魔眼持ち⑤
明けましておめでとうございます。遅筆な投稿者ですが、今後もお付き合いして頂けましたら幸いです。
今回、主人公は兄となっております。楽しんでいただけたら嬉しいです。
それでは、令和5年最初の投稿、よろしくお願いします(*´ `*)
イグニスさんが私をぎゅーっとしたのは、みつきちゃんと二人で半泣きしながらも、うふふと照れ笑いしていた中だった訳で。
イグニスさんの突然の行動に、それまでのふんわかした空気なんてぶっ飛んじゃったわ!
びっくりしすぎて、目かっぴらいちゃって、涙なんて一瞬で止まったわ!!
まぁ、そんなこともあってのイグニスさんと父のやり取りがあった訳です。
もうね、何とも言えない居づらい空気が漂っていたのですよ。
そんな中で、兄が声を掛けてくれた訳だけど。
兄が目の前で心配そうに覗き込んでいるんだけど……ごめん、兄。上目遣いで見られると……自分の兄ながらきゅんしちゃうからやめて……。
しかも私だけじゃなくてイグニスさんと父にも十分被弾していた。
同性なのに照れさせる兄って最強ではないか? この歳で……わが兄ながら末恐ろしいな。
ちなみにさっきまで父とイグニスさんの間に漂っていた重い空気は、兄のこの攻撃によって霧散していた。
私達三人の表情が変わったことに安心したのか、兄がにっこりと微笑む。
「お父さんとイグニスさんの事情はよく分かりませんが、みつきちゃんは自分達の事を誰にも言うつもりはないと言ってくださってますし。その魔眼持ちの力も、希少なスキルということが判明したので、みつきちゃん以外のスキル持ちの人と会う可能性は低そうですね。それなら、このままの生活を続けて良さそうじゃないですか?」
そうだった! 今後の事を相談するために家族を呼んだんだった!!
「みつきちゃんの人柄はリアンも僕も十分に知っていますし。それに、みつきちゃんの周りの子達が護ろうとする子です。安心していいのでは? イグニスさんの空気が変わった時、護るように傍に寄り添っていましたよ。自分の主である精霊王に立ち向かって庇おうとするのですから、本当に慕っているんでしょうね、みつきちゃんのこと」
「え? うちに精霊おるの?」
「いますよ。二人」
そう言うと、兄はみつきちゃんの瞳を見つめながら横髪に手を差し入れた。そして、首元にささやくように『出てきておいで』と声を掛けた。
途端、みつきちゃんの首元からはそれまで認識できなかった小さな火蜥蜴と紅色のひよこの様な小鳥が顔を覗かせた。
え? なんかむちゃくちゃ可愛い子達がいるんだが??
みつきちゃんも突然現れた子達にびっくりしていた。
「あ…ぇえ~と、こん子たち、今、どこからでてきたん?」
「あぁ、彼等は僕達が来てからずっとみつきちゃんの髪の中に隠れていたんですよ。中位の精霊さん達なので気配を隠すのが上手だったようですね。リアンは気づかなかったようですが、今までもずっと傍にいましたよ」
え?? 全然気づかなかった!
姿を現した精霊達は、みつきちゃんの目の前でふよふよと浮きながら頭をぺこぺこしている。
どうやら挨拶しているみたいで、それに気づいたみつきちゃんも一緒になって「あ、いえ、こちらこそよろしゅうです」と言いながら挨拶を始め、三人(?)は互いに頭を下げあっている。
……かわいいなぁ~。癒されるなぁ~。
しばらくすると、言葉を交わした訳ではないけれど意思疎通したらしい精霊達はみつきちゃんの肩にちょこんと座っていた。
「お兄さん、こん子たちのこと教えてくれてありがと~!」
みつきちゃんが満面の笑顔でそう言うと、兄も満足そうに微笑んだ。
「いいんですよ。―――ですが、ちょっと妬けますね。みつきちゃんが認識した事で、これからは僕よりもその子達との時間が増えるという事ですからね」
肩にとまっている精霊達に視線を向けた後、兄はもう一度髪に手を伸ばし指先でひと房絡めとった。
そして、視線をみつきちゃんに向けた。
兄のその仕草にみつきちゃんの顔がどんどん真っ赤になっていって。その表情を見て嬉しそうに微笑んでる兄がいる。
……そして、その光景を見せられている私達家族。
さっきまでとは違う意味で居づらい空気感漂う部屋となってしまった!!
あのね! おばちゃん、長く生きてたから多少耐性あるけど、これみつきちゃん耐えれるかな?!
―――――あ、無理っぽい。顔から湯気出てる。
そして、私達全員の反応に、兄は手を口元に当てくすくすと笑っているのだった。
読んでいただきありがとうございます。




