レオンとエアンディールさま②
「お父さーーん!」
森の入り口から走って10分くらいの所でお父さんを見つけた僕は、両手を大きく振ったの。
ちっさいお兄さんは僕の横をふわふわしてるよ。
「お父さん! あのね!! お父さんのお知り合い?かも知れない人がね、お話したいって」
早く会ってほしいなって思って頑張って走ったよ。振り向いてこっちを見たお父さんは、すごくビックリしたお顔をしてたんだ。
「! ぇ、エアル!!」
「―――! ぁあ……やはり…貴方様で御座いましたか!」
ちっさいお兄さんは急に泣き出しちゃって……僕おどろいちゃった。え、お兄さん大丈夫?
「………王よ。今までお側に居れなんだこと申し訳なく」
「―――いや。我こそすまなかった。随分と心労をかけてしまっていたようだ」
「いえ。王よ、貴方様さえ御無事であれば我等は幸せでありますよ。ふふ」
あ、涙おさまったみたい。よかった〜。
「お父さん、エアンディールさまとお知り合いだったの?」
2人のお顔を順番に見ながら聞いてみたの。
「ああ、そうだな。長い間会えずにいたが大事な私の友だ」
「―――っっ その様な御声を賜りありがたき幸せ! うぅ……」
あれ、また泣き出しちゃった。大丈夫かな? でも、いつもお母さんとかが『わ〜っっ』ってなった時にするみたいにお父さんがお話してるから、きっと大丈夫だよね。よかったぁ。
……でも、ね。さっきね、ちょっとお兄さんの言ったことが気になったの。
聞き間違いじゃなかったら『王』って言ってなかった?
『王』って、お家にある本にのってたアレのことかな? う〜ん? 僕、腕くんで悩んじゃうんだけど。
しばらく、う〜ん、う〜んって考えてたらエアルさまが僕を呼んだんだ。
「レオン様。宜しいかのぅ」
ん? レオン様? え、なに何?? 何だかムズ痒いっっ
「王にお聞き致した。レオン様はヴィヴィシュアナ様との御子であるとっっ なんと! まさに僥倖!! このエアンディール、是非ともレオン様のお側にて仕えることお許し戴きたく!!」
うっわ!何だかムズカシイ言葉だし早口で僕の頭はパニックです。
僕、どうしたらいいの?
チラッとお父さんを見ると、ふふってちょっと眉毛を下げて『困ったねぇ』てよく見るお顔をしてたの。
苦笑いって事は、お父さんが心配する様な事じゃないんだね? ………じゃあ、大丈夫かな?
「うん」
後で、辞書を調べてみよう! いつも、お父さんとお母さんが、分からないことはまずこの本を調べようねって言ってたから。早く帰って調べなきゃね!
僕がお返事をするとエアンディールさまはふわっと僕の目の前に来たの。
そしたら、体からシュルシュル〜って緑と金色の光が出てきて、ピカッて光ったから思わず目を瞑ったの。
恐る恐る目を開けたら、僕の前で両膝をついて、指を組んで頭を下げている大人の人が!
誰っっ!?
ふ……て顔を上げた人を見たら、ちっさいお兄さんと同じ顔!! おっきいお兄さんだっ
「某は風の民エアンディール。聖霊王と風の王の名に誓う。この身の全ては主のもの。この生命尽きようとも永遠の忠誠を」
―――? え?? 僕、何を言われたの?
分かんない……またまた頭パニックしてる……。
髪の毛くしゃくしゃになっちゃうけど、頭かかえちゃった。
これ、どうしたらいいの!?
お父さん助けて!!
お父さんをバッて見ると「ふむ」って言いながら手をあごに当ててる。
しばらく目を閉じてたけど、ゆっくり瞼を開けて僕を見たんだ。
「レオン。エアルはレオンとずっと一緒に居たいと言ってるがどうだ? レオンの知識にある友人とは言い難い関係ではあるのだが……何と説明したらいいものか」
むむむ、って珍しくお父さんが眉間に皺を寄せてうなってる。
う〜ん? よく分かんないけど、家族みたいにいつも一緒ってこと? 仲良しっていうこと?
エアンディールさまは、まだちょっとしか一緒してないけど、側にいると気持ちがあたたかくなるの。
家族以外の人と初めてお話したけど、まだまだ話してみたい。
チラッてエアンディールさまを見たら、何だか心配そうなお顔をしてた。ダメダメっ! こんなお顔させちゃダメ!!
「お父さん、僕もエアルさまと一緒にいたい。どうしたらいいの?」
「―――そう、か。ではレオン。父が言った事を繰り返しなさい」
エアンディールさまがものすごい笑顔になった!! よかったぁ〜。




