コーヒーと魚
「おはよ~ございます~。」
うわぁ!朝から皆さんがいます~。
「幸せです~。」
ふっふっふ~ん♪
‘’ピッ!
ケトルを取り出して~。
‘’ピッ!
チャプン!ケトルに水を満たす。
‘’ピッ!
竃に火を入れて~。
‘’ピッ!‘’ピッ!‘’ピッ!‘’ピッ!
フライパン!コーヒーセット!卵にウインナー。
「ふっふっふ~ん。あれ?パンがなかったです!」
「皆さ~んコーヒー入りましたよー。」
う~ん。私の好きなコーヒーの香りですっかり目が覚めましたね!
「……ってあれ?!」
皆さんボーゼンとしているようですがどうしたのでしょうか?
「相変わらず凄いわね。」
「ふふ。パンならありますよ。」
「ありがとうございます、ルーイ様。」
ブロンクス公爵家特製バターロールですね。
「アリィ?目が覚めた?」
「はい。ロイ、おはようございます。」
こうしているといつものロイです。安心しますね。
「……ダン先生は?」
「ふぁあ、おはよう!」
「おはようございます。」
「おわ!もう朝食あるのかよ。キャンプに来てる気がしないな。はは。」
皆そろったので、
「「「いただきます!」」」
気の許せる友人と朝からご飯を食べています。なんて素敵な1日の始まりでしょう!
「美味しいですわ!」
「コーヒーも良い香りですね。」
誉められました。やはり自分の作った物を美味しいと言っていただける事は幸福です。
「なあ!ロイ。」
「ああ。美味いよ。」
「「……。」」
ロイ?
「僕コーヒーが気に入りました。」
「俺も!あんまり飲んだこと無かったけどこのコーヒー好きだな。」
「苦くはないですか?」
「あ。私少し苦いかな。」
「アリィ~私もぉ~。」
「では、おふたりともこちらを試してみてくださいませんか?」
マリーに瓶を渡します。
中身はとろっとした黄金色の液体です。
「本来はミルクだけ入れる飲み方も好きなのですが、これは少し違う飲み物にしてくれるのですよ。」
「ふわぁ~。良い香りぃ~。」
「コレは?」
「はい。私の好きなヘーゼルナッツシロップです。ティースプーン一杯くらいを入れて飲んでみてください。」
おふたりとも、シロップを入れて混ぜ混ぜして一口含みます。
「ん~!美味しい。確かに別物です!」
「こっちの方が好きだわぁ~。」
「お気に召していただけて良かったです。」
にっこり。
「これってどこかで買えるのですか?」
「いいえ。シアード家のお手製ですので。」
ピカーン!カミーユの目が光りました。
これは!商売の話ですか?!
『あわわわ~。』
「なあ、ピア。ロイおかしくないですか?」
「ええ、ルーイ様。最近おかしいとは思っていましたが、絶対変です。」
「いつもならば、アリィ手作りのご飯を朝から食べれるなんて!とか。」
「起きてすぐにアリィと会える!などと。」
「「言っているはずですよね(わ)。」」
コソコソ。
チラリとピアとルーイ様を見ると、ふたりはお話ししながらコーヒーを普通に飲んでいるようですね。良かったです。
「……ですが、キャンプは始まったばかりですしもう少しだけ様子を見ることにしましょうか。」
「ええ。そうですわね。」
コソコソ。
「「「御馳走様でした!」」」
ふ~。のんびりとコーヒーを楽しみながら朝食を頂けて本当に良いですね~!
「今日はどう過ごしますか?」
「やっぱり食料を調達したいですわね。」
「お昼は、どうする?」
「肉?魚?」
「肉は午後探しに行くとして、午前中は川で魚を捕まえるのでどうだろうか。」
皆賛成です!
ピアは親睦会の時の要領で魚釣りを始めました。
ルーイ様、マリーは水魔法で小さい渦を発生させて川に渦潮大発生させています。巻き込まれた魚達は目がぐるぐると回っています。
では私もやりますか!
’ピッ!
それ~!
魚がぴゅーんと飛んで来ます!
「お魚ゲットです!!」
「……アリィ。魚釣りの意味がなくないか?」
「あらロイ?そもそも誰も純粋な魚釣りではないですわ。」
「まあ、それはそっか!」
そう言うと、ロイもアリィと同じ様に浮遊魔法でお魚getしてました!
ザワザワ。
何やらうなだれている集団がいます。
少し離れたお隣の集団です。
「いや、そしたら俺達っていったい……。」
「皆何とか釣竿作りって頑張っていたのに。」
「やばい……馬鹿らしくなってきた。」
「でもさ、向こうに見えるAクラスだって釣竿で粘っているぞ。」
「……。」
「でもこのままじゃ皆で満足に食べられない。」
足元に、やっとこさ釣ったらしきピッチピッチはねてる魚が3匹。
「沢山食べたいわ。」
「おなかが空きましたし。」
「私、聞いてくる!」
「俺も!」
バタバタバタバタ!
「あの~。」
「ん?」
「えーと。」
どなたでしょうか。
「あの、すみません。私達Cクラスの者でして。」
なる程。キャンプ旅行へ一緒に来た他のクラスの方でしたか。
「ええ、初めまして。」
「どうしましたの?」
「どうした?」
「違うクラスの方か?」
と皆集まってきました。
私達の後ろには沢山の魚がビチビチしています。
「私達でも魔法でどうにかお魚がとれないでしょうか?」
「詠唱魔法しか知らないですが、どうにか皆で取りたくて、知恵を貸していただけないでしょうか?」
ほえ?私達頼られています?
「「いいですよ(わよ。)。」」
すぐに、そして同時に返答したのはルーイ様とピアでした。
「魚を分けてくれじゃなくて、教えてくれ、か。なかなかこのキャンプの意義を理解しているな。」
「ええ。そして、生徒同士の交流を求めにきた。校長先生の意図もよく理解していますわね。」
なる程、そう言うキャンプですものね。
『……ええ、ちゃーんと理解していましたもの。解っていましたよ。ほほほ。』
協力する事は良いことです。それはいいのですが、詠唱魔法で何とかするとなると……。
「魚は川の流れに逆らってずっと泳いでいますね。」
「ロイ?」
「だから、流れを止められることは嫌なはずです。」
「ふふ。他の者がいると、徹底してその口調なのだな。ふふふ。」
ルーイ様は楽しそうです。
「今そこは良くないですか?」
ロイはいじられて少し困り顔ですね。ふふ。
するとロイの言葉を受けて少し真面目に考えたルーイ様が、
「流れを止める……!そうだな。それがいいのではないかな。」
「ちょっと待ってくれ!」
今来たCクラスのおふたりに断りを入れ少し待っていただいてます。5人のプチ会議です。
「つまりはこちら側に追い込むって事か?」
「お!マリーも理解が早い!」
「どうゆうことです?」
「つまり、--。」
ロイの作戦は、
川向こうから川の流れに逆らうように魔法をかける。
そして、追い込めるように川下の位置も常に同じ様に魔法をかける。
そうすると、袋小路のようになるわけです。魚は流れが中和されている場所を嫌うはずですから、徐々に向こう岸から小路を狭くするようにすれば、こちらへ追い詰められます。
「ポイントは、川の流れに逆らうようにはするが、流れを中和するだけで良いと言うことです。」
「逆流にしてしまうと、魚はそれに対してまた流れに乗っていってしまいますものね。」
「……と言うことなのだが、いかがかな?」
話は聞いていてもまだ合点がいかないようです。
「そんな魔法使えませんよ。」
「川の流れに逆らうなんて、どんな魔法ですか?」
「「「「「ん?」」」」」
「「ん?って。」」
「いや、詠唱魔法の水の魔法ですよ。」
「ひとりひとり威力が弱くても、人数集まれば川の流れを変えるくらい訳ないと思いますよ。」
「え?」
そうです。私達が前に魔力測定でやったようにひとりの魔法に上乗せする事が出来なかったとしても、水の魔法を大人数で沢山放てば大きな水流になりますからね。
どうやら、理解していただけたようですね。
「ああ。そうですわ!それからこのやり方では同じ魚ばかりが捕れると思いますので、コレをひとつお貸ししますわ。」
「え?」
するとピアは手渡しました。
「釣竿の魔法道具ですわ。」
「魔力を流すと大物釣れるかもですよ。」
おふたりとも驚いていますね。
そうなのです。
ピアは、どこにいたのよ?って言う大きさのお魚さんをあの魔法道具で何匹も釣っていました。
きっと美味しそうなお魚さんが捕れるはずです。
「あの!もうひとつだけ良いですか?」
「はい、何でしょう。」
何か説明不足でしたでしょうか?
「皆さんのかぶっている帽子、今まで見たことのないものですが何なのですか?」
あ!帽子を見てくださっていたのですね。それは嬉しいです。
「ふふ。麦わら帽子よ。」
「麦わら?」
「ええ。とても軽くて涼しい帽子ですよ。」
まじまじと帽子を観察されます。
「とても素敵です!」
「あら、ありがとう。」
ふふ。他の方から見ても良いと言っていただけるととても嬉しいですね。ミーシャにも今度伝えましょう。
「では、失礼しますね。」
「マリー!置いていきますよー!」
「え?!ああ!待って~!」
『……ん?……いやいや。帰りましょう。』
私達はバンガローへ戻ります。
そろそろあちらの皆さんも戻ってくる頃でしょう。
あちらの皆さん事、ミーサ達はこのキャンプ場の森で香草やフルーツを探してくれていました。
「おーいお昼にしよ~。」
「相変わらず皆さん探してくるのが上手ですわね。」
「パセリにタイム、……どこにあったのですか?メロンですよねそれ。」
「はは。群生しているところを見つけてさ。苗も手に入れたよ。」
「私もラベンダー見つけたのぉ。」
「……僕椎茸の苗木いただいてきました。」
「いつの間にか戦利品が沢山。」
皆さんさすが、ちゃっかりしてますね。
「戻ったらまたお庭で育てましょぉ~。」
「今度は温度を低くする設備が必要ですわね。」
「はい!皆でまたやりましょう。」
……と言うことでお昼は魚の香草焼き、椎茸焼き、メロンまでいただきました。
ちなみにメロンは魔法で冷やしていただきましたよ。その方が美味しいですからね!
「う~ん。自然の恵み最高です!御馳走様でした。」
では、午後は森へ行きます!夜はお肉が食べたいです!




