魔眼持ち④
感染症に罹患し、現在は日常生活に戻りましたが長期間投稿できず申し訳ありませんでした。
体調もまだ全快と言えず、また年末という事でしばらくバタバタしていて年内の投稿はここまでとなりそうです。
年が明けてから、また頑張ろうと思いますのでこれからもよろしくお願いします。
それでは皆様、あわただしい年の暮れ、どうぞお健やかにお過ごしください。
「イグニスさん、大丈夫ですか?」
声のした方向を見ると見慣れた姿の兄が両膝をついて心配そうな顔で下から覗き込んでいた。
私がイグニスさんに羽交い絞めされるちょっと前、私とみつきちゃんで話してわかったことは、みつきちゃんが魔眼の持ち主だったってこと。
けれど、今まではよく見えていなかったこともあって私達の本当の姿はわかっていなかった。
今回、眼鏡を掛けた事によって私達の本当の姿をはっきりと認識したのだと判明した。
その後の私達の会話も聞いていた兄は、認識阻害の発動はみつきちゃんには必要なしと判断し、そして、さっさと一人で認識阻害のスキルを解除していたのだった。
こらっ、兄!!
ちなみに、私とみつきちゃんの会話だけれどーーーーー。
『ないしょごとって? さっきりらんちゃんが言ってた、正体をかくしてたってことやよね? え、別に「そうなんかぁ~」って思ったくらいで、りらんちゃんのなかが変わったわけじゃないんなら別に気にならんのやけど。……それよりも、うちも……りらんちゃんに色、見えてるとか言えんかったしなぁ~って』
みつきちゃんの表情が曇ってきていた。
『……うちこそごめんね? うち、目が悪いからってりらんちゃんにいっぱい迷惑かけちょったやろ? 字とかは見えんやったけど、だれがだれかとかって人のことは大体わかっちょったのに、りらんちゃんに甘えて言わんかったし……』
多分みつきちゃんが言いたいのは、授業のことで教職員室に教師を呼びに行った時、大勢いる中から探すのが困難だろうなぁと私がよくついて行っていた事だろうか?
教職員室に着いたら、自分が『○○先生~!』って大きな声で呼んでたな。
あっ、それともあれか?!
みつきちゃんが同級生に用事があるって時に、私が勝手におばちゃんのお世話根性丸出しで行動してたことだったりする?
正直いうと、前世を思い出してから自分の子ども時代を振り返っているようで楽しくなってきていたのよね……。
前世は人見知りしてたし、先生は偉い人って思っていたから、こんな普通に話しかけたり出来なかった。声は震えるし、上擦ったりしてたもんなぁ~。
それが今ではおばちゃんの経験もあるから、下手したら先生達よりも生きた年数多いんじゃないか、私?!ってことで、なんだか先生に持っていた感情がすっぽり抜けちゃった結果、結構楽しんでたのよね。
同級生なんか自分の子ども、もしくは孫感覚よ!!
なのに、みつきちゃんがこのことで私に申し訳なく思っていたのなら言わなくては。
『ごめん! みつきちゃんがないしょにしてたって言うけど、私も「そっかぁ」って思ったくらいだし。そんな事でみつきちゃんのことを嫌にならないよ』
『ーーーーーほんと?』
『本当に! 逆に、みつきちゃんと一緒にいる時間欲しくて自分から進んでしてたとこがあるから!!』
みつきちゃんの眉毛がへにゃんとなったと思ったら瞳が潤んできていた。
『……よがったぁ~~! りらんちゃんに言えんかったの、どう思ったんかなって考えよったら……なんやこわくなってしもうて』
『いや! それは!! あのね、私にだって口に出したくないことあるんだから、他の人にもあるって思うのよ。それなのに『友達と思ってるなら、隠し事しないで全部言え』て強制する人は相手のことを考えてないし、相手の気持ちも無視してると思うんだよ』
友達だから共通認識を持ちたいし隠し事はいやなのはわかる。
でも、相手の気持ちを無視して無理強いするのは違うんじゃない?
友達だからこそ相手の気持ちを守ってあげなくちゃ。
『友達』という言葉が縛り付けちゃいけない。
『みつきちゃんが言えなかったって言うけどそれにも理由があったんでしょ? じゃあ、大丈夫!! 私はみつきちゃんが私に甘えてくれたことが嬉しい! 私が嫌いだなって思う人は、例えば「この言葉を聞いてどう思うのか」とか、相手が「この行動をどう思うかな」とか相手の立場で考えれない人なの。要するに自己中ってやつかな? 私は、お互いのことを尊重できてこそ友達って呼べると思ってるから。日頃からみつきちゃんが私のことを大事に思ってくれてること、見てたらわかるよ。だから、大丈夫なの!』
鼻をすする音がしだしたみつきちゃんの目からは涙が溢れていて。
『うん! うち、りらんちゃんのこと好きやから、りらんちゃんがこれ言ったら嫌かなぁ〜とか、りらんちゃんの好きなこと一緒にしたいなぁっていつも思っちょんし、これからもずーーーっと一緒にいたいって思っとる!!』
改めてみつきちゃんに『一緒にいたい』と言われた瞬間、私は親友のあまりの可愛さに悶え苦しんでいた。
読んでいただきありがとうございます。




