかね?」

ザクザクザクザク。


「まあ、おそらくな。」

ポンポンポンポン。


「……森ですかね?それとも洞窟みたいなところでしょうか。」

ふわっ。トントン。


「私遺跡とか行ってみたいですわ~。」

ガシャガシャ。


「観光みたいだね!」

シュー。


「ですが、いいですね!冒険してみたいです!」

ピカー。


ふう。合同演習の内容もとっても気になるのでお話ししながらですが、北の戦利品の庭園設備と植え付け完了です!


あ。今の間で作業していたのですよ。


メロン、ラベンダー、椎茸ですね。

ちなみに今回は前回の魔法道具と同様の設備に、気温を下げる【思い】を込めました。


ばっちり完了です!



---------------


カミーユの嘆き。


キャンプから帰ってきた次の日の朝。俺は疲れていたけれどだいぶ早起きをして出かけた。


早朝の教室。

「よっし!誰もいない。」


「♪ー♪ー♪~。」


「おし!こんなもんかな!」


自分で確認して見たがなかなかいい感じだ!


スパーン!勢いよく扉が開く。

ドキドキするカミーユ。


「おはようカミーユ!」

「……おはよう。」

「おはようございます。」

「おはよぉ~。」

「おはようございますですわ。」


「おはよー。お……?」


『ん?!あれ?』


「どうした?疲れてるのか?」


「昨日の今日ですものね。」


「楽しかったわぁ~。」


「……充実していました。」


「皆一緒だったからな!」



「ああ。そうだね!」


『おっかし~なー。』



すると、またスパーンと扉が開いた。


「「おはよう。」」


皆「「「おはよう。」」」


『今度こそ!…………ってあれ?』


『ロイとアリィの話?……まあ、そりゃあそうだ。いろいろあったもんな。』


『でも……え?本当にわかってない?』



すると再度スパーンと扉が開いた!


「はい!ダン先生おはようございます!」


『いや~朝から何言ってるんですかダン先生!!~でも!今度こそ!』



『…………普通に始まった…………。うそ~ん。』


俺ってそんなに薄いのか?存在感ないのか?


『ん~!!!もう待てない!』


「…………ねえ、みんな?その前にさ俺に何かかける言葉はないかい?」


『悲しすぎてもう聞いちゃったよ。トホホ~。』


すると、どうやら通じていたらしい。


「わかってるよ!」


皆!!!心の涙がぶわー!って出てきた!


なーんだ。からかわれていただけか!良かった~。俺そんなもんなのかと思ったよ~。


うう~。喜。



『先生まで!格好いいって!ありが…………へ?』

……ずーーーん。


先生めんどくさそうにぶった切らないで欲しかった……。あんまりだ。


家から張り切ってイメチェンして行くのが恥ずかしかったから、早起きして教室でわざわざセットしたのに……。



そして、アリィが覚えていたらフォローしておきましょう。と思っていたフォローは忘れられた。


『そんな~。』





しかし、女神はいたのだ。


「あれ?カミーユくん?イメチェンしたの?」


「ん?あー。」


やさぐれながら廊下を歩いていたら不意に声をかけられた。元気なく振り返ると、やっと誰に声を掛けられたかに気づく。


「ソアラちゃん!?」


「ふふ。私はその方が格好いいと思いますよ。」


「へ?ありがとう。」


不意に声を掛けられて呆けて返事してしまいました。


「授業があるのでではまた~!」


呆けたまま手を振って去っていくソアラを見続けました。


カミーユは嬉し涙を流しまくっていたのは言うまでもなくです。


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