みつきちゃんと眼鏡②
魔法学園で配られた教科書を見た時から『どうしよ.……』と思っちょったの。
『私のいってた学問所の教科書より字がちっさい』
私の知っとる本は、字は大きいし絵がところどころあったけん見やすかったんよ。それに、こんなぶ厚くなかったん!
うちの私の周りん人たちは、私が目が悪くてちょっと見えづらいってこと知ってくれとったから、よく声をかけてくれるし困ることはそんななかったんよ。
だけど……学園に来て、分かっとたけど知り合いは一人もおらん。
担任の先生にはよく見えんってことを言ったら席は一番前にしてくれた。
でも、黒板の文字はぼやけちょんし、クラスの人達の顔もはっきりわからんくて……授業の後に分からんかったとこを聞きたくても誰に聞いたらいいんやろかってじーっと見よったら、いつの間にか皆おらんくて。
放課後に先生のとこ行って、聞いて、何とかしよったけど最近は授業の内容も難しくなってきた……。
寮に戻ってからも教科書と睨めっこしてたんやけどなぁ……。
お父さんとお母さんに手紙書こうかなぁ……。
魔法学が初級編に進んで教科書の内容がさらに難しくなってしまって……『あ"あ"ーーっ もうわからーん!!』ってなっとったある日、私に声をかけてくれた子に不思議なことを言われたんよね。
『あの〜、もしもし? なんか悩んでるみたいだけど、どうしたの?』
教科書にかじりついて見よったら急に目の前に人が立ってたんよ。
びっくりしたけど、最近じゃ私に声をかける人も減っちょったけん『誰やろ?』と思って目を細くして見たんやけど……女の子や〜!
顔をよく見たくて目をもっと細くしよったら急に前の子が手を私に向けてきたんよ。
『え?! 何なん??』
びっくりしすぎて声も出せんとおっとったら女の子が私に質問してきた。
『これ、何本か分かりますか?』
あ、指やったんや!!
頑張って目、細くして見るんやけど『―――四、え、ん? 三……? え〜と……』ぜんっぜんわからんって!
せっかく声かけてくれたんに顔もよくわからんしで申しわけないわ……。でも、質問の意味もわからんのやけど?
『ねぇねぇ。もしかして、教科書の文字、見づらい?』
びっくりしてしまって『え? 何でわかるの?!』って大きい声で言ってしまった。
『あ、やっぱり! 黒板の字見えてる?』
魔法学園に来て、先生以外で私の目のことを気にしてくれた初めての子は『皇 麗蘭』ちゃんていうお名前やった。
それから、いろんなことを話したんね。なんか……この子と話してると近所のおばちゃんたち思い出すんやけど何でやろか?
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あの後、先生が教室に入ってきて朝の会が始まったので一旦話は終了させねば、と『みつきちゃん』(名前げっとだぜっっ)に後でまた話せないか聞いてみた。
「また休憩時間に話しませんか?」
「いいの?!」
おぉう! 思いがけない凄い勢いにびくっとなってしまったけど、目の前の子のきらきらした瞳を見ちゃうと冗談でも『嘘で〜す」なんて言えないわ。
お昼以外の時間ならたっぷりあるからと伝えると、とっても喜んでくれた。かわいい……。
早速一時間目が終了すると、みつきちゃんの机まで行く。
みつきちゃん、さっき自己紹介した時に『名前は知ってるけど、容姿はぼやけてたからどこの席に座ってるか分からない』って言ってたから。
そうして、お昼ご飯の時間以外はお話した。
本当は放課後も話したかったんだけど……宿題が……どっさりと……出たからね。
頑張らなきゃね……。
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はぁ〜! 今日は朝からびっくりすることばっかりやったわ。
りらんちゃんっていう子といっぱいお話できて楽しかったわぁ。
そういえば、あんなにお話するんは久しぶりで、お話もあって楽しかったからお昼ごはんも一緒できんかなぁ〜って思って言ったんやけど、『ごはんの時だけはどうしても無理なの……』と急に沈んだ声で言われたん。
なんか気になるから、そのうち聞いてみようかな?
読んでいただきありがとうございます。




