キャンプがあると聞いたから
「アルバーノ・ディ・ブラックだ。」
昨日魔物の回収に来てくださったギルド長ですね。
「皆~アルって呼べよー。俺の友人だ!」
「まあ、旧友だな。」
昨日の今日でして、研究はお休みしてギルドに来ています。
ギルド“ネーロ”。
王都内に3つあるギルドのうちのひとつです。
このラフレイン王国では、ギルドは商売の一種です。但し、国との繋がりも自然と出てくるためギルドの設立許可証は元王宮勤めの実力のある者にしか与えないそうです。
ここのギルド長であられるアルさんは、元騎士団長だったそうで……確かに筋肉質で強そうな方ですね。
「そんな冷たく言うなよ~。持ちつ持たれつでずっとやってきたじゃないか~!」
「なーにが、持ちつ持たれつだ!お前の尻拭いはいつも俺だ!いつもサボりやがって!お前が魔法師団長の時の俺の仕事量凄かったんだからな。」
うぬぬぬぬ。
あれー?喧嘩するほど仲がいいと言うやつですか?
って、それよりも。
「ダン先生?魔法師団長だったのですか?」
「あれ?言わなかったか?」
「聞いてないです!」
「ああ。前魔法師団長だ!」
「じゃあ、俺の父は。」
「ああ。バルバドだろ?俺の後任だ。」
いや~ダン先生実は凄い方でした。
「まあ、俺の話は置いといてだな。」
うー!!まだまだ気になりますが、アルさんをお待たせしてしまいますものね。
「今日はギルドへの登録を皆さんしていただけると聞きました。その後に魔物を換金したお金をお渡しさせていただきます。」
「昨日はありがとうございました。」
「そうです。急にお願いしてしまい、申し訳ございませんでした。」
「気にするな!こちらもあんなに沢山の魔物は久しぶりだったから驚いたが、素材に沢山出来たからな。ありがとうよ!」
おおー。ダン先生の友人と思えないくらい普通にまともな人ですね!
「それで、登録なのだがこれだ。」
チェーンに石がぶら下がっています。ブレスレットよりは--長いでしょうか?
「これへの登録は一度切りだ。やり直しは効きかない。」
どうやら虚偽が出来ないような魔法が込められている特別なもののようです。
※※※※※
ギルド登録証。
これには名前、年齢、魔力量などが入るそうです。
それから、ギルドからの仕事を受注して達成したり、魔物討伐後の素材の売買記録等記録されていくそうです。
ギルド登録証のランクは、
初めましてギルドへ来ましたは、Eランクです。
そこからだんだんと上がっていって普通はAランクまでです。
Sランクは国からの推薦状で昇級するそうです。つまりは国公認です。
※※※※※
それぞれに石が配られます。
「かの者を知り、かの者を証明してみせよ。……サーチ!」
アルさんが詠唱すると魔法が発動しました。
この石は詠唱とセットなのですね。
すると--パァー!!!
石に刻まれたようです。
情報が見たい時は、少し魔力を流すだけで見れるそうです。
「ん?最初はEランクじゃなかったのですか?」
「いえいえ皆さんもう討伐もされましたし、何よりもあの量でしたのでDランクからになりました。」
ええー。そんな事があるんですね。ありがとうございますと言うことで良いでしょうか。
「あーとそれから、これが報酬だ。」
「ありがとうございます…………こんなにですか?」
「?正当な額ですよ。」
「こんなになるのか?」
「これは!」
いや~なかなか多いですよ。しばらく好きなものを自由に買えそうですね。
ん?貴族とは言えうちに関しては、
「自分で稼いでいるわけではないのですから、お小遣い制ですわよ。」
と言うことなのです。
「やりました!初めて自分て稼いだお金です!!」
「本当だ。」
「ですわ。」
「そう言えば、そうだな。」
「です!」
貴族組みは皆さん初めてですね。自分で手に入れたお金なんて。素晴らしいですね。
「……僕家の手伝いしていますし。」
「私も薬作ってるわよぉ~。」
「俺も荷運びとかならしてるからな。」
「「「一体何歳から家業に関わっていたのだろう(だろうぉ。)。」」」
「なぁなぁアル、俺の分はー?」
「あれらは全て生徒達で倒したのだろう?なら、お前の分は無いに決まっている!」
「え~。そんな~。」
臨時収入無かったー。ってそんなに落ちこまなくても!
「今回そこまでレアな物は無かったが、何分大量だったのでな。また時々でも、よろしく頼むよ。」
そう言うと、アルさんは忙しそうに仕事へ戻っていきました。
気づくとお昼をとっくに過ぎた時間になっておりました。
これから学園へ戻るのでしょうか?
おなかが空きましたね。
「ああ!そうだ!再来週キャンプ行くぞー!」
「キャンプですのー?!」
ピアが輝いています。
「今回はただの行事だ。学年全員で行くキャンプ旅行となっている。」
「おでかけですわね。」
もう皆ワクワクが始まっています。
「ダン先生、場所はどちらへ行くのですか?」
「北の山の方にあるキャンプ場だな。」
「北の山?」
「ああ確か、フィランの森の近くだ。」
「フィランの森の近く?」
「どうしました?ロイ。」
「……いや、昔行ったことがあるなと思っただけだ。」
「そうですか。」
ところで、キャンプですね。
準備なんてたいしたことはしないですが、この時期はとても暑いですしアレだけは欲しいところですね。
う~ん。手持ちの物ですと暑いです……!せっかくお金を稼いだのです。ここは新調しましょう!
「あ~それから、今日は中途半端な時間だからこれで解散とする!俺も校長へギルドへ登録したことを報告してくるから、この後は自由にしてくれ!」
と仰ってダン先生は去っていきました。
続いて皆さんもそれぞれ「またね!」とご帰宅していきますね。
「ロイ。お腹が空きました。どこかで何か食べませんか?」
「……ああ。そうだな。」
それからロイとカフェへ行き、とろけた卵のオムレツとパンそして、新鮮野菜のサラダ付の食事をいただきました。
最後にとてもおいしいコーヒーをいただいております。
「ロイとまた一緒にいるようになって、このように過ごせてとても楽しいです。」
「俺もだよ、アリィ。」
「本当にありがとう!」
ふぅ~。とても美味しくてよい時間を過ごしました。
?ロイにじーっと見られています。きっとロイも美味しかったって事ですね。
「ああ。……ごめんアリィ。少し寄るところが出来たから、今日はここで失礼してもいいかな。」
「ええ。それはかわまないけれど、ごめんなさい食事につきあわせてしまって。」
「それは、俺もお腹が空いていたからいいんだよ。」
ふふっと笑ってくれました。
ロイと別れると、いよいよちょっとお暇です。
「あ!先程思いついたことを早速実行すれば良いではないですか!」
るっるる~ん♪
楽しみすぎて、浮きそうです!
※※※※※
「お帰りミーシャ!」
「あれ?アリィ?!」
「お邪魔していますわ。」
学園から帰ってきたミーシャに驚かれましたね。
私はレーベルハットに居ます。あの後ロイと別れてその足で来ていたのです。
「アリィちゃんこの素材かな?ほれ!」
私の手にひとつの帽子が渡されます。
「おじ様ありがとうございます!」
異国で海の警備兵の制帽として使われていたらしいそれは、乾燥させた天然草を使って編んであるらしい。
頭頂部が平で、つばが小さい、そんな帽子。
「素材は簡素に見えるけど、これなら蒸れにくいと思うよ。」
なるほど。
アリィはキャンプ旅行と聞いて、帽子を新調しようと思いました。
日差しが強い中長時間外にいるであろうと予想したからです。
ただ、手持ちの帽子は布地です、長時間かぶるには重たいのです。
ミーシャのおうちの方々とはもう顔見知りでしたので逸る気持ちを抑えられず、ミーシャに言う前に勝手に来てしまいました。
「父さん!それは普段かぶるような帽子じゃないわ!ましてやアリィは貴族よ。」
「あら、ミーシャ。私がお願いしたのよ。キャンプ旅行へ持って行く物が欲しくてね。この素材なら良さそうだわ。」
この素材涼しそうです。それにとても軽い。
「おじ様コレにしますわ。デザインは、つばを大きくして…………。山は…………。後は、飾りはまた少しずつ選びますわ。」
想像していた事をおじ様へお伝えしましたが、こんな面倒な注文の物を作って頂けるのでしょうか。
「どうでしょう。」
「ああ。初めてだから少し長めに時間が欲しい。ギリギリ間に合うくらいだと思うが、いいかな?」
やりました!どうやら作って頂けるようです。ああ。とても嬉しいです!
「ええ!ありがとうございます!」
う~ん。どの様に仕上がりますでしょうか。今からとても楽しみです。
にんまりと思わず微笑みをこぼしながら帰宅しました。
変な子に見られたのは言うまでもなくです。




