魔眼持ち①
どうやらみつきちゃんは私の家族や事情にはそれほど興味がなかったらしい。
みつきちゃんが一番気にしてたのは私が言った言葉だった。
『正体がばれたらここには居られないかな』
自分的にはぼそっと言ったつもりだったけど、みつきちゃんは視力を補えるくらいに聴力を鍛えて?いて、耳が良いのでしっかりと聞こえていたようで、手をぎゅーっと握られた。
私の中では『複数人、もしくは国単位』でばれたらって考えていたんだけど呟きを聞いただけのみつきちゃんはそんな事は分からないんだから勘違いしてしまってもしょうがない。
「ぁ、うん。それなら大丈夫かな? そもそも、みつきちゃんが他の人に言うとか考えてなかったから」
そうなんだ。元々、みつきちゃんが誰かに言うのでは?なんて考えてもなかった。
ただ、みつきちゃんの他にも自分達の認識阻害を突破できるような人が実はいるのでは……と不安になっただけで。なので、
『なんでみつきちゃんが自分達の正しい姿を見れたのか?』
それを知りたくて父達に来てもらった訳だ。
壁際の椅子に座っている父を見て、こいこいと手を動かす。
その仕草に気づいた父は自分を指さして『俺?』と首を傾げる。
うっ、なにその動き……。かわいいんですけど!? わが父ながらちょいちょいと私のツボをくすぐってくれる。
「お父さん、みつきちゃんには私の目が金色に見えてるって。スキル発動してる筈なのに、どうして?」
あと、みつきちゃんには生き物の周りに光が見えるというのも気になる。
父とイグニスさんが視線を交わした後、父は私とみつきちゃんの傍に来ると片膝をついた。
「初めまして、みつきちゃん。僕はこの子達の父親で、皇 晴と言います。よろしくね。さっきは驚かせてしまってごめんね」
父はきらきらしい笑顔でみつきちゃんに挨拶したが、以前の様なかたっ苦しい言葉でもないし、家族やイグニスさんと話すような感じでもない。
というか、こんな話し方は初めて聞いたが?
兄もびっくりした様で、目を大きくしていた。そして、私と目が合った。
『お兄ちゃん、父がおかしい!』
『うん!! あの話し方は何!?』
『僕って言った?!』
『言ったっ! 』
二人で口をぱくぱくしながら会話を続ける。
母がすすすぅ~と私達に近づいてきて耳打ちする。
『ナルね、リアンとレオンからみつきちゃんの話をよく聞くようになって、「いつか紹介されると思うんだけど、お友達から見た理想の父親ってどんななんだ!?」って聞いてきたから、何冊か本を渡したのよね。その結果です!』
………。なるほど。父なりにいろいろと考えてくれた結果は優しい口調と笑顔だったのか。
みつきちゃんは、父の微笑みに少しばかり固まっていた。
母との会話も終わったところで、みつきちゃんの手を軽く握ると、びくっとした後、私と兄を交互に見て言った。
「なるほどやわ!! りらんちゃんのおじちゃんとおばちゃん、むっちゃきれいっ おにいさんとりらんちゃんがきれいなんはおじちゃんたちに似たんやね!」
みつきちゃんに綺麗と言われて満更でもない両親は、みつきちゃんをかわいいと頭を撫でていて。
みつきちゃんも両親からのなでなで攻撃に照れくさそうにしている。
なんかいいなぁ~。大好きな両親とお友達が仲良くしている光景は心がほっこりする。
顔を真っ赤にしたみつきちゃんと『えへへ』と二人で笑いあう。
この空間ほんわかしてて良いわ〜と思っていたら突然ばりっと引き離された。
「話を進めないといけないんじゃないのか!?」
眉間に皺を寄せたイグニスさんは、そう言いながら私を抱き込んできた。
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