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魔法道具に込めた思い


「いや~。先日の皆の貴族っぷり凄かったなー!」

ニヤニヤ。

「……格好良かったですよ。」

ニヤニヤ。

「えぇ。素敵なお嬢様でしたねぇ~。」

ニヤニヤ。


「あ……ありがとう。」


しかし、皆さん笑いすぎですね。

ええ。笑いすぎです。

貴族組で円陣です。

プチ会議です。



「絶対次はこの方々も巻き込みたいのですが。」


「どうにかなりませんかね。」


「正式な社交の場は難しいが、お茶会ならいいのではないか?」


「ならばどなたかのお家で、家族も巻き込んでSクラスのお茶会をしましょう。」


「いいな!それ!」


「ええ。」


『絶対同じ様な格好させてやる!(していただきますわ!)』


貴族組でひとつ催しが決定いたしました。




「ところでマリー、良い出会いがありまして?」


「……なかったわ。」


何だかマリーさんちょっと落ち込んでいます。


「ごめんね、マリーの貴重な時間を奪ってしまったわ。」


私のごたごたに巻き込んでしまいましたからね。申し訳なかったです。


「違いますの。来てくださる方々がおじ様ばかりでして……。おじ様キラーなのかしら?」

ブツブツ……。


えーーーと。


「きっと……次はお若い方と良い出会いがありますわ!ほほほ。」




ところで、

「あの。皆さん、昨日はありがとうございました。助けて頂いて、そして、駆けつけていただいて本当にありがとうございました。」


昨日きちんと言えていませんでしたから伝えておきたかったのです。


ニコッと。

「いーよ。気にしないで。」


皆さんそろってそう言ってくださいまして、お優しい方々です。




「ところで、魔法道具ちゃんと起動したわね。」


「ですが、あれは何でしたのでしょう。顔が頭の中に浮かびました。」


「意思疎通……?いや。意識の共有といった感じか?」


「そんな魔法誰が込めたんだ?」


「しかも、アリィお酒に酔っていたのに、急に酔いが冷めていましたわよね。」


「だよな。それも謎だ。」


なんだかいろいろと不思議な魔法道具になっているようですね。

皆さんそれぞれ自分の手首につけたみさんをじーっとみています。



「あのー。私が言い出したことでしたが、どんな魔法をそれぞれ込めたのか教えあいませんか?」


「え?もういいの?」


「いえ。なんだか、内緒にしておくより、今回の不思議な感じが何故起きたのかの方が気になってしまいまして。」

申し訳ないけども、気になるっ!と言う顔をしていますね。


「どうする?」


「いいんじゃないか?私も気になっていたからな。」


「ええ。」


「そうしましょうかぁ~。」


それからは、自分が魔力を込めたときの気持ちや思いをそれぞれ話してくれました。すると――。



ひとまず、効果のわかりやすい魔法が4つわかりました。



ミーサの毒物から守って、という薬に精通しているミーサらしい思い。【毒物除去】「除去ですから、飲んでしまった後にはなりますけどねぇ。」


ノノアの魔法から守って欲しい。【魔法防御】「コレは絶対にいるやつです。」とノノアは言っていました。


マリーの剣から守りたい。【物理攻撃防御】「これも必須です。」と、皆さんは違うことを考えて忘れそうだと思ったそうです。


カミーユのは少し意外でした。守る。「……いやぁ~危険な時って、捕まって縛られるイメージがあってさ!」と、【拘束解除】のようです。


恐らくかけた魔法のイメージが縄などで縛られて捕らえられるような様子でしたので、私はあの時手を捕まえられていましたが、発動しなかったのですね。

『ふむ。』




そして、謎なものがあと半分程。

皆さん本当に御守りのように願いを込めたそうです。



ロイは、「最高の仲間だな。ずっと共に。」と。


ピアは、「困った時は思い出して。」と。


ルーイ様は、「元気でいて欲しい。」と。


そして私は、「いつまでも皆といる幸せが続きますように。」と。


「……とても謎ですね。」

それぞれどんな作用があるか想像できません。


ですが――――。


「もしかして、あの時の顔が浮かんだと皆さんが仰っていたのは、ピアの込めてくださった魔法でしょうか?」


「困った時は思い出して――か。」


皆さんの込めたことを思い返します。


「確かに。一番可能性が高いな。」


「ああ。」




「ピアの思いはとても優しいですね。」


皆さんから注目されたのか、くすぐったそうですね。


「そんな!事はございませんわ!私はただ、皆さんといるのがとても楽しいと思っていますから。///……その、皆さんに何かあって欲しくないのです。」


『きゅーん。』

ピアが可愛すぎます。

これは、ツンデレと言うやつでしょうか。素直に言い切れない強い言葉が愛らしいですね。

そう思ったのは私だけではなかったようです。


ニマニマニマニマ。


「アリィ、ロイ、ミーサ、カミーユ~ルーイ様まで!」


「このお話も新しく書かなくては。」


「いや~。ピアの可愛さに合うドレス何にしようかしら~(←ん?!)」


『何やらおかしな発言が聞こえてきたような……?』



「まあ、真面目に話すとピアのかけた魔法は共有する事なんだろうな。」


「今回の場合は、困っていた仲間とその対象――といったところか?」


「ひとまずそう言うことにしておきましょうか。」


ひとつは大体の立証が済みましたね。



「では、お酒については何だったのでしょうか?」


あの時お酒を飲んで、フラフラしていて当然力も入らなかったというのに、急に意識がスッキリとして脱力感がとれました。

そのおかげで抱き寄せられずに済んだのですが――。


「あれ?」



そういえば、もう一人魔法を込めていましたよね。



「……………………ダン先生?ちなみに、どんな魔法にしたんです?」


一斉に皆がダン先生を見ます。


静かに目を開けてまだ眠たそうにしています。



「俺かぁ?良い酒飲めよって。」




「ああ。」


「…………。」


――――謎が解けました。




「今回は助かりましたが、先生適当にやりましたね?」


「ダメだったか?」

ニヤリと笑ってますし。




「いえ、結果オーライです。」




――――――――――――――――――

ダンは思う。報告。


「失礼致します。」


「おう、なんだ?ダン先生?」


「校長。うちのクラスについてご報告がございます。」


「ん?何だ?」


「これまでの経過はいろいろとご報告させて頂いておりましたが、今回は先日完成した魔法道具についてなのです。」


「ああ。先日の夜会で、あの魔法道具はなんだ?と最上位の魔法師団員が騒いでいたあれか?」


ギクッ!ダン先生はヤバい!という顔をしています。


「ダンよ。…………遅くないかい?なーぜもっと早~く言わなかった?」


「痛い痛い痛い!すみません先輩!」


はい。校長はダンの先輩です。

ちなみに、ダン先生のさらに前任の魔法師団長が、校長先生です。


「それは一体なんなのだ?気づいた奴らには広めないように言っておいたぞ。」


「あれは――――。」




「何?複数の魔法が込められている魔法道具?!しかもまだ何かわからないけど魔法が込められていると?」


「はい。」


「いや~。発想力が素晴らしいな。これからも楽しみだ!――――だが、他人に渡ることのないようにと、今はむやみに広げないように伝えておいてくれ。これは国からの通達でもある。」



「わかりました。」



「まあ、起動出来る者もそう多くはないと思うけどな。」


「ええ。恐らくは。」




ん~。俺ざっくりした報告しかしてないから報告忘れありそうだな~。


…………あ!


しばらくしたらまとまるだろうし、あいつに協力してもらおう。


ふ、ふ、ふ~♪


ダン先生は世渡り上手です。


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