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貴族の皆さんお仕事です

校庭作業の次の日です。


「ん~!昨日はいい仕事したー!」

と、カミーユ。


「皆には感謝しているわぁ~。」

と、ミーサ。


「結果が楽しみですね。」

と、ノノア。



「……で、お前ら何なんだ?今日は魔法道具造るんだろ?」

と、ダン先生。






「…………。」


他に何も言わない皆に変わって、


「お仕事なのですよ。」

と、ルーイ様。


他全員はまだまだ変わらずものすごく静かです。


ものすごーく沈んでいるアリィとピア。

そして、同様に沈んでいる上に様子もおかしいロイ。




「あーえーーーとぉ。ピア?」


「ええ……。」


「昨日はありがとぉ。あの供給魔法道具。3日に1回くらい魔力を補給すれば良かったかしら?」


ミーサがとりあえず話かけてみているようです。


そして、一応反応は帰ってくるようです。


「ええ。それで大丈夫ですわ。補給する時は…………貯蓄される魔力が……水のように溜まるように……してくださいね……。」


ピアが喋っているとは思えないくらい暗い声です。


「あ……ありがとぉ。」


ちょっと不気味に感じたのでしょう。

ミーサがたじろいでいます。



そんな空気の中、全くいつもどうりのノノア。


「……しかし、補給した魔力が水型で、一滴ずつ落ちていくように作られてあったなんて。素晴らしいです。……これもまた本に追加せねば。」


いつも控えめで大人しいノノアの声は少し聞きづらいくらいに小さいですが、今はとても大きく聞こえます。



「俺らの庭園の魔法道具は気づいた人が順番に補給すればいいね。Sクラスならみんなそのくらい訳ないし。」



※※※※※


昨日ピアが最後につけてくれた自作の魔法道具は、ポタポタと魔力の雫がしたたるように設計されています。

それがサンシェードへ染み込み魔力が供給され続けるしくみです。

逆三角の形をしたそれは、中身が水型の魔力が込められていますが砂時計に似ています。

満タンで3日間持つようですね。


※※※※※



いつまでもこのままと言うわけにはいかないのでダン先生が切り込みす。


「それで?仕事ってなんだ?」



「私の家……つまりブロンクス公爵家からの封書が届いたのだろう。」


封書がどうしたの?というミーサの表情を読み取ったルーイ様は続けます。


「――――夜会ですよ。」

にっこり。



ああ!とダン先生は納得しましたが。3人はまだ疑問符が飛んでいます。



すると、

「夜会は……いろいろ厄介でな。挨拶回り。ダンス…………何より――――作り笑顔!!!!」


ロイがげっそりして続けます。


「なんで興味も無い女や、裏で面倒な事考えているような連中にまで笑顔を振りまかなきゃならない!あー!めんどくさい!!」


もはや少し怒っています。



「私は参列者のお顔を記憶する事が苦手でして。しかし、失礼があってはいけませんから毎回気が抜けません。」


はぁ。


そして、今度はピアです。


「何より今回はブロンクス公爵家主催ですから。断るなんて以ての外ですし!」


「はは。皆そう言うな。今回は同世代を多く招待している。いつもより空気が若いはずだ。」


それは助かりますが……。


「一応成人したので、お父様やお母様のおまけって訳にもいかなくなってきましたし。」


「ひとりでいくか、どなたかといくか……そういう問題もでてきますわね。」


私はピアとどんどん沈んでいきます。ここラフレイン王国では成人すると家宛ではなく個人宛で招待状が届くのです。


ロイはロイで、

「面倒だが、夜会がある事はルーイから聞いていたというのに……早く誘った方がいいって言われていたのに……どうしよ。」


「?」

何やらボソボソ喋っていて良く聞こえませんが、ロイは少し事情が違うようですね。






いつも転がってるダン先生ですが流石に見かねてか、声を掛けてきます。


「おーーーい。お前ら~それいつだー?それまでずーーーっとこの調子でいるのかー?なかなか辛気臭くてたまったもんじゃないんだがー!?」



「そうだぞおまえ達。あと二週間近くもあるんだからな。――――それより、ひとつ問題が合ってな。」


ルーイ様が申し訳無さそうにこちらを見てきます。


「マデラ伯爵家も来ることになっているのだ。」



「!!」


その声にダン先生以外の全員が反応します。


「マデラ伯爵御夫妻はとても人柄もよく何も問題がないからな。すまない。公爵家の夜会だからあのニコラルドとかいう男もおかしな事はしないと思うのだが。」


一応気をつけておいた方がいい。そうルーイ様は申しているのですね。


「確かに。アイツ自分勝手みたいでしたし用心しておいた方が良いと思いますわ。」


「そうですね。ブロンクス公爵家にもご迷惑になってしまいますし。」


困りました。会場で逃げるわけにもいきませんからね……。

う~ん……。




「あのー!!」


驚きました!急にロイが大きい声出すものですからビックリしたのです!


「アリィ?」


『?』


ロイも復活したのですね。

「何でしょうか?」


「あの!……その夜会!俺と一緒に行ってはくれないか?」


「ほえ?」


……ああ。この流れですからマデラ様から守ってくれようとしてるのでしょうか。

それはとてもありがたいです。ロイならば魔法も強くて、何があっても絶対に勝てますからね。



「よろしくお願いします。」

にっこり。



「……良いのか?」


あれ?ちゃんとしたご挨拶で御返事するべきでしたでしょうか?


「私で宜しければ、喜んで。」


淑女の礼もプラスしてしっかりと御返事してみせます。これで、いかがでしょうか。

もう一度だめ押しでにっこりしてみます。



すると――――――――。

ニッコニコのロイになっていました。

今度は正解だったようです。





「あー。ピアース?」


「はい。先生……。」


「確か成人してパートナーで行くと、お互いに好意があるから一緒に来ているって見られないか?」


「その通りですわ。少なくとも噂はされますわね。婚約まで一気に進む事もございます。」


「「…………絶対気づいてないな(わ。)」」




後ろでその会話を聞いていた3人はもの凄く驚いています。


「いつも一緒に居すぎて忘れていだけど、この人達貴族だったね。」


「……ええ。この貴族さん達がフランクすぎるんですよ。」


「大変なのねぇ~みんなぁ~。」




「ふふふふふ。だから早く誘えと言っていたのに!公開告白みたいではないか。しかも――――真意に気づいてももらえていない!笑。」


ルーイ様が最高だ!とか言っているのは聞こえましたが。そこ以外はよく聞こえませんでしたね。



あれ?私最近耳遠いのかしら。嫌だわ~まだ15歳ですのに~。




「そう言えば……マリーは?」


マリーの声こそさっきから全くしません。

どうしたのかと思って見てみると、


「当日は何着ようかしら?むしろ新しく作りましょうか?きゃー!」

と珍しく学園で乙女モードです。


他と様子が違いすぎるマリーにダン先生が不思議に思ったのでしょう。


「お前は楽しみなのか?」


すると、

「だって!大事な婚活の場ですから!」


と嬉しそうでした。


おおー!凄く前向きな方が居ましたね。




「…………。あのー。そろそろ研究したらどうだ?」


いろいろ触れるのはもういいだろ?と思ったのかダン先生はそう言ってまた横になりました。


そして、

「何か物騒な事も聞こえてきたから、そうゆう魔法道具でも試しに造ったらどうだ?」


と、言って寝てしまわれました。




全員「ああ!それは良いですね!」




――――帰宅後。シアード伯爵家――――


「え?ロイヤードくんに誘ってもらったのですか?」


「まあまあまあまあ!」


「それは、大変!急いでドレスを新調しましょー!」


何だかお母様が大慌てです。


「ヘレン!ティナ!すぐに手配をお願いね!」


「「かしこまりました奥様!」」


「お母様!何も新調しなくても……。」


「何を言ってるのですかアナタは!そんなのダメに決まっているでしょう!」


よくわからないのですが、帰宅早々に怒られました。



――――帰宅後。オルビン侯爵家――――


「まあ!アリミアちゃんをお誘いしたのね?」


「……ええ。」


あまりお母様に突っ込まれると恥ずかしいのだが。



「それで、一緒に行くのね?」


「はい。」


「まあまあ!ではタキシードを新調しましょうね。」


「はい?」


なんだかお母様の方が張り切っています。




――――お母様方の目論見――――


「シアード伯爵家に使者をおねがいできますか?」


「はい。奥様。」


「ふふふ♪」


※※※※※


「奥様オルビン侯爵家より使者がきております。」


「あら。リト?どのようなご用件でしたか。」


「実は……。」



「ふふ♪さすがはリリーね。」


「リト、それでお願い致しますと、使者の方に御返事を。」


「かしこまりました。奥様。」



何やら暗躍しているようです。

エリスとライラックは昔からのお友達なのでした。


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