懐に飛び込んで息を吸う?
どこにも居場所はないらしい。
薬指の鍵が揺るがぬ証拠だった。
じっと見る。
「お姉ちゃん、どうしたの?私、なんか変?」
声が震える。
思考が漏れる。
「その鍵…。どうやって?」
目を見開いて楽しそうに笑った。
なんてことなさそうに言う。
「うん?、ああ鍵ね。パパがくれたよ?」
……。
あぁ、いよいよどこにも逃げ場はないらしい。
怒る気にもならなかった。そんな気力残ってなかった。
ただ、消えてしまえたらと、切に思うだけ。
「隣いい?」
なんて聞いてくるけど、無視した。
彼女は勝手に近寄ってくる。
遅れて響く軋む音。
「そんな怖がんないでよ、変なことしないからさ」
そういって彼女が私の髪を撫でようと手を伸ばす。
「何考えてんの?」
私はその手を掴んだ。
彼女は目を見開き言う。
「お姉ちゃんに甘えてるだけだよ?」
そんなのおかしい
——「おかしいかな?私、あさかのこと大好きなのに。」
まるで先を読むようなタイミングで放たれた言葉。
「好きでしょ、お姉ちゃんも私が」
ゾットするほど純粋な声。
曇りのない笑顔が恐ろしい。
反射的に後ずさる私、狭いベッド。
体が壁に当たる。
逃げようとして、手首を掴まれた。
「離して!!」
よじるけれどほどけない。
そこで彼女は、不意に手を離し立ち上がった。
「やっぱ、いいや」
そういって立ち去っていく彼女。
なぜか、気分が晴れなかった。
気づくと腕を撫でていた。
いかがでしょうか?
次回も見ていただければ幸いです。




