麗蘭の学園生活②
入学から四ヶ月。
とうとう実技の授業が始まった。
まずは魔力神経回路を鍛える科目『魔力制御法』と、体力と忍耐力、そしていずれは魔族や魔獣と戦う事もあるので、戦闘術を身につける為の『体術』が初等科で習う教科。
中等科や高等科になれば、契約した精霊と一緒になって魔術を組み合わせて行う教科が足されるのだとか。
例えば薬草と魔術を組み合わせ様々な薬を生成する『薬学』や、魔術での攻撃・防御を修得する為の『魔法学』等、個人の能力等を考慮して技術を修めていく。
とはいえ、一定基準は設けられていて、その基準をクリア出来なければ進級は出来ない。
魔術師は稀少で憧れの職業なのだよ!!
生半可な実力の者が名乗って良いものではないから、きちんと学園を卒業しないと認定されない。
ちなみに、兄は学園に通う様になって最初の特別授業が『魔力制御法』だったらしい。
いつもの様に全力で回路に魔力を通すと、覚醒して間のない者として入学したのに有り得ない魔力量となる為、試験監督官でもある教師の前ではとにかく抑えた魔力量を回路に流し、誤魔化したとのこと。………私の時はどうしようかな?
あ、そういえば兄は入学試験の時の学力テストで太鼓判を押されたそうで、学力の特別授業は免除だったそうです。いいなぁ!!
入学する事になった精霊との契約の設定は『隠蔽』によって『西方諸国からの帰路中に立ち寄ったオアシスで、無理矢理契約させられそうなスイちゃんの声を聞いた兄が助けた』という、なんちゃって浦島さんとなっている。
こじつけ感満載な気がしたので大丈夫か心配になったが意外とある話だったらしい。
「ほら、リアンと森にいる時に一緒に家の本読んでたでしょう? 結構古い文献と70年くらい前の民間の娯楽本で似た様な話があったから、比較的有り得る話なのかなぁ、て思ってお父さん達に聞いてみたら当たってたみたい」
「そうなんだ〜! でも、古い本って精霊文字で書かれてるってお父さん言ってたけど?」
「そうだね。ちょっと最初は大変だったけど、エアルが単語とか教えてくれたからね」
ちょっと? いえ、あれはちょっとではないと思います……。
そんな兄は、今では考古学の権威ある教授からもいろいろと相談されている。さすがです。
私も自分なりに調べていく中で知らなかった事が結構あった。
まぁ、この世界に生まれて10歳そこそこの子どもが『世の中まるっと分かってますよ〜』っていう方が有り得ないからね。私は普通だ!
若干数名、そんなに歳が変わらないのにわかってらっしゃる方がいらっしゃいますが、それは横に置いときますがね。
その内の一つが、儀式でも使われてた魔力測定器。
人それぞれ張り巡る量は違えど魔力神経回路が体内を廻っていて、その回路に自然界から少しづつだけど魔力を取り込んでいる。
これは、回路には魔力を吸引する力があるから。
つまり、10歳までは魔力神経回路の差が魔力量の差となる。
ちなみに魔力測定器の珠は微量の魔力には反応しない様に出来ている。
魔術を行使する際にはある程度の魔力が必要なので、その基準を越える者が魔力測定器に触れた時に光る様に出来ている。
ただ、魔力は10歳以降も何らかのきっかけで増幅する事があり、魔力回路にも変化が見られ魔力量が増加する人が現れる。
兄の設定はこれです。
そして、そういう人は直ぐに申告しなきゃいけない。
はい。そうですっ 囲い込みですっっ
そして、知らなかった事、そのニ。
申請する所は、其々の国だと思っていた。けど、違っていた。
倭国やランヴィドール王国等があるこの大陸と、海を渡った先の国々などを跨いで存在する独立した【聖なる箱庭】という巨大な組織。前世でいったら国連みたいなものかな?
魔術師は国に仕えているのではなく【聖なる箱庭】に所属している。
魔法やスキルに関する案件に対し、国よりも絶対的権力を持つ組織であると共に、魔族による人的・物的被害時や魔王の復活時などでは先陣を切って戦いに身を投じる義務がある。
その為にも戦力の把握は必要。
だから故意に黙っていてばれた時………世界規模の組織に叛意ありって取られるんだなぁ。……怖いなぁ。
しかしながら、そんな【聖なる箱庭】も倭国の皇族には強く出れないんだって。
倭国は、何度も皇族が『勇者』として魔王討伐に自らその身を投じて世界を守ってきたのでね。
世界の為にも敵に回してはいけない国なのですって。
誤字脱字報告ありがとうございますヽ(´▽`)/
27話をちょこっと書き換えています。
大きくは変わってないと思うのですが気になる方は読んでいただけたら嬉しいです。
読んでいただきありがとうございます。




