肉と帽子と……
「お肉と言えば!鶏ですか?鹿ですか?」
「どれも良いですね。」
「兎とかもいそうですね。」
周りの生命力は感じとれていますからね。何を食べたいかの相談中です。
「ですが、捌くのですよね?」
「そこです。食べれるようにしなければなりません。」
どうしましょう?いっそのこと諦めて丸焼き?
「ああ、それなら問題ないぞ。」
「ルーイが出来る。」
「いや、ロイも出来るだろ。」
「ルーイ程綺麗じゃないがな。」
どうやらおふたりは出来るようです。ふぅ~。助かりました。
「何故ルーイ様は上手なのです?」
「ああ。医学の勉強の為にちょっと……。」
「……なる程です。」
皆してあー。ナルホドー。と納得です。本当にこのクラスの皆さんは色々と理解が早いですね!
『ルーイ様、そしてロイも。頼りになります!』
「と言うことで、問題なく肉だね!」
「皆ぁ~後で食べれるように魔法使ってねぇ~。」
「そうだな!特に、アリィ。」
「わかっていますよ~!」
ひぇ~、魔物狩りの時の事を言っているんですね!しかし、大丈夫です。私もしっかりお肉を食べたいですから!
「でわ!森の恵みをいただきすぎないようにそれぞれ対象を申告してから狩りに行くように!」
「「「はーい。」」」
こういう時のまとめ役はルーイ様がピッタリですね。
‘’ピッ!
ド!ド!ド!
水の小さな球がいくつも物凄い勢いで飛んでいきます。
‘’ピッ!
ドス!
小さめに造られた氷柱が突き刺さります。
‘’ピッ!
ザン!
マリーが魔法剣で鶏の首をキレイに落としました。
「今日は燃やしてません!」
「そうですわね!」
もう私達は魔物狩りを経験していますからね。食事のための狩りをする事は容易でした。
「さぁて、そろそろいいのではなくて?」
「ええ。」
「もう十分すぎますね。」
数十分で結構な量のお肉様を手に入れました。
「お腹がすきましたねぇ~。 」
「もどって夕食にしましょう!」
「「賛成~!!」」
その場で次々とルーイ様が捌いていきます。そして最後はロイも加わって捕獲した森の恵み達を綺麗に切り出してくれました。
よく売られているようなお肉の状態にして、あとは森へお返ししました。食物連鎖です。他の生き物さんの恵みになるはずです。
「これで何を食べましょうか?」
「臭みが少しあるでしょうから香草焼きですかね?」
「沢山ありますし、明日用に薫製肉も作りたいです!」
「いいですね!」
ははは。と楽しく話しながらいるとキャンプ場へ着きました。
「Sクラスの皆さーん!」
「ああ。昼間の!」
Cクラスのおふたりです。
「昼間は名前も言わずにすみませんでした。ソアラです。」
「ギールです。」
ソアラちゃんと、ギールくんと言うのですね。
「あの、お借りしていた魔法道具をお返しに来ました。」
「それと、お礼を言いにきました!」
どうやら水の魔法を使うお魚さん追い込み作戦は大成功だったようです!
「他のCクラスのグループとも協力して沢山魚を捕れました!」
「それから、魔法道具を遣わせていただいて……良い物が沢山捕れたんです!!」
「それは良かったですわ!」
ピアが釣竿を受け取る。
「ですので、コレを。良かったら食べてください。」
『これは!!』
「ええー!鰻じゃないですか!!!」
「すごい!」
「……これを釣り竿で?!」
「はい!」
「うわぁ~!ありがとう!」
「いいえ、こちらこそです!」
まさか鰻が釣れるとは!本当にどうなってるんですかね、あの魔法道具。
「でしたら、こちらからもコレを。」
ロイは先程捌いた鶏肉を渡します。
「ええー?!肉?良いのですか?」
「お礼のお礼ですよ!」
皆でにっこにこです!
「あ!ミーシャ!」
「まあ、アリィ。」
Bクラスの中にミーシャがいました!
「ねぇミーシャ、そこのおふたりが麦わら帽子を誉めてくれましたの!」
「まあ本当?それはお礼を言わなくちゃあ!」
パタパタと近づいていて、ソアラちゃんと、ギールくんの手を取ります。
「ありがとう。帽子を誉めてくれて!」
おふたりとも急にミーシャがきたので驚いていますね。
「あれ?あなたも同じ帽子を?」
「ええ。コレはアリィからいただいたのよ。」
「作ってくれたのはミーシャのお家の帽子屋さんですけどね。」
ミーシャも一緒になって作っていてくださった物なので、自分で作ったものを、自分でかぶる感じになってしまっていますけどね。
「麦わら帽子と言うのですね!」
「男物もかっこいいです!」
「父も喜ぶわ!」
ふふ。今度ミーシャのお父様にもお礼を言いに行きましょ。
「それでは!」とおふたりがクラスへ戻っていきました。
「ああ。ギールくん……。」
「ソアラちゃんと言うのか……。」
『!?』
うん?気のせいかしら?
ううん!気のせいではない!と、皆さんが目で訴えています。
やはりお昼の川辺でマリーが女子になっていた気がしたのは気のせいではなかったのですね。
しかも、カミーユまで!
『ちょっとこのおふたりの件はひとます置いておきましょうか。』
『ラジャー!』
そんな無言のやり取りが一瞬ありました。
ひとまず先に動揺を隠せたルーイ様。
「ああ、ミーシャさんも鶏肉いかがですか?」
「ええ!いいのですか?」
「沢山ありますから!」
「ありがとう!じゃあ、変わりにこれを!」
ミーシャからゴロゴロ何かもらいました。
「あらぁ~ジャガイモじゃない!」
ミーサも元通りに戻っていました。
そしてやっと皆衝撃から復活です!
ミーシャからいただいた物は、土に隠れていて判りづらかったですが、ジャガイモです!
「ありがとう!」
「もう一品作れそうですね!」
「アリィ。俺スープが良いな。」
「ええ。いいですよ~!」
「ふふ。おふたりはいつも仲良しですね!」
「はい。」
にっこり。
「ちょっと!アリィ!///。」
あれ?何かダメでしたでしょうか?
「ふふふ。喜んで頂けて良かったです!お肉御馳走様~!」
「またねー!」
とミーシャがクラスに帰って行きました。
「……ああ。ミーシャさん……。」
「…………。」
『『『『『え?!?!?!』』』』』
さすがに、衝撃から立ち直ったばかりの私達には、更なる衝撃は重すぎました。
しかも……ノノア?!?!
さすがにすこーしの間Sクラスは、遠くを見つめる3人と石化した5人全員の意識が遠くへいってしまっていました。
『今は誰のことも触れないでおこう……。』
そう、目配せで決めた5人でした。
※※※※※
まあいろいろとあった今日でしたが、そんなこんなで夕食ですね。
お肉の香草焼きに、鰻の白焼き、ジャガイモはポタージュスープに、ついでにお昼の残りの椎茸を焼いて。
普通に豪華な夕食でした。
「おまえ達だけなんじゃないか?こんなに食材充実しているのは。」
「いいえ、ダン先生。他のクラスもきっと美味しい夕食を食べていますわ。」
ふふふ。と一斉に笑う皆さんをダン先生は、なんだなんだ?と不思議そうに見ていました。
ダン先生はしれっと先生方の所を抜けてきてこのバンガローにいますが、どのクラスにも先生は付き添ってなかったので、完全に自分達の力で自給自足ですからね!
どんな状態なのかはご存知ないのでしょう。
「今日も皆さんと楽しい1日でしたね。」
「ああ。そうだな。…………。」
夕食ももう御馳走様でした--の頃合いでした。
突然に----。
「皆に、お願いがあるんだ。」
---------------
Aクラスは貴族が多い。
料理は出来ないし、してみようと思ったこともない。
「使用人がいるのになぜわざわざする必要が?」
と言う、貴族らしいっちゃらしい貴族。
自給自足というこの旅行。何なんだいったい?!それでも食べ物が無いと辛いので何とかやってみたが、手に入れられた食材も少なすぎる。
「どうしたらいいんだ?」
ちらっと周りを見たらBクラスもCクラスもやたらと美味しそうな物を食べていたぞ。
「どうなってるんだ?」
「私達が一番ひもじい思いをしているというのか?」
「そんなばかなー!」
「なあ、この魚数匹で何か満足できる料理はできないか?」
実はこの数匹の魚達。手に入れたのはAクラスに2人だけの貴族でないおふたり。
『そんな事言ったって魚だけなら焼くだけしかできないだろー!』
『塩すら無いわよ!』
(Aクラスの貴族でないふたりの心の叫び。)
そして……。
「……おなかがすきましたね。」
「……ええ。」




