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お庭とあいつ



私達の作った魔法道具を他人へ渡さないように気をつけることと、むやみに他人に公言しないようにと、ダン先生から言われました。


皆さんそうゆう所の理解は早いので、

「はーい。」

とお返事しておきました。


私達としては、自由に好きなことをさせていただいてるだけで有り難い限りですからね。



「ところでぇ~。今日は皆に私達のお庭に来てもらいたいのよぉ~。」


「何々?どうかしたの?」


「何か問題があった?」


お庭の作業してから約3週間。だいぶ延びてきた頃でしょう。南の植物の成長具合はよくわかりませんが、薬草については大きくなってきているはずです。


「違うのよ。もう成長したの!」


「はい?」


「だからぁ~もう薬草が採れるくらいに成長したのよぉ~!」


「ええー!!!」


早すぎます!

種から育て始めた薬草でしたのに、もう収穫出来るのですか?


これには全員とても驚いています。

それはそうでしょう。通常この倍はかかるのですから。


ひとまずお庭へ行ってみましょう。

ぞろぞろといつも通りにお喋りしながら歩いて向かいます。




「ちょっと先に行っててくれないか?」


?ロイ、どうしたのでしょうか。


「なぁにぃ~どうしたのぉ~?」


「ちょっと忘れ物~!」


「そうですか。では、先にいってますね。」


「ああ。」


「……私もついて行こう。」


「は?」


「まあまあ。」


いつも通りロイとルーイ様はじゃれながら何処かへ行ってしまいました。


※※※※※


「……で。」

「またいるのか?」


「……はぁ。そうなんだよ。もう何度目だ?」


「私が聞く限りは今日で4度目だと思うが。」


「そうか。はぁ……めんどくせ~。」


「まあ、お前に用事なだけまだ良いではないか。」


ははは。と、ルーイ様は楽しんでます。


「おい。つけるのももうやめてくれ。」


げっそりとした声で言います。


「なぜいつもわかるんだ!――まあ良い!今日もアリミアのために勝負しろ!」


ババーーーン!

「どうも!ニコラルド・ディ・マデラだ。ラルドって呼んでね!」


「お前……ひとりで決めポーズして、ひとりでブツブツ言ってるといよいよ本格的にやばいやつだぞ。」


気持ち悪い奴だな。


「今日こそは、お前に勝つ!」


「いや、もうやめとけよ。」


「俺は考えた!何故!あんなに可愛いアリィに次々とあんな事を言われたのか。」


ああ、ミーシャの時と夜会の事かな。


「お前だ!ロイヤード・ディ・オルビン!」


「何がだよ。」


「お前にたぶらかされているんだ!だから、俺が勝ってアリミアと引き離す!」


「…………俺と、アリィを引き離すって?」


「ああ。そういったんだよ!――――流れる水よ。集い、馳せろ!イケ!」


「学園内でやるかねぇしかし。」


もう、呆れています。


「仕方ない。もうこれ以上来るなよ。面倒だから――な!」


‘’ピ!

両手で向かってくる水を受け止める。

こねこねこねこね。

水の球体を――――。


「返すわ!」


「は?」


――――マデラの上から球体の水が降ってくる!


「はぁーー???」


‘’ピ!

パキパキパキパキ。

スポーーーーン!



「……しばらく反省しろ!じゃーな!」


「ははは。こりゃあ。他の生徒に喜ばれそうだ。――ぷっ。良かったな、ニコラルド。」


「ま!まて!」


「あ!一応身体は冷えないようにしてあるから安心しろ。もう、来るなよー!」


はぁー終わった終わった。と、ロイは面倒疲れと言う感じですね。




やっと皆の所へ戻るようです。


「はは。ロイ、あれはないだろ!まるで氷の雪だるまだ!ははは。」


はい。残されニコラルド・ディ・マデラは顔だけ出てる巨大な氷付けの雪だるまに姿を変えていました。


「だって毎回しつこいんだよ!」


「はは。しかも、アリィは知らないんだろ?」


「ああ。」


「今日も愛してるねぇ~!」

ニヤニヤ。


※※※※※


「ローイー!」

ロイ達が見えたので手を振ってみました。


「ロイ?…………じぃ~~~~。…………ありがとうございます。」

ニッコリ。


「へ?何で?」


「何ででしょう?」

本当に何ででしょうか。何となく言葉が出てきていました。


「なんとなく、そんな感じがしたようです。」


「はは。なんだよそれ!」


「それに、ロイなら忘れ物はすぐに出せますからね。」


「あ。……ふふ。」


なんだかロイが嬉しそうにしてくださったので、不思議ですが「ありがとう」で合っている気がしたのです。



「ふふ。良かったな、ロイ。」


「……ああ。」


「?なんですの?」


「いや。」


「皆の所へいきましょうか。」




戻ると皆でもう調べ始めていたようです。



「何かねぇ~、先に皆と調べていたらどうやらこのお庭だけ育成が早くて育った植物の質も高いみたいなのぉ~。」


ふたりが来る前に他の場所に生えていた薬草と比べたりしていました。特別なものを植えたわけではなかったのですが、育った結果、質がとても高いのです。


「この薬草なら、ポーションとか解毒剤を作ったときにより良い物が出来そうねぇ。」


「……でも、本当に何が起きたのでしょう。」


「植えた薬草は普通の種だったはずよね。」


「そうでしたね。時々与えていた水はただの水でしたし。」


「他に何かあるとしたら、土だろうか?」


「ただの空き地を耕して植えましたわよね。」


「加えた土は普通だったぞ。」


「あぁ。でも確か耕してくれたのってぇ~。」



皆でカミーユを見ます。



「俺だね。」



カミーユと言えば、親睦会の時に確か……急に熟れた果物を持ってきてくださって、その時に何か言っていましたわね……。


「……確か、土系の魔法が扱いやすいと。土に魔力を与えて食べ頃にしたって……。」


「アリィ。よく覚えてたねぇ~。そうなんだ!あれは自分の意志でやってたんだけど――――これは、無意識でやっちゃったかな?楽しかったもんね~!はは!」




皆『はは!って。カミーユさりなげなく凄い事してるよ……

。』




「凄いわね。」

「土に魔力が混ざっているって事か。」

「そりゃ確かに良い栄養だな。」

「……早く育ったのも納得です。」


「これは、この薬草だけでなくて後から植えた植物も期待できそうですね。」


サンシェードの下を見ると、

ハイビスカスは蕾を沢山付け始め、サボテンは少し大きくなったような気がします。

紅芋は土の中なので見えませんが、地上の葉は蔓がよく伸び青々としています。

そして、私のコーヒーの木も元気に根を降ろせたようですね。




――――――――――――――――――



氷の雪だるまマデラくん。


「誰かー!出してくれ~!」


あの後、ひとりでは身動きとれずにいたのだが、恥ずかしさを押し殺して助けを求めることにしたのだ。


「あ!ラルド。どうしたんだ?授業の途中でいなくなったと思ったら。」


どうやらAクラスの生徒のようですね。


「何で氷付けなの?」


「またSクラスに迷惑かけてたのですか?」


「もう諦めた方がいいのにねー。」




「そんな事より早く助けてくれ!」


「じぃ~~~。」



なんだかAクラスの生徒は氷雪だるまを見て何やら考えています。



「なんだよ。」



「これ、いいな!」


「こんなデカい氷なかなか無いもんな。」


「今日暑いし、コレ持って行ってかき氷にしようぜ!」


「いいですわね。」


「では、早速。」




「「「風よ我が身に。唸って、踊れ!イケ!」」」

シュシュシュシュシュー!!


「うわー!」


パキンパキンパキン!



「ふう。」


「ラルド~ありがとう!じゃ!俺ら食堂に急ぐから~。」


「おい!待て!」


「溶ける~!!」


たたたたたー。

Aクラスの皆さんは急いで行ってしましました。


「待ってくれ!……まだ埋まってるんだ!」



その後に通りかかったミーシャが、笑いながら事の顛末を教えてくれました。


ダン先生が散々笑い飛ばしてから助けたそうです。







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