親睦会の次の日 皆の休暇
「おはようございます。」
「おはようアリィ。」
日課が終わりダイニングに来ると、もう家族が勢揃いしていました。
久しぶりのシアード伯爵家です。
「昨日は随分と楽しそうだったみたいだな。」
お父様は今日もお仕事ですので制服のシャツにベストを着ています。この上にローブを着用するのです。
「はい。海まで行きましたので楽しかったですわ。」
「あらー。海なんて久しく行ってないですわね。ルイ。」
「ああ。エリー今度の休暇に行くのでも良いかもしれないね。」
すると、サンがすごい勢いで言ってきた。
「アリィ姉様ずるいです!僕も海を見たかった。」
むーっとしていますね。
いつもしっかり者なのでオトナになったと思っていましたがまだまだ可愛いところがあります。
「ふふ。お土産がありますよ。」
「え?本当に?」
ニコッとすると。
「ありがとうございます!」
と満面の笑みです。
するとリトが、サンが喜ぶようにと気を利かせてくれたのでしょう。
「サン様。アリィお嬢様がお土産でお持ち帰りになられたのは食材でしたので、晩餐の時に御用意させていただきますので、楽しみになさってくださいませね。」
「ああ!リトよろしく頼む!!」
もうウキウキですね。
『リトありがとうございます。』
目配せすると通じたようです。
流石優秀な執事です。素敵です!
「Sクラス。楽しそうで何よりだ。」
「はい。毎日新鮮で刺激があってとても充実しています。何より魔法が楽しいです。」
本当に皆さん良い方ばかりで、それぞれの魔法も面白いですもの。魔法学園に入学してよかったです。
「それは良かったですね。うふふ。」
「それはそうと私の魔力がロイに次いで学年2位だったのですが、お父様とオルビン侯爵様に教えていただいた事を続けていただけでしたのに。驚きましたわ。」
「ああ。いくら使いたい魔法があっても魔力量が足りないと発動しないですから。普段のアリィを見ていたら魔力が人より強いのはわかっていたさ。」
「ええ。あなたが日課でしている事がとても大事だったのです。毎日する事でしか魔力は増えませんからね。」
『ほう。継続は力なりですかね。』
「それを続けていけば僕もアリィ姉様みたいになれますか?」
お話しに耳を傾けていたサンが聞いてきます。
「ああ。あとはだな、魔力が足りていても想像力が足りてないと、それもダメだな。」
「そうなのですね。姉様みたいになれるように僕も頑張ります。」
「ええ、そうですね。アリィの入学はサンにも良い影響でしたね。」
お母様も嬉しそうです。
「しかし、適性試験の時は何も言わなくて悪かったね。」
『?えーと。』
あのSランクとかの件でしょうか。
「試験結果の時の事ですか?」
「ああ。それもあるのですが、試験から学園を選ぶことについてさ。」
お父様とお母様は 私やサンが自分のやりたいことを見つけられるように幅広くいろんな事を教えて来てくれたようです。
そして、やりたいことが見つかった時にそれに向かう事が出来るようにと、思っていてくださったのだそうです。
シアード家の【何でも自分で出来るように】という家訓はここからだそうです。
「ですから何をするにしてもほとんどは普通より出来ると思いますよ。」
『ん?普通よりできる?……そんな訳ないですね。親心と言うやつですね。』
そんな風に自由に歩んで行けるように考えてくれたおふたりにとても感謝です。
「お父様、お母様。ありがとう。」
おふたりともキョトンとこちらを見てます。急に言ったからでしょうか?
「ふふ。ええ。」
にっこり。
「楽しそうで良かったよ。」
にっこり。
そうして、また昨日の親睦会の事をお話していると声をかけられました。
「失礼いたします。アリィお嬢様。ハノア侯爵家から使者がいらしたようです。」
とリトが告げました。
あら。
『ハノア侯爵家……って恐らくピアですね?』
「ありがとう。でも使者ってどうゆう事でしょう。」
今日明日は休日ですからね。何かあったのでしょうか。
「はい。ハノア侯爵家次女ピアース・ディ・ハノア様からお茶会のお誘いのようです。」
「お茶会?!」
「えーと。使者の方がいらしたって事は急よね。」
「はい。急で申し訳ないのですが、本日の午後にいかがかと申しておりました。」
本当に急でした!しかしピアからのお誘いならば喜んで伺います。
「わかったわ。喜んで伺いますとお返事お願いできますか。」
「かしこまりました。」
リトが去っていきました。
「あら。お茶会なんて久しぶりではなくて?お友達と仲がよくて何よりだわ。」
とお母様も嬉しそうです。
そうと決まれば支度をしませんとね!
『休日って感じですね!』
ふふふ~。とご機嫌でお支度です。
※※※アリィのお茶会準備中※※※
~その頃の皆さん~
☆ロイ&ルーイ様(ブロンクス公爵家)
「いやあ、昨日の必死なお前と来たら!ふふふふふ。」
今日もルーイ様が楽しそうです。
「お前俺で遊ぶために呼んだのか?」
今日もロイがいじられているようです。
「そんなにアリィの水着姿を私達に見せたくなかったのか?」
意地悪に聞くと、
「そうだよ!」
とちょっとからかわれて怒っています。
「それにしてもやっと思い出してもらったとはいえ、幼なじみから昇格するのはいつになる事やら。」
「俺は!……覚えていてくれただけでも幸せだ。///。」
『おやおや。』
「アリィは鈍そうですからね。誰かに奪われる前にちゃんと伝えた方が良いですよ。」
「わかってる!少しずつ伝えているつもりなんだが……。」
ちょっと悲しそうなロイになってしまいました。
「では誘ってみてはどうだ?」
「何にだ?」
「それは……。」
『!!』
「アリィと行きたい!」
ロイ復活です。輝いています。
「早めが良いと思うぞ。」
密かにニヤっとしたルーイ様には気付いてないようです。
「ああ。そうだな。」
何やらアリィを誘うことにしたようです。
☆ノノア(自宅)
何やら執筆中です。
いつもと同じように穏やかなノノアですが、
「ふふふふふ。」
何やら少し思案しながらも楽しそうに笑っているようですが、考えながらだからか笑い方がちょっと不気味です。
「どうする?コメディっぽく?それとも教本のように堅めにするか?」
「でも理論とかはわかりやすい方がいいか……。」
「物語にするか?そうしたら内容ごとに章で区切れて挿し絵とか説明文入れてもおかしくないはずだから……。」
どうやらノノアの本作りが始まったようです。
☆カミーユ(実家の商会)
「おい!昨日南の海に行ったんだって?」
「父ちゃん!そうなんだ!すげー楽しかった。」
そう言われて昨日のみんなの水着姿を思い出す。(水着ですか?!カミーユなのでそこです!)
女性陣はみんな腰はくびれて細い上に出るとこは出ていてすごくスタイルがよくて目のやり場に困った。
普段仲が良いだけに忘れがちだがみんなやはり美人だな。
そして、男性陣もみんな細身なのに体つきはよく何故かノノアまでも鍛えられた筋肉があり格好良かった!
(ちなみにノノアの筋肉は重い本でも大抵手に持って立ったまま読むのが癖だからなのだが……。)
「俺も負けられない!」
ついさっきまでにやけてたと思った息子にビックリした父を完全に置いてけぼりにして、
「ちょっと積みに運んでくる!」
と走っていった。
「あ……ああ。助かる。」
今日もカミーユは真面目に元気です。
☆マリー(自宅 シルク子伯家)
休日のマリーは髪を下ろしてドレスを着ている。
普段の凛々しさは、可愛らしいドレスに包まれて、すっかり乙女モードらしい。
「昨日の皆さんの水着姿素敵でしたわ~。」
こちらもこちらで水着を思い出していた。
が、特にいやらしい思いを馳せている訳ではなく、純粋に男性も女性もスタイルが良かった事がマリーを興奮させた。
「今度機会があれば何か皆さんの服を作らせて頂けないかしら?アリィには--で、ノノアは--。きっとルーイ様は--が合うわね~。悦。」
どうやらマリーの頭の中では全員が着せ替え人形になっていた。
「うん。絶対作りたい!」
……。自分の中で作る事が決定したそうです。
☆ミーサ(自宅の薬屋調合室)
「ふふふ~♪」
「あら?ご機嫌だね!」
今は仕事中の父と父親の隣にいるようです。
「そうなの。昨日ねぇハイビスカスが手に入ってぇ~。」
実は昨日の帰り際咲いているのを見つけたので鉢植えにしていました。
「試しに薬にしてみようと思って。」
「確か胃腸の調子を調える効果があるらしく、二日酔いとか夏バテに良いんだったかな。」
「本にもそう記載されていたわ。」
「そういえば、お茶にする事も出来ると聞いた事があるよ。」
初めて聞きました。
妊娠中の女性は飲まない方がいいものですが、ハイビスカスは美容効果もあるらしいですし、
「え。そうなの?それは----いいかもね。」
お茶にしたら女性に人気が出そうね♪
あの鉢植え他のと合わせて栽培しなきゃ♪ふふふ。
――――そして、
☆アリィとピア(ハノア侯爵家)
「お招き頂きましてありがとうございます。」
私はお茶会の主催者に挨拶した。
「堅い挨拶はよしてください。今日は本当に思い付きでしたのにいらしてくださってありがとう。」
「2人きりのお茶会ですかららくにしてくださいね。」
今日のふたりはいつもの制服ではなくドレスです。
こうしていますと普段賑やかにしてるお嬢様方には見えませんね。
「たまにはふたりでお話しをしてみたくて。アリィにはいつもロイが側にいますでしょ?」
「え。ロイですか。そうですね、幼なじみですし、特に気にしていませんでしたが。皆さんからするといつもになるのでしょうか。」
美味しい紅茶に焼菓子を頂いております。ん~♪
休日って感じですね!
『ロイ…………。ふふふ。まだ気にされていませんね。』
「でもおふたりはいつも息びったりですわよ。魔法を使う時も、何か考えが浮かんだ時も。示し合わせたみたいですわ!」
「そうですね。私も考えがすぐに伝わるので安心しています。」
「ロイはアリィの事を大切にしていますものね。だからよく気づくのでしょう。」
「はい。ありがたい限りですわ。」
あんなに優秀なのに私にまで優しくて本当に凄いですよね。
「昨日は昨日でアリィの水着姿を皆の目に触れさせたくなさそうでしたね。」
ああ。あの何やらロイがあたふたしてた時のことですね。
「私の水着姿が皆さんに比べて普通だからですわ。ですから比べられて私が凹む前に止めてくださったのです。」
また素敵すぎた皆さんの水着姿を思い返して浸ってしまいました。
やはり改めて皆さんモデルさんのようにお綺麗だと思いました。
『ふふふふ。』ピアは心の中で面白すぎて笑いが止まりません。
『これは――――しばらく楽しめそうですわ。いつものルーイ様の気持ちがわかりますね。』
「アリィの水着姿はとても可愛かったですわよ。」
「私はピアみたいなナイスバディーが欲しいです。」
「まあ。」
それからとても素敵なハノア侯爵家の庭園を眺めながらしばしお茶会を楽しみました。
時々ロイの話が出てはピアが楽しそうでしたが、何だったのでしょう。
しかし、社交のお付き合いではない友人とのお茶会はとても楽しかったです。
「次回はうちにお誘いさせていただきましょう♪」
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☆ダン先生(王宮)
「おーい。バルバド!ルイーズ!」
ギクッ!
思わず一瞬『逃げようかな?』と思わせる声の主はやはりダンだった。
「また来たんですか~ダン先輩。」
「今日はお休みですよね。いいな~。」
休日のダン先生はロイとアリィの父親の所に来ていた。
「まあまあ、俺から土産だよ。」
手には包みがあった。
「え?どうしたんですか?」
何故私達に?と2人は顔を合わせる。
子供達が御世話になっているのになぜ貰う側なのだろう?
2人が疑問符を沢山飛ばしていると、
「礼だ。」
と言う。
「私達の方が御世話になっているのに頂いてもよろしいのですか。」
と聞いてみる。
するとダンは、
「この前はむしろ俺が世話になった!いい休暇だったよ!」
と言って帰って行った。
残された2人はわけがわからない。
渡された手の中の包みには南の酒が入っていた。
「ルイーズ。」
「……なんだ?」
「あの人休暇って言ったぞ。」
「……。」
のんびりと話は進んでいきます。
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