魔法道具を作ってみよう
少し短めです。
「と!言うわけで、魔法防御?」
「でもそしたら剣とかナイフとかを防げないぞ。」
「う~ん。何にしようか?」
魔法道具には、【思い】を器(つまりは道具)に定着させるものです。
今回は、試しに魔法道具を造ってみたいですね。と言う安直な感じで始まりましたので、完全に見切り発車になっております。
明確に欲しい道具があってそれに向けて作り始めた訳ではないので、どんな効果を道具に保たそうかが定まりません。
ですが、
「今回は身を守るものっていうことでいいのかな?」
「まあ、最初ですし妥当な気がしますね。」
「変な奴も時々出るしな。」
「そういうことでしたら、まずは何に魔力を込めるか決めた方が宜しいのではなくて?」
確かにビアの言う通りです。
身を守るものなら肌に直接触れている物が良いでしょう。そして、常に身につけられるようなものですね。
「アクセサリー……になるか?」
「そうですね。」
「ですが、普段でも公式の場でもおかしくないようなものが良いですわね。」
「そうすると候補は、髪飾り、イヤリング、ネックレス、指輪、ブレスレット、アンクレットかしらぁ~?」
「髪飾りは止めてくれ!」
「あらぁ~。恥ずかしいのぉ~?」
「当たり前だ!」
男性陣が猛反対ですね。まあ、そうでしょうね。
「指輪も剣を使う時に邪魔になる。」
「イヤリングは落としやすいですね。」
「ネックレスですとパーティーの時は違う物を着けますし。」
「ではブレスレットか、アンクレットにしましょう。」
と、全員一致で決まりました。
道具は決まりました。あとはどのような魔法を器へのせるかですね。
「急な攻撃とは、やはり魔法だろう。」
「いや、剣やナイフじゃないか?」
「皆を一番守ってくれそうなものー。」
「うーん……。」
皆さんそれぞれが、みんながもしもの時に役立つものを思案中です。そんな様子を見ていると……。
「ふふ。御守り……。」
「へ?」
思わず口に出ていたようです。
ロイが隣から見てきます。
「いえ。皆さんが皆さんに向けて、それぞれの安全を願っていらっしゃるので……御守り作りのようかと。」
ふふ。
皆さんを見ていると笑顔になります。
「ああ。そうだな。ん……?」
あれ?ロイが黙ってしまいました。
「どうしました?」
「いや。思い浮かんだ物があってな。」
「思い浮かんだ物……ですか?」
「ああ。えーと。…………何て名前だったかな。ルーイ!」
皆さんと魔法道具について考えていたルーイ様を呼びます。
「悪い!急に呼んで。」
「いや。なんだ?」
「ちょっと名前を思い出せない物があってな。昔ルーイの家で聞いたことがあったと思ったんだが…………あれ、どこかの国の御守りのような意味のある――――組み紐の…………。」
「…………組み紐……。」
すると少し記憶を辿っていたルーイ様が、
「ああ!ミサンガだったかな。それがどうかしたか?」
「ああ!ミサンガだ!」
ロイ、思い出せてすっきりとした顔してますね。
ふふ。かわいいです。
「いや、アリィがな。皆が討論している光景を見て、お互いの安全を願う物――――御守りを作っているようだと言ってな。」
「ほう。」
ふたりして私を見てきます。
「「それ、いいな!」」
「あとは素材さえ良ければパーティーなどでもつけていられそうだな。」
「「……。」」
「「おーーーい!」」
ふたりはあっという間に皆さんにお話して――――皆さんの表情をみる限り、決定したようです。
『そんなにポンッと決まっていいでしょうか?まあ…………いいのですね♪』
「素材はいかがしますの?」
「絹糸?それとも革紐?」
ミサンガとは、細い紐状の物を組んで一つの物にします。装飾をつける物もあるそうですが、今回はシンプルに編み込む物にすることになりました。
ですが、パーティー等でも身につけていておかしくないものと言うと素材が良いものではないといけません。
「あの。様々なお色の絹糸はいかがでしょうか。ただし、最高ランクの。」
マリーは思い当たる物が浮かんだようですね。
「マリー?最高ランクの絹糸はそんなに何かが違うのですか?」
素材のことはよくわかりませんからね。
「ええ。最高ランクの絹糸は数がとても少ないですが、透き通るように光って見えるのです~。光沢感も品が良くて宜しいのではないかと思います~。悦。」
あ。
さすが被服好きさんですね。
一瞬で乙女さんになってます。
「素材は良いとして……色んな色というのは?」
「デザイン的に?ほほほほほ笑。」
ええ。うん。デザインも大事ですからね。
「いろんな色ねぇ~。」
「ピア?」
すると、ピアの顔がニマニマしてます。
何か思いついたようですね。
「それならば~。糸にそれぞれが思いを込めてみる?」
「……えーと。……はい?」
ピアが言っていることを理解出来ません。
ニマニマしながらピアが続けます。
「ですから~!ひとりひとりが一色ずつ違う絹糸に思いを込めるのです。そして、それを組み上げてミサンガにするのですわ!」
「!それって。」
「何個もの思いが一つになる魔法道具ってことですか?」
「そうよ!」
「でもそうしたらその分、それなりの魔力量も必要……なのはこのクラスなら問題ないか!」
まあ、そう高度ではない魔法道具の複数起動ならSクラスなら問題ありません。
「ふふふ。こうゆうの試してみたかったのですよ。」
「……研究っぽいですね。」
「ふふ!ノノア良いこと言いましたわね!」
「では、そうしてみるか?」
「楽しそうだしな。」
「そうそう!楽しいついでに、それぞれのどんな思いを込めたかは秘密にして作りましょう~。」
こうゆう事は皆さん好きですね。
「オッケー!」
と軽く返事していました。
ちなみに高級ランクの絹糸はマリーの御婆様が被服店を営んでいる伝で手にはいるそうです。
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ダンは思う。
「複数の【思い】がこもっている魔法道具。それって……。」
「まあ、上手くできないだろうからいいか!」
「寝よう。」
今日もダン先生は転がってよく寝ています。
制作は次回に続きます。




