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レオンと魔眼持ち(リアン視点②)


入学して二日目から万希彌とお昼ご飯を食べることになった私は、万希彌の側近である藤宮蓮華(ふじのみやれんげ)先輩と食堂に向かうことが日課となっていた。


 日課となってから既に十日ほど経とうとしている。


 彼が教室に迎えに来た時にすぐに行けるように、四限目の授業が終わる時間を見計らって早めに準備する。食堂での待ち合わせ時間を少しでも過ぎると、万希彌が初等科に来てしまうから……。


 以前、先生が授業のキリの良いとこまでしましょうか!ーーーーと少しばかり時間を過ぎたことがあったんだけどね……。

 皆、先生のお話が面白かったから集中して聞いていると教室の扉からひょっこりと万希彌(皇太子)が顔を出してきて……一瞬で教室の空気が固まったこと数回。今では、四限目を担当する先生の方が気を使って時間を過ぎないようにしてくれている。……すみません。


 万希彌は倭国の皇太子ということもあって、警備上の関係か食堂は個室を使用している。

 個室の中は今では顔馴染みの人達ばかりとなったからゆっくりとお昼の時間を過ごせている。

 だけど、ここは食堂の一番奥にある部屋だから食堂の真ん中を突っ切って行くことになる。正直いつまで経っても慣れない……。


 自分の前を歩く藤宮先輩は、万希彌の最側近だし眉目秀麗で成績上位者として学園の中でも有名人なので。

 たとえ()()()姿()()()()()()()()()()()()()()()()()()させているとはいえ、藤宮先輩の後ろをひょこひょこ歩いてついていく人影が目に入れば食堂にいる人達の視線は私に向かうのだ。なので、自分なりに対策を講じてきた。



 目立ちたくない私は一日目の案内中に『これはヤバい!!』と察したので次の日から認識阻害を発動させた。

 何も考えず、とりあえず『スキルで自分とは分からないようにすればいっか!!』と使ったんだけど、『廊下を歩いていると突然私の姿を確認できなくなった!』と、普段あまり表情を変えることがないと評判の藤宮先輩の表情筋が凍ばり慌てるっていうことが数回あったので……『全開では駄目かぁ~』となり。

 なんとか認識阻害のスキルを先輩に気づかれない様に微調整(認識阻害のスキルは家族と近しい人以外には内緒にしている)、そして先輩の他の人達よりも高い能力さを利用して、先輩には認知されつつ他の人達には『皇太子の個室に入っていく存在感の薄い人』と映る程度にスキルを発動できるようにした。

 先輩と、他の生徒さんの両方への対策としてはこれがギリギリの線なのかなと思っている。

 大変だったけどね……これものんびり暮らしていく為だ…………本当に大変だったけどね……。



 今日も美味しい昼食を食べた後、藤宮先輩は教室まで送ると言ってくれた。

 けど、中等科の方が食堂から距離があるし五限目の開始時間も中等科の方が早い。


 先輩が毎回五限目に遅刻するというのは申し訳ない。


 というか、おばちゃんは頭が固いからね。授業に遅れていくなんて駄目でしょ。今回も丁寧にお断りさせていただいた。


 それに藤宮先輩の為に微調整したスキルを発動したくないのだ。全開でスキルを発動する方が何にも考えなくていいから楽なんだ。しかも人から認識されずにいられるから本当に気楽!

 

 なので、食堂の出口で万希彌達と別れた後は廊下をぼーっと歩くのが日課の私は、今日も思いっきり気を抜いてのんびりと歩いていた。


「あの……皇 麗蘭様でしょうか?」


 そこに急に声を掛けられたからびっくりして飛び上がってしまった。


 え? なんで私が見えてるの???


 心臓がばくばくしちゃってるし、日頃まったく接点のない人からの声掛けに警戒した。


 けど、あ、そっか。まだスキル開放地点に来てなかったから見えてるのか……と呼吸を整えながら一人納得する。


 スキル開放地点?? ご飯食べた後は眠いからね。忘れたらいけないから廊下の曲がり角まで来たら勝手に発動するようにしてるのよ。どこかで楽はしなくちゃ疲れるじゃない。


 ぼーっと歩いていた私も、流石に一気に目が覚めて声の主を見た。


 子うさぎの様な大きな紅の瞳を潤ませながら上目遣いで私を見ているのは、日頃、先輩達との接点がない私でもお顔は認識していた小柄の二つ年上の先輩だった。



 確かーーーー珍しく、人語を片言だけど話すことの出来る火の中位精霊と契約した先輩って記憶している。


 先輩の肩にちょこんと乗っているふわふわ赤毛の火猿がそうなんだろうな?

 手乗りサイズのちょっとヌイグルミみたいな子でかわいいなぁ……。


 じっと私が見た途端、お猿さんはびくっと飛び上がったと思ったらシュッと先輩の髪の毛の中に隠れてしまった。


 

 ーーーーえ? なんで? 私怖がられてます……??


読んでいただきありがとうございます。

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