麗蘭の学園生活①
同級生と机を並べて早一ヶ月半。
入学してから暫くは、『魔力とは』とか『精霊とは』といったいろんな座学が主だった。
正直、半世紀振りの授業は面白かった!
私にとって御伽話の世界感満載で、聞くもの全てが楽しい!
ちょっと前世の愛読書を思い出したわ〜っ
父達にある程度の事は教えてもらってたけど、それは精霊側からの話なので、人の側との差異に『ほぅほぅ』となる。
魔力の定義も微妙に違うんだよね。
教科書には『魔力とは精霊の力。上・中・下位は魔力量で決められる』と書いていた。
父に聞いたのは『魔力は世界に常に流れているもの。自然の力。精霊はその力を身に留めおく為の器でしかなく、その容量で位階が決まる』ということ。
魔力回路を鍛え整え、精霊と契約した後に、その回路に魔力を通すのだって、父からの説明を聞いて思ったのが、精霊はパイプの役割なんだなってこと。
人と自然界をつなぐ役割なんだよ。
それから、人がその魔力を使用しないでいると、この世界から溢れる事になり、別次元のどこかの世界に雪崩れ込んでしまうらしい。
それがどんな影響を与えるか……と、父が話を濁したところをみると……ちょっと怖い事になる?
数少ない魔導師に全て任せるのではなく、人為的に減らす方法はないのか?と精霊王達も考えようとしてたら、その前に人々がちょっとやらかしちゃったらしい。ありゃりゃ。
圧倒的に多い魔力を持たない人々は、時折現れる魔の者から自分達を護ってくれる魔導師達に感謝していたんだって。
だけど、自分達の生活を豊かにしてくれるという訳ではない魔法に興味は薄くて。
それよりも自分達の生活を豊かにする為にどうすれば良いのかを考えて、自然物資を利用する事を覚え、搾取し、汚して、と自然を破壊していった。『再生』する事など考えずに。
その結果、世界を巡る魔力は失われそうになっていたと。
世界を流れる魔力は、自然の中を巡り続ける事で力を増していくのに、そのものが消えていこうとしていたんだから当たり前か?
段々と失われていく力の源に魔導師達も気付くけど、その頃になると人語を交わし意思疎通出来る様な上位の精霊と契約できる者は存在してなくて、原因を探るにも困難になっていた。
そして、世界から神聖な力が薄れていった事で魔の者が力を振るう様になる。
このままでは『世界の均衡』が崩れてしまう。
つまり、異なる世界に何らかの影響を与えそうになっていた、と。
この時ばかりは『世界の理』も動いて、精霊王達も現世に顕現し、言葉を紡ぎ、力を与え、人の手で神聖力を取り戻したらしいんだけどね。
でも、その頃の人と精霊での意思疎通は難しくなっていたからか、精霊の力が上手く伝わらなかったらしいよ。
だから、教科書の文章が違うのかぁ。
そんなこんなで、人々はこの事を忘れない為、自分達を戒める為に言葉を残す事にしたんだって。
今後、魔族に世界を踏みじられない様に。
『魔族が現世で力を持つ様になった裏には、人が自然を顧みらなくなった事が関係している』
これは、現在、人と精霊の共通認識となっている。
そして、魔の者の存在を忘れない為に、敢えて自然の力を魔力と呼ぶ様にしたんだって。
常に自分達のやらかしちゃった事を意識する様にって。
―――忘れちゃいけないのは分かるけどさぁ、神聖力の方がかっこいいのにな………。
今からでも呼び方変えない?
まぁ、魔族も世界の均衡の歯車らしいので、滅びる事はないらしい。え〜?
それで、その後虎視眈々と機会を窺ってた魔族によって父が闇堕ちしちゃった、と……。
これ、どうにか出来ないのかしら?
読んでいただきありがとうございます。




