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宿泊準備と噴水



「このキャンプ旅行について話がある!」


全員の前に立ち話し始めた男の方、


「あれって、校長先生?」


ちょいとお待ちくださいませ。なぜ、校長が居られるんですか?!

そんなに簡単に何日も学園を離れていいのですか?


疑問をダン先生に無言で飛ばします。


「校長な、どうしてもキャンプについてきたくて業務を無理やり終わらせて付いてきたらしい。」

ボソボソとダン先生が教えてくれました。


「これじゃあ、気が抜けないじゃないか。」


ちょっと悲しそうですね。



そのどうしても着いてきたかったという校長先生が話を続けています。


「まず、これからすぐに各クラスごとに宿泊出来るように準備をして貰う。」


校長先生が仰るには、

Sクラス、Aクラスはそのままクラスごとで。

また、Bクラス、Cクラスは人数が多いので10人ずつでチームを作ってテントなりを準備するそうです。


「準備ができたら、今日の夕食だけは学園で用意してあるから宿泊の準備が整ったら取りにくるように!」



「それから、この旅行の目的だが、“自給自足”してキャンプを楽しむ事だ。明日から帰路につくまでは自分達で何とかしてくれ!基本はチームだが、滅多にない他クラスとの交流もいいと思うぞ!」何故か校長先生のウインクが飛んできました。


「おえーーー。」

ダン先生が不快そうです。



と言うことで、それぞれクラスごと、チームごとに分かれたようです。


さて、宿泊できるようにしなければなりませんね!

って言っても何から始めたら良いのでしょうか。


「ダン先生、この何もないキャンプ場……何かを建てたとしても問題はないですか?」


「ああ?いいんじゃないか!?」


『今建てるって言ったか?』

「……?何をする気だ?」


満面の笑みのルーイ様。

「快適なキャンプ生活ですよ。」


「それから、もうひとつ確認なのですが、周りの木などは使っても良いですか?」


「まあ、元々自給自足生活って事で森の資源の使用許可は取ってあるからな。いいぞ!」


不可解な顔をしているダン先生の横でSクラス緊急会議です。


「たぶん、誰もテントなんて持ってきていないだろう?」


「まあ他のクラスの数人はテントを、頑張って大きい荷物で持ってきたようですね。」


周りを見てみると、チーム全員が入るには小さそうですがテントを建て始めてるようです。

準備がいいですね~!


「キャンプ準備をしてくださいとは言われていても、特には何もしませんでしたわ。このメンバーなら何でもできると思っていましたから。」


にかっ!と茶目っ気たっぷりなピアは可愛いです!


「たぶん、皆そうだな。」


ふふふ~。ははは~。




「で、どんなのにしようか?」


「それなら、バンガローを建てないか?ちょっとテントだとこの人数不便だろ?」


「快適に過ごしたいですしね。」


「リビングと寝室は男部屋・女部屋のふたつで、あとはリビングに置くテーブルと椅子でいいだろうか?」


「……そうですね。」


「あとはぁ、外に調理する台と竃が欲しいわねぇ~。」


「ついでにいつものサンシェードも出しましょう。」


さすがです!皆さん!誰一人テントと言い出す人はいません。むしろここでもどうにかして住みやすいものを建ててしまおうと考えています。


「……おまえ達。まさか……。」



「では!作業開始といこうか!」


ルーイ様の合図でスタートです!



「では、外設備はカミーユとノノアに任せていいですか?」


「任された!」

「……わかりました。」


竃は土魔法ですし、カミーユですね。形などは、ノノアが記憶してそうですしお任せできますね。


「では、切り出しは風魔法と魔法剣で私とミーサ、マリーかな。浮遊しての組立はロイとアリィ、木材の穴あけはピアだな。」



「一気にやるか!」


「「「「おー!」」」」


‘’ピッ!‘’ピッ!‘’ピッ!

ザン!ザン!ザン!


‘’ピッ!

ふわ~。


‘’ピッ!

しゅぱ!


どんどん魔法を使います。


そしてどんどん丸太ができては浮き上がり、穴が開けられます。

穴に横から別の丸太が突き刺さり、どんどんと積み上がります。そうしているうちに壁も組み上がりました。


そんな調子でどんどんと出来ていきます。


どんどん!



もうダン先生はサンシェードの下でいつも通り転がっていますね。

さすが順応性がすばらしいです!




そんなこんなで、完成です!!


いや~。皆さんと一緒に何かをすると素晴らしいものができますね!

う~ん。立派です!雨風防げそうです。


とても、即席で建てたとは思えない仕上がりですね!



カミーユとノノアも良さそうなものを作ってくれました!


「……完璧な竃です!」


「ついでに薪も用意しておいたよ~!」


おお!とても使いやすそうですね。


「さっすが~!」


「これで整ったな!」


「では、夕食をいただきに行こうか!」


「そうですね。」





「……ところで、カミーユ?」


「ん?なんだい?」


皆さんも気づいていたようです。

私も気になっていました。


「……失礼致します!!」


私はお渡しした麦わら帽子をさっと持ち上げます。


カミーユ以外皆「「「……………………。」」」


「ってわぁ!そうだった!」


ちょーーーん。


カミーユの目にかかるうるさい感じの長~い前髪が結われていたのです。

それも上に髪が立ち上がり、噴水のようになっています。


「……。」


「なんか、おでこ見えるな~と思っていたら。」


「わ~!!やっちゃった!俺考え事したりすると、無意識に邪魔な髪を縛っちゃうんだよー!」


両手を量頬に当て、プルプルしています。……何かの叫びにのようですね。



「かわいいですわよ。」

「お似合いです!」

「変じゃないわよぉ~。」

「良いと思う!」



「あれ?以外に好評?」



「前髪ない方がウザさがなくていいな。」

「噴水はちょっとどうかと思うがな。」

「……ハーフアップとか?」



「まさかの男ウケもいいのか?」



馬鹿にされると思っていたのでしょうか。思ったより反応が良かったのでカミーユが困惑してますね。



「そうか。……俺、イメチェンするかもしれない。」



カミーユ以外皆「「「……うん!」」」

『『『本当にこの人は、中身素直で真面目ですね。』』』


皆さん手鏡を取り出して自分を見ているカミーユを見守って、満面の笑みでした。



---------------


校長先生の疑問。


「なあ、ダン先生を知らないか?」


ここは先生方の宿泊用テント。ダン先生の姿が先程から見えないそうです。


「ダン先生なら自分の分の夕食を持ってどこかへ行っちゃいましたよ~。」


「どうせ自分の生徒の所だろう?」


他のクラス担任の先生が嫉妬が混じったように話します。


「ん?私達の所で寝泊まりしないのか?」


校長先生は何故ダン先生が生徒の所へ行ったのか疑問に思っています。


「校長先生、Sクラスが宿にするために建てたもの見ましたか?」


「いや。見ていない。」


校長先生は先生方のテントを建てたり、生徒達が夕食をいつ取りに来ても良いように準備をしていたのです。


「あれはもはやただのバンガローです。」


「ただの立派な生活住居です。」


「すごいですよ。」


『え?そうなの?』

「そんな!言いすぎだろ~!ははは!」


「いえ、見れば解ると思いますよ。」






「なんだこれー!?」


後から見に行った校長は驚愕したそうです。


「あれ?しかも夕食一番に取り来ていなかったか?」



「…………。」



そして、外のベンチで横たわって酒を飲んでいるダン先生を羨ましそうに見ていたそうです。



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